27日、お彼岸の墓参りに出かける。
千葉県松戸市の都営八柱霊園と遠いので、朝早く出発。
東名から首都高3号線に入り、そして中央環状線C1に。
ところが竹橋から神田橋への間が事故のため通行止め。
池袋へ向かう5号線に入ることになったものの、
私の車にはカーナビが付いていない。
高速を降りると、どこから高速にまた入ればよいのか全く見当つかず。
とにかく5号線をそのまま北上、東北道へ向かうあたりから
6号線に入れる。
やれやれと思ったのも束の間、いつもとは逆コースなので、
6号線から7号線には入れず、結局神田橋まで行って高速を降りる。
休日だったせいもあり、大手町付近は車も少なく閑散としている。
道路わきに停車し、地図を調べ、神田橋からの入口を確認。
その後は無事6号線から7号線、そして京葉道路を原木で降り、
市川柏県道を通り霊園に到着。
約1時間のロスタイム。

お彼岸の中日から1週間たっており、霊園は閑散としている。
墓前に行くと、妹たちが来たばかりと見え、
きれいに掃除され、供えられたお花も未だ新しい。
持参したお花を追加して供え、線香を焚いてお参りする。

予報では雨だったが、降られることもなく幸いであった。
持参した朝食のサンドイッチを食べ、帰途に就く。
霊園の裏側の道路は「さくら通り」、両側は桜並木。
場所により2分咲き、ほとんどの木はちらほらと花が開いている程度。
満開にはまだ数日かかりそう。
ちょうど中山競馬が開催中で、競馬場付近の道路は大渋滞、
通り抜けるのにしばらく時間が掛かる。

夕方、大相撲の春場所千秋楽をテレビ観戦。
満員御礼の垂れ幕が下がる会場、大変な盛り上がり。

さて稀勢の里が豪栄道を破り、2敗をキープ。
最後の取り組みの結果如何では、白鵬との優勝決定戦も
期待でき、楽しみだったのが見事に裏切られる。
横綱白鵬、体を左にかわし、日馬富士はあっけなく土俵外に転げ込む。
がっぷり四つの横綱相撲を見せてほしかった。
大阪場所のお客さん、思いは同じだったのだろう、
勝負がつくと、表彰式を見ずにさっさと席を立ち、
あっと言う間に満員だった会場の半分以上ががら空きに。
表彰式でもヤジが飛び、白鵬も詫びの言葉を口にする。
実に残念であった。
琴勇樹の殊勲賞受賞は当然、敢闘賞、技能賞の受賞者無しはさびしい。
十両は大砂嵐が優勝、遠藤は何とか二ケタ勝利で終わる。
十五日間、満員札止め、せっかく相撲ファンが戻ってきたところ、
正々堂々と熱戦を繰り広げてほしいもの。



by toshi-watanabe | 2016-03-28 10:06 | 季節 | Comments(0)

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内田康夫さんの著書「美濃路殺人事件」を読み終える。
この作品は1990年6月に刊行された作品だが、
昨年新装版として出版された徳間文庫で読む。

お馴染み素人探偵、浅見光彦が活躍する作品の一冊。
浅見光彦シリーズは、115作目の大作「遺譜」が2014年7月に
刊行されたのを最後に、その後の新作は書かれていない。
115作のほんの一部しかまだ読んでいないが、
これからも読み続けて行こうと思っている。

「美濃路殺人事件」は書名の通り、
美濃や犬山方面が舞台となっている。
浅見光彦が美濃の外れ山中にある「和紙の里」、
蕨生の部落を訪れるところから物語は始まる。
著者も実際に現地を訪れているので記述が実に詳しい。
戦前盛んだった美濃の和紙作りも著者が訪れた頃は、
衰退の一途をたどっていたそうだ。
その後は若干持ち直しているらしい。
因みに2014年11月、「和紙 日本の手漉和紙技術」が
ユネスコの無形文化遺産に登録された。
登録された三つの和紙は、岐阜県美濃市の「美濃紙」と
島根県浜田市の「石州半紙」、埼玉県小川町、東秩父村の
「細川紙」である。

