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横浜市指定・登録文化財展

昨6日、横浜市都筑区にある横浜市歴史博物館に出かける。
実は昨年暮れにも出かけたのだが、
すでに年末年始の休館期間に入っていた。

今月10日まで「平成22年度横浜市指定・登録文化財展」が開催中。

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横浜市は、横浜市文化財保護条例を昭和62年(1987年)12月に制定し、
市内の歴史や文化、自然を理解する上で重要な価値を持つ建造物、
美術工芸品、文書、伝統工芸、史跡等を指定・登録し、保護を行っている。
平成22年度までの指定文化財は146件、地域文化財としての登録は
90件を数えている。
今回の展示会では、平成21年度と平成22年度に新たに指定された文化財のうち、
彫刻(仏像)4件を公開している。

残念ながら写真撮影は禁止、あまり良い写真の資料もない。

南区光明寺所蔵の「木造菩薩立像」。
平安時代中期の作で、像高は101.5㎝。
材質はカヤ、一木造り、内刳りは施されていない。
奥行豊かな体躯や大腿部を大きくとって膝を緩める立ち姿には、
平安時代初期の彫刻を思わせる風格がある。
伝来は不明だが、横浜市内に現存する木彫像としては
最古の作例に属する。
右腕のすべて、左肘先を失っているが、
古代彫刻ならではの充実した存在感がある。

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金沢区竜華寺所蔵の「木造大日如来坐像」。
鎌倉時代前期の作で、像高は61.5㎝。
材質はヒノキ、割矧ぎ造り、漆箔、玉眼嵌入。
竜華寺のご本尊として本堂の厨子内に安置されている。
江戸時代に竜華寺の本尊に迎えられた、金剛界大日如来像は
髪際高で一尺五寸を計り、三尺の坐像として調えられている。
平安時代末期から鎌倉時代初期の奈良仏師乃至慶派仏師
により彫られたものと思われる。

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金沢区宝蔵院所蔵の「阿弥陀如来および両脇侍像」。
鎌倉時代初期の作で、像高は阿弥陀如来が83.4㎝、
左脇侍が88.9㎝、右脇侍が88.5㎝。
材質はヒノキ、割矧ぎ造り、金泥塗り、漆箔、玉眼嵌入。
宝蔵院本堂左脇の間の須弥壇上に安置されている。
来迎印を結ぶやや小ぶりの等身大の中尊阿弥陀如来坐像に、
半等身大の両脇侍がしたがう三尊像。
ただし、中尊阿弥陀如来座像の台座と光背は展示されていない。
阿弥陀如来坐像には湾曲する髪際の線、納衣の末端近くに環を付けて
背部から左肩越しに紐で吊る形など、鎌倉時代の新形式が見られる。

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栄区正安寺所蔵の「木造阿弥陀如来および両脇侍立像」。
鎌倉時代後期の作で、像高は阿弥陀如来が97.5㎝、
左脇侍が60.4㎝、右脇侍が61.9㎝。
阿弥陀如来はヒノキ、寄木造り、漆箔、玉眼嵌入。
左脇侍はヒノキ、割矧ぎ造り、漆箔、玉眼嵌入。
右脇侍はヒノキ、寄木造り乃至割矧ぎ造り、漆箔、玉眼嵌入。
正安寺本堂の須弥壇上の厨子内にご本尊として安置されている。
来迎印を結ぶ中尊の阿弥陀如来絵立像に、両手で蓮台を捧げ持つ
左脇侍の観音菩薩立像と、合掌するy右脇侍の勢至菩薩立像が
したがう三尊像。
繊細な作風や現実感あふれる表情などには
鎌倉地方の彫刻の特徴を表している。

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同時に開催されている「遺跡展」も見学する。
横浜市北部と周辺地域の弥生時代中期集落から出土された
土器や道具類が展示されている。
Commented by semineo at 2011-01-08 00:21
新年おめでとうございます。

