鎌倉を歩く
2012年 03月 05日
どんよりとした曇り空、今にも雨が降ってきそう。
寒々とした陽気とは言え、
鎌倉は相変わらずの人出でにぎわっている。
鎌倉駅を降りると、扇ガ谷の方へ向かう。
この方面は訪れる人も少ない。
鎌倉五山の中でも、建長寺、円覚寺に次ぐ第三位の
寺格を有する名刹壽福寺へ。
山号は亀谷山、寺号は壽福金剛禅寺と号す。
朱塗りの総門を潜ると、石畳の参道が続き、
正面には切妻造の山門がある。
山門の中は非公開で、ご本尊の釈迦如来像も参拝できず。
現在は仏殿、鐘楼、庫裏が立ち並んでいるが、
かっては2万5千坪余の境内に数多くの伽藍が立ち並んでいた。
仏殿の前にはビャクシンの古木が見える。
寺院の裏側に広がる墓地には入ることができる。
山際にはヤグラの穴があり、北側のヤグラの中には、
伝源実朝、北条政子の墓がある。
また墓地には、陸奥宗光、高浜虚子、大仏次郎の墓もある。
壽福寺を後にし、英勝寺の前を通り、
閑静な住宅地を通ると浄光明寺に出る。
山号は泉谷山と号し、真言宗泉涌寺派の寺院である。
山門を入ると、左側に本堂と客殿、庫裏が、右側に不動堂がある。
参道奥の石段を上ると、正面に阿弥陀堂が立っている。
阿弥陀堂の左側に設けられている収蔵庫には、
阿弥陀三尊像(国の重文)と地蔵菩薩立像(県指定重文)が安置されている。
中尊の阿弥陀如来坐像は、胎内文書から、
正安元年(1299)の造立と考えられる。
丸みをおびた顔をもち、長い指で上品中生の説法印を結び、
頭上には宝冠(江戸時代のものと思われる)が置かれている。
法衣には土紋装飾が施されており、
鎌倉地方独特のようであり、宋風彫刻の影響があるといわれる。
阿弥陀如来坐像と、脇侍像の観音・勢至菩薩坐像。
この収蔵庫は曜日により、また雨天の場合は閉じられ、
参観できない場合がある。
阿弥陀堂の裏山を中腹に登ると、
大きなヤグラがあり、石像地蔵菩薩像がある。
「網引地蔵」と呼ばれている。
国史跡となっている、冷泉為相の墓である、宝篋印塔もある。
小町通りに戻り、腹ごしらえをする。
さすがにこの辺りは観光客で満ち溢れている。
鶴岡八幡宮の入り口に店を構える、
「博古堂」に立ち寄り、素晴らしい鎌倉彫の作品を見学する。
伝承によれば、後藤家の初代は鎌倉初期の名仏師、運慶。
現在の当主は29代目とのこと。
明治政府の発した神仏分離令により、
仏像を作る仏師は大打撃を受け、大半が廃業したが、
当家の26代目、後藤斎宮氏は
鎌倉彫や家具調度類の制作に乗り出したと聞く。
鶴岡八幡宮では、神前結婚式が行われている。
日和がよいのだろうか。
丁度見ごろだという、冬牡丹をボタン園で見学する。
鎌倉は見所いっぱいで何度訪れても良い所ですね。
お陰さまで仏像をみるのも楽しくなりました。
阿弥陀如来坐像の印相は、もしかして「説法印」かしら?なんて・・・
先月、鶴岡八幡宮に行きましたが、夕方で牡丹園も閉園でした。
見れば見るほど豪華な花ですね。
コメント有難うございます。
鎌倉は見どころがたくさんあります。
通常阿弥陀如来は来迎印の印相ですが、この阿弥陀如来は
説法印と珍しい形です。
牡丹は本当に豪華な花、花王です。