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葉室麟さんの著書「蛍草」

BS時代劇として、「蛍草 菜々の剣」がNHKのBSプレミアムで放映中。
毎回観るのが楽しみである。
次回は最終回となっている。


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この時代劇の原作は、葉室麟さんの作品である。
葉室さんの作品はほとんど読んだつもりだったが、この小説は読んでいなかった。
早速、書店で、この放映に合わせて新版が出たばかりの
「蛍草」(双葉文庫、676円+税)を買い求めた。
そして一気に読み終えた。
物語の結末をすでに知りながら、時代劇の最終回を見ることになる。
大筋では同じなのだが、細かい所で原作とドラマでは
違いが目につき、やはり気になってしまう。


葉室麟さんの著書「蛍草」_d0037233_09000223.jpg

題名の「蛍草」とは、露草の事であり、
俳諧の世界で使われ、秋の季語となっている。
また古くは「月草」と言われ、万葉集にも出てくる。
著書の中でも紹介されている。

  月草の仮(かり)なる命にある人をいかに知りてか後も逢はむと言ふ
                     (詠み人知らず)

城中で刃傷沙汰を起こして父親が切腹、
さらに労咳で母親が亡くなり、叔父の家に引き取られたものの、
父の無念を晴らしたいという悲願を胸に、
主人公の菜々は風早家に女中奉公として厄介になる。
16歳の春だった。
風早家の当主、市之進、その妻、佐知から暖かく迎えられ、
二人の幼い子供達からも慕われ、平穏な日々を過ごしいたのだが、
亡き父親、安坂長七郎と同様に、市之進も藩の改革を目指していたのが、
罠に仕掛けられ捕らわれの身に。
さらには、佐知も労咳で亡くなり、菜々は風早家の幼い
子供たちの面倒を見る立場になる。
若き菜々の孤軍奮闘の日々が続く。

世代交代し若き藩主が江戸からお国入り、
この機に、菜々は一世一代の大勝負に挑むことになる。

やはり葉室作品感動的で実に面白い。
葉室ファン必読の一作である。
ドラマも素晴らしいが、原作はさらに素晴らしい。








by toshi-watanabe | 2019-09-02 09:00 | 読書ノート | Comments(0)

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by toshi-watanabe