2017年 05月 03日
洗足池を散策する
蒲田駅を降りるのももう何十年ぶりかである。
耳鼻科の紹介で、使用させていただいた補聴器、
遂に買い求めることで、蒲田の補聴器店にお邪魔する。
かなりの額の散財になるが、致し方なし。
初めて知ったのだが、補聴器は非課税、消費税がかからない。
陽気もよく、帰途の途中、池上線の「洗足池」で下車する。
改札を出たところ、中原街道が通っている。
その街道を渡ると、目の前に洗足池が広がる。
何度か電車の窓から眺めていたのだが、洗足池のまわりを歩くのは初めて。





1282年(弘安5年)、日蓮上人が身延山から常陸の温泉に向かう途中、
この池で足を洗ったという伝説から洗足池と言われるようになった。
池の西側を時計回りに進み、小さな橋を渡ると、
朱塗りの鳥居があり、向かい側の石段の上には千束八幡神社。
すぐ横には名馬池月の像が見える。
源頼朝の前に突然現れた名馬は「池に映る月影のようである」
として池月と呼ばれ、頼朝の馬となる。
八幡神社は「旗揚げ神社」ともいわれる。
頼朝ゆかりの地でもある。


水辺に黄色い河骨(こうほね)の花が咲いている。

その地に、勝海舟の別邸、洗足軒がかってあった。
1868年(慶応4年)3月、江戸城明け渡しと15代将軍徳川慶喜の
処分について、三田の薩摩藩蔵屋敷で西郷隆盛と
会見したのちも、勝海舟は東征軍の本営池上本門寺を再三訪ねた。
その途中、西郷と共に洗足池の風光を愛でたことが縁となって、
この地に藁葺きの別邸を構えた。
死後、遺言によって池畔に勝海舟夫妻の墓がつくられた。
夫婦の墓の隣には、西郷隆盛の留魂碑と詩碑が並んでいる。





洗足池の近くには、日蓮宗総本山の池上本門寺がある。
東京では数少ない五重塔が本門寺の境内に立ち、
重要文化財に指定されている。
穏やかな日和で、洗足池のまわりをのんびりと一周する。