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内田 康夫著「坊っちゃん殺人事件」を読み終える

最近中公文庫から出版されたばかりの
内田康夫著「坊っちゃん殺人事件」(改訂版)を読み終える。
640円+税。
オリジナルは1992年11月にノベルス版が出ている。


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内田さんご自身も書かれているが、
夏目漱石の名著「坊っちゃん」を読んでいると、
この作品が一段と楽しく読む事が出来る。
漱石の坊っちゃんは次男坊、浅見光彦も次男坊である。
光彦は愛媛県の松山に取材でやって来るのだが、
そこで巡り合う人物に、矢鱈とあだ名をつける。
「マドンナ」、「イノブタ」、「大学教授」、「ふんどしかつぎ」、
「トンカツ」、「ゲジゲジ」、「山嵐」、「うらなり」、「赤シャツ」と
見事なまでに作品に登場し、楽しくなってくる。

「坊っちゃん」には清という下女が出てくるが、
光彦シリーズでいつも登場してくるのが、
浅見家で家事手伝いをしているのが須美子。
須美子の実家から越後名物・笹飴が
浅見家に送られてくるところからプロローグが始まる。
光彦は取材のため松山に出かける。
母親からは、松山の「一六タルト」と内子の「ローソク」などを頼まれる。

岡山駅前でレンタカーを借り、瀬戸大橋を渡る。
途中、与島の「フィッシャーマンズ・ワーフ」のパーキングエリアで休憩。
そこで偶々一人の美女を見かける。
何とダークグレーのジャガーを運転している。
あとをつけているという訳ではないのだが、同じ方向に前をジャガーが走り、
あとをつける形になり、途中で交通巡査に注意されたりする。
松山に到着後も、偶然同じホテルに宿泊。
光彦は名前の知らぬ彼女に「マドンナ」とあだ名する。

母親依頼のローソクを買い求めて内子町へ出かける。
内子と言えば、芝居小屋の「内子座」。
1915年に竣工とあるから、すでに百年を過ぎている。
国の文化資産にも指定されている。
俳句の会があるということで、興味半分、光彦も内子座を訪れる。
ところが内子町の小田川付近で女性の死体が発見される。
その遺体の女性こそ、「マドンナ」、
警察署は状況から殺人事件と判断。
当時の状況から、浅見光彦が有力な殺人容疑者として浮かぶ。
遂には留置所に入れられてしまう。

悪いことに、内子座でも殺人事件が起き、
こちらの容疑者としても、光彦が挙げられる。
なかなか自由になれない光彦だが、
例の如く、実兄が警察庁刑事局長の浅見陽一郎と判明するや、
警察の対応ががらりと変わる。

光彦の勘と推理により、難事件も解決する。
思わぬ結果で終わる。

浅見光彦シリーズ、面白い一冊である。






Commented by やぶひび at 2018-06-26 10:56 x
「坊ちゃん」は、中学の国語の教科書に載っていました。
学校の生徒に、布団にいなごを入れられたり、黒板にどこどこで行って何を食べたなんて
書かれていました。あだ名をつけた教師たちより、生徒たちのいたずらが印象に残っています。

「坊ちゃん殺人事件」は、浅見光彦目線で書かれていますから、
いつもと雰囲気が違いますが、楽しく読めました。
いまもらうなら、「笹飴」より「飴最中」がいいかもしれません。
「浅見光彦ミステリー紀行」の取材秘話もあわせて読むと面白いです。



Commented by toshi-watanabe at 2018-06-26 13:33
やぶひびさん、
コメントをいただき有難うございます。
学生時代、漱石に魅了され、神田神保町で
漱石全集の古本を買い求め、「坊ちゃん」はじめ
漱石の作品をほとんど読んだのは懐かしい思い出です。

私も「坊ちゃん殺人事件」は楽しく読みました。

by toshi-watanabe | 2018-06-09 10:41 | 読書ノート | Comments(2)

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