金沢八景を訪れる
2005年 09月 13日
広重の描いた「金沢八景」の一つ、「称名晩鐘」で有名な称名寺へは
今回の予定にはなく、11月に訪れることになっている。
9時半に京急の金沢八景駅前に集合し、大道へ向かう。
宝樹院の阿弥陀三尊像と光伝寺の地蔵菩薩像の拝観が主要目的。
宝樹院へは60段の急な石段を登る。
宗派は真言宗、御室仁和寺の末寺である。
本堂の横奥に阿弥陀堂があり、その中に阿弥陀三尊像が安置されている。
三尊像は平安末期に制作され、鎌倉時代に大幅に手を加えられたようで、
いずれも檜材の一木造りの像、彫眼が玉眼に改変されている。
中尊像の阿弥陀如来像は等身の坐像で高さは約84cm。
額の生え際にうねりを持たせ、上瞼付近にも手を加えられた様子がうかがえる。
当初は常福寺に建立されたとあるが、その存在は不明。
本堂から阿弥陀堂へ向かうすぐ左側に、小泉家の立派な墓が目に付く。
総理大臣就任を記念して植樹された木もあり、ここは小泉家の菩提寺なのだろう。
バス通りに出ると「小泉又次郎誕生地」の石碑が立っている。
バス通りを歩いて光伝寺に向かう。
宗派は浄土宗、本堂の前にはビャクシンの古木が一本立っている。
本堂の本尊の右横に安置されている地蔵菩薩像は像高165cmと
等身大の木像で、堂々とした立派な菩薩像である。
檜材の寄木造り、玉眼を嵌めで、肉身部が漆箔、着衣は
漆地に彩色の古色仕上げが施されている。
鎌倉時代の作とされる。
因みに地蔵菩薩は地獄に落ちようとする人々を救う菩薩である。