美濃の「和紙の里」で取材を終えてホテルの部屋で休んでいた
浅見光彦の目に突然飛び込んできたのが、犬山の明治村で起きた殺人事件。
被害者の顔にかすかな記憶のある浅見探偵は、
例のごとく活動を開始する。
被害者が倒れていた現場に残された凶器と思われる
「クリ小刀」と小刀を包んでいた「和紙」に浅見探偵の勘が働く。
問題の和紙を何とか警察から借り受け、美濃和紙の職人、古田さんに
現物を見てもらうと、美濃の和紙ではない、風合いが異なる。
丹念に調べた結果、古田さんは宮城県白石で手漉きされたもの
だろう、それも年代物の和紙だと判断を下す。
白石の手漉き職人、遠藤さんを紹介してくれる。
美濃和紙の取材もそこそこに、浅見探偵は宮城県白石へ。
白石和紙の職人、遠藤さんを訪ねると、
間違いなく遠藤さんのところの和紙に間違いないと、
ただご本人手漉きの和紙ではなく、
すでに亡くなっている父親が
40年ほど前に手漉いたものだと判明。

宮城現白石で40年も前に作られた和紙が、
何故犬山の明治村で起きた殺人事件の凶器を包んでいたのか、
この事件の謎であり、小説の面白いところ。

著者は、昭和19年に開始した「学童疎開」をこの事件に絡ませている。
著者ご自身は、東京北区(当時は滝野川区)滝野川小学校
(当時は国民学校)から静岡県沼津へ学童疎開。
台東区(当時は浅草区)誠華小学校(当時は国民学校)の疎開児童だった
人々の記録をまとめた「不忘山」という文集に偶々出会った。
著者はこの文集には大いに感銘を受けた。
疎開先だった宮城県白石は、蔵王連山の不忘山の麓にある。
因みに、昭和20年3月、中学受験のために一時帰京していた
児童たちは東京大空襲で幼い命を落とし、疎開先にいた児童たちも、
在京の家族を戦災で失った悲しい事実がある。

白石に疎開していた人たちが何十年ぶりかで、
同期会を犬山で開くという設定で物語は進行。
疎開していた折に和紙の作業場を手伝い、ご褒美に
和紙をいただいたという話を盛り込んで、
事件解決の糸口にしている。

凄惨な殺人事件とは別に、
和紙という日本古来の素晴らしい技術のことが、
あらためて認識でき、興味深かった。



by toshi-watanabe | 2016-03-26 15:00 | 読書ノート | Comments(0)

鶴見總持寺へ

3月20日、久しぶりに鶴見の總持寺へ出かける。
「禅の心とかたち」と題した、總持寺の至宝ーー旗揚げ展を見学。
3月19日から21日まで、3日間のみ開催されている。
普段は入れない仏殿(国登録有形文化財)が特別公開され、
その仏殿において、寺宝が見られる。
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鶴見駅を下車し、京浜東北線に沿ってしばらく行くと、
曹洞宗大本山總持寺の入口に出る。
以前は、参拝客のために京浜急行の駅が設けられていたと聞く。
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総門の三松関(国登録有形文化財)をくぐると暫く参道が続く。
さらに三門をくぐり、右の方に迂回し、
そして中雀門をくぐると、正面に仏殿が目に入る。
三門両脇には金剛力士像、昨年末他界された
元横綱北の湖関の15歳ころの姿をモデルに制作されたようだ。
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永平寺とともに曹洞宗の大本山である總持寺は
本来能登に建立されたのだが、明治31年大火に見舞われ焼失、
明治44年に横浜鶴見が丘の地に新たに建立された。
鶴見大学のエリアも含め、50万平米という広大な寺域を有す。
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境内ではドローンの飛行が禁止されている。
当たり前と言えば当たり前だが。
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有名人の墓所でも知られ、特に名高いのが石原裕次郎。
能登に再建された寺院は、別院として残っている。