仏像鑑賞で新年の活動開始ですね、
今年も沢山の予定がある事でしょうね。

↓年末からの四国への旅行を楽しまれ、良い新年をお迎えでしたね。
福山は以前、長女夫婦が転勤で住んでいたので、懐かしく思いました。
しまなみ街道を娘の運転で道後温泉に行った事、
尾道では瀬戸内海の島巡り・・・
旅行って良いものですね。

今年もよろしくお願いします。
Commented by toshi-watanabe at 2011-01-08 09:03
semineoさん、

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

福山からしまなみ海道、道後温泉は、
お嬢さんとの思い出の地でしたか。
福山駅の裏口前には福山城があり、
天守閣が真ん前に見えました。
残念ながら戦災を受け、戦後復興された
新しい天守閣のようですが。
Commented by banban0501 at 2011-01-08 10:12
木像の材質をみると ヒノキが多くて
カヤの木はすくないのですね

理由は加工のしやすかでしょうか?

大理石や金属の冷たい質感とちがって木像は
温かみがあっていいですね~
Commented by toshi-watanabe at 2011-01-08 15:25
banbanさん、

コメント有難うございます。

日本では銅などの原材料が入手し難く、
身近に手に入る木材で仏像を彫るようになったようです。
現存する仏像の大半は木造。
針葉樹としてはヒノキとカヤが古くから使われています。
加工のし易さではなく、手に入り易い木を
使ったのだと思います。
私もどちらかといえば木造の仏像さんのほうが
親しみやすいです。
Commented by きゅうママ at 2011-01-10 09:37 x
おめでとうございます♪
今年もよろしくお願いいたします。
ここ数年、仏像人気(?)とでも言うのでしょうか。
色々なところで、仏像の展示会が開かれているようですね。
表情が豊かな仏像が、好きです♪

↓道後温泉・・高校の修学旅行(ん十年前^^;)で行きました☆
今なら、もっともっと感動があるのでしょうが・・・。
夜中の怪談話しか覚えてないんです~(ToT)
Commented by toshi-watanabe at 2011-01-10 14:30
きゅうママさん、

コメント有難うございます。
仏像ギャルとか、女性の仏像ファンも増加のようですね。
仏像や寺は以前から好きで、あちらこちらと
見て回っています。

修学旅行で道後温泉でしたか。
また出かけられると違う印象をもたれるでしょう。
Commented by amtask at 2011-01-11 04:57 x
明けましておめでとうございます。
稲作開始期の遺跡、日本の農業の原点とも言える貴重なものだと思います。
身近なところに博物館があるのですね。
仏像の表情をよく見ると、心が安らぐようなお顔をされています。
私も若い頃、仏像を見る趣味がありましたが、最近はご無沙汰していました。
こちらでは仏像を見る機会もなくなってしまいましたが、toshi様の
ブログで見られてよかったです。

↓道後温泉も四国にも行ったことがありません。
来年、友人が四国に移住する予定があるので、その後四国巡りをしようと思っています。
昨年の日本滞在中には温泉にいかなかったので、羨望の眼差しで道後温泉の写真、見させていただきました。
本年も素晴らしいブログを楽しみにしています。


Commented by toshi-watanabe at 2011-01-11 08:59
amtaskさん、

明けましておめでとうございます。
仏像を学ぶ会のE講師がこの横浜市歴史博物館の
学芸員をされています。
今回の展示会は仏像4点だけの展示で、
ちょっとさびしい催しものでしたが、
見学者も少なく、ゆっくりと見学できました。
今年も近場の見学のほかに、個人的に鎌倉、
京都、奈良などを訪れようと思っています。

四国は二度目ですが、道後温泉は初めてでした。
漱石や子規縁のところも見られると
よかったのですが、ツァーではどうにもなりません。

本年もよろしくお願いします。
by toshi-watanabe | 2011-01-07 11:08 | 寺院・仏像 | Comments(8)

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by toshi-watanabe