人気ブログランキング | 話題のタグを見る

内田 康夫著「『須磨明石』殺人事件」を読み終える

内田 康夫著「『須磨明石』殺人事件」を読み終える_d0037233_11130083.jpg



内田康夫さんの著書「『須磨明石』殺人事件」を読み終える。
今から25年前に書かれた作品だが、
最近、徳間文庫の一冊として出版されたばかり。
660円+税。
この時代の作品はほとんど読んでいない。

「明石原人」を取材中の新米新聞記者の
前田淳子が須磨駅を出た後、行方を絶った。
彼女と最後に一緒だったのが、
前田淳子の女子大学の後輩で女子大生の崎上由香里。
新聞社の淳子の上司から依頼を受けて、
ご存知名探偵、浅見光彦が神戸に出かけ、
由香里とともに探索を開始する。

内田さんは、この作品を書くにあたり、
平成4年(1992)の初夏、須磨、明石を取材された。
作品にも登場する神戸女子大学へも取材、
大学の名前が出ることの許可も得られたとのこと。

出版されたのが同年の11月だったが、
その2年2か月後の平成7年(1995)1月17日、
「阪神・淡路大震災」が発生した。
そんな時代に書かれた作品なので、
現在ではだいぶ様子が変わっているかもしれない。
須磨、明石付近、全然知らない土地であり、
大いに興味をそそられる場面もある。

例の如く、浅見探偵の見事な直観と推理力により
事件の糸口がほぐれ、地元警察署員との
協力により解決に向かうのだが、
次々と殺人事件が起きるのには、
嫌な思いもさせられる。





Commented by やぶひび at 2018-10-30 17:45 x
「須磨明石殺人事件」は角川文庫で読みました。
神戸児童殺傷事件の余波なのか、読後感があまり良くなかったです。
ドラマは見ていませんが、演出が変わっているのかな。

須磨明石は源氏物語の舞台にもなっていますが、
蟄居中の光源氏の物語です。敦盛の最期の地でもあります。
Commented by toshi-watanabe at 2018-10-31 09:53
やぶひびさん、
コメントを頂き有難うございます。
須磨明石というと、やはり源氏物語を思い浮かべますよね。
作者が自作解説の中で述べられていますが、
この作品を最初に出版したのが1992年末、
その2年1か月後の1995年1月17日に起きたのが、
「阪神・淡路大震災」。
取材に訪れた地域もひどい被害に遭ったとのこと。
さらにその2年後の1997年に起きたのが、
ご指摘の「神戸児童連続殺人事件」でした。
本当に忌まわしい事件でした。


by toshi-watanabe | 2018-10-09 11:13 | 読書ノート | Comments(2)

日々見たこと、 感じたこと、気づいたことをメモする


by toshi-watanabe