内田 康夫著「『須磨明石』殺人事件」を読み終える
2018年 10月 09日
内田康夫さんの著書「『須磨明石』殺人事件」を読み終える。
今から25年前に書かれた作品だが、
最近、徳間文庫の一冊として出版されたばかり。
660円+税。
この時代の作品はほとんど読んでいない。
「明石原人」を取材中の新米新聞記者の
前田淳子が須磨駅を出た後、行方を絶った。
彼女と最後に一緒だったのが、
前田淳子の女子大学の後輩で女子大生の崎上由香里。
新聞社の淳子の上司から依頼を受けて、
ご存知名探偵、浅見光彦が神戸に出かけ、
由香里とともに探索を開始する。
内田さんは、この作品を書くにあたり、
平成4年(1992)の初夏、須磨、明石を取材された。
作品にも登場する神戸女子大学へも取材、
大学の名前が出ることの許可も得られたとのこと。
出版されたのが同年の11月だったが、
その2年2か月後の平成7年(1995)1月17日、
「阪神・淡路大震災」が発生した。
そんな時代に書かれた作品なので、
現在ではだいぶ様子が変わっているかもしれない。
須磨、明石付近、全然知らない土地であり、
大いに興味をそそられる場面もある。
例の如く、浅見探偵の見事な直観と推理力により
事件の糸口がほぐれ、地元警察署員との
協力により解決に向かうのだが、
次々と殺人事件が起きるのには、
嫌な思いもさせられる。
神戸児童殺傷事件の余波なのか、読後感があまり良くなかったです。
ドラマは見ていませんが、演出が変わっているのかな。
須磨明石は源氏物語の舞台にもなっていますが、
蟄居中の光源氏の物語です。敦盛の最期の地でもあります。
コメントを頂き有難うございます。
須磨明石というと、やはり源氏物語を思い浮かべますよね。
作者が自作解説の中で述べられていますが、
この作品を最初に出版したのが1992年末、
その2年1か月後の1995年1月17日に起きたのが、
「阪神・淡路大震災」。
取材に訪れた地域もひどい被害に遭ったとのこと。
さらにその2年後の1997年に起きたのが、
ご指摘の「神戸児童連続殺人事件」でした。
本当に忌まわしい事件でした。