映画「関ケ原」を観る
2017年 09月 08日
数日前、久しぶりに映画を観に出かける。
109シネマズ二子玉川の映画館で、前日ネットで予約済み。
映画は司馬遼太郎の原作を映画化した「関ケ原」。
原田眞人監督の最新作、長い間、監督が映画化をあたためてきた作品とか。
終盤の関ヶ原の合戦の場面、迫力満点の映画だ。
残念ながら、私自身耳がすっかり悪くなっており、
大音響ばかりが耳に響き、肝心の会話が十分に聞き取れなかった。
監督の頭には、島左近を主人公にという考えもあったようで、
この映画でも、かなり力を入れておられる感じを受けたが、
映画の主人公は、やはり石田三成、演じるのは岡田准一、
まさにぴったりの役柄だ。
監督は岡田准一が三成を演じられる年齢まで待っていたとも語っている。
秀吉が鷹狩りに出かけた帰り、のどが渇き近くの寺に立ち寄り、
茶を所望すると、寺の小坊主が最初は大きな碗にぬるめの茶、
2杯目には、やや熱い茶を幾分小さめな器で、
そして3杯目の所望には小さな器に熱い茶で供す。
所謂「三杯の茶(三献茶)」と言われているが、
秀吉はすっかり気に入り、この小坊主を取り立てる。
のちの石田三成である。
このエピソードから映画の物語は始まる。
よく知られているのが、
「治部少(三成)に過ぎたるものが二つあり、
島の左近と佐和山の城」。
やがて秀吉の信頼厚い三成は、大阪城の築城に采配を振るう。
誠を貫く三成に反発するのが、武将の加藤清正や福島正則ら。
命を狙われた三成は敵対する徳川家康の屋敷に飛び込み、
家康に助けられる場面も。
天下を狙う家康と豊臣家を守ろうする正義の人、三成とでは、
合うはずもなく、結局東西に分かれて関ケ原の戦いに。
戦の初めの段階では、西軍が有利に進めていたのだが、
家康の策略が次第に功を奏し、小早川秀秋などの裏切りにより、
一挙に東軍優位となり、西軍は惨憺たる敗北を喫してしまう。
三成の片腕として西軍をリードした島左近は戦いで命を落とす。
三成は戦場から逃げ出したものの捕らえられてしまう。
最後は京の六条河原の処刑場へ向かうところで幕となる。
とにかく役柄が多く、登場する人物が多い。
すでに書いたが、石田三成に岡田准一。
三成が三顧の礼を尽くして迎えた島左近には平岳大、
左近の妻の花野には中越典子。
もともと伊賀の忍び、くノ一、初芽を演じるのは有村架純で、
初芽は三成の人柄にすっかり魅了され、恋心を抱く。
そのほかにも伊賀の忍びの女性たちが大勢蔭で活躍する。
徳川家康には役所広司、小早川秀秋には東出昌大、
豊臣秀吉には滝藤賢一、直江兼続には松山ケンイチ、
そして北政所はキムラ緑子が演じる。
他にも、登場人物は、井伊直政、福島正則、加藤清正、黒田長政、
前田利家、前田玄以、浅野長政、小西行長、明石掃部、池田輝政、
浅野幸長、加藤嘉明、大谷刑部、本多正信、安国寺恵瓊、
上杉景勝、宇喜多秀家、長束正家、毛利輝元、増田長盛、
本多忠勝、。。。。。。。。。。。。。。
この映画を観終えて、ちょっと物足りなかったというのが実感。
登場人物が多すぎて、物語の筋道が広がりすぎたように思う。
なぜ関ヶ原の合戦が起きてしまったのか、
そしてなぜ三成の西軍が負けてしまったのか、
もっと掘り下げてもよかったのでは。
淡々と物語が展開し、感動を呼ぶ場面が少なかったようにも感じる
のは私だけだろうか。
関ケ原を取り上げるには、3時間はほどの映画では難しい面もあるのだろう。
だがすでに書いたことだが、戦場場面は大迫力で観る者に迫り、
これはやはり映画ならではの魅力だ。
関ケ原を題材に書かれた小説は数多く出されているが、
いずれも読みごたえのある素晴らしい小説である。
映画とは別の感動が得られる。
登場人物が 多い物語 苦手ですが
お勧めの 島左近についての小説にトライしたいものです
映画にするときの配役が
ぴったりの時と そうでないときで
印象がちがいますが
岡田潤一は 光成のイメージをみごとに
演じたってことですね
早速のコメントを有難うございます。
ちょこっとだけ登場する人物が多く、その点は
戸惑ってしまいます。
俳優さんが見事役をこなしているかどうかで、
映画の評価も変わってきますね。
岡田准一は見事三成役を演じていました。
この映画ご覧になって、ご感想をお聞かせください。
火坂雅志さんの「左近」は上下2巻と長編小説ですが、お薦めです。