仏殿に入ると、正面にかけられた「刺繍獅子吼文大法被」
(国指定重要文化財)の大きさに圧倒される。
金色の刺繍に目を奪われてしまう。
下記の写真はその一部である。
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この大法被は總持寺の禅風を伝える特別の法具で、江戸時代の作。
毎年10月15日、大祖堂で行われる總持寺貫首による問答の際に使用される。
獅子吼とは釈迦が説法する様を獅子の吼える姿にたとえたもの。

この大型法被の前には、大正時代、鎌倉仏師の名流で知られる、
三橋家の当主、三橋鎌岳作の鎌倉彫前机が展示されている。
足から天板にはケヤキ材、鏡板から幕板にはカツラ材を使用。
欄間に躍動感あふれる雌雄の獅子をあらわし、
唐草牡丹を立体的に表現している。
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「前田利家画像」(横浜市指定文化財、江戸時代の作)と
「前田利家夫人画像」(重要文化財、江戸時代の作)。
利家夫人まつ、利家の没後落飾して芳春院の画像は、
生前の寿像とされている。
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「提婆達多像画」(重要文化財、朝鮮高麗時代の作)。
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「榮山紹墐画像」(国指定重要文化財、鎌倉時代の作)。
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「十六羅漢像」(横浜市指定文化財、鎌倉時代の作、江戸時代補作)。
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ご本尊は釈迦如来像である。
鶴見總持寺自体は新たに建立された寺院なので、
各堂宇とも新しく、由緒のあるものもほとんどない。
とはいえ、修行を積まれている僧侶の方も多く、
大寺院としての威厳が感じられる。
衆寮と香積台を結ぶ百間廊下はピカピカに磨かれている。
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境内で見られた樹木の花。
千年桜、エドヒガン桜、白モクレン等々。
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3枚セットの散華をいただく。
そして御朱印も頂く。
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朝出がけ時は曇り空だったのが、すっかり青空が広がり、
歩いていると少し汗ばみ、風が心地よく感じられる。
気分も新たに總持寺を後にする。




by toshi-watanabe | 2016-03-21 11:48 | 寺院・仏像 | Comments(0)

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杉本章子さんの「カナリア恋唄」を読み終える。
この著書はサブタイトルにある通り、「お狂言師歌吉うきよ暦」の第4作で
お狂言師歌吉シリーズの最終編なのだが、
著者の杉本さんが昨年12月4日乳がんで逝去され、
残念ながら未完のままである。
因みに第1作が「お狂言師歌吉うきよ暦」(歌吉、お狂言師になる)、
第2作が「大奥二人道成寺」(歌吉、大奥で舞う)、
そして第3作が「精姫様一条」(歌吉、花咲く)。

主人公のお吉は六つの歳に、江戸京橋は桶町で踊りの師匠をしている
三代目水木歌仙に弟子入りした。
踊りの筋もよく、華があると師匠に褒められ、
歌吉という名取名をもらった後も、厳しく仕込まれる。
歌仙はまた、大名家の奥向きへ上がって狂言や踊りを
ご覧に入れる、お狂言師の筆頭と目されていた。
お出入りのお屋敷からお呼びがかかれば、
より抜きの弟子たちで座組をして参上する。
姉弟子の歌のぶとともに歌吉は水木一座の若手として
舞台に立つ女役者でもあった。
ある時、外桜田の毛利様上屋敷奥御殿に参上して、
加賀美山旧錦絵をご覧に入れた。
これは人気の狂言だが、その狂言で忠義の部屋方お初を
演じた歌吉は、幕の後、さるお部屋様のお呼びを受けた。
この時に頂いたのが、見事な細工の竹籠に入れられたカナリア。
当時日本国内で見られた金糸雀ではなく、異国の舶来品。
歌吉が大事に育てると、やがてカナリアは落ち着き、
声を聴かせるようになる。

お狂言師歌吉には、裏の顔があった。
あることから、お小人目付の日向新吾と岡本才次郎の手駒となり、
様々な事件にかかわってきた。
その過程で、歌吉と新伍の仲が親密となり、
互いに愛しい感情を抱くようになる。
目付首座の井手内記の命により、日向新吾と岡本才次郎は、
紀州家と大奥に纏わる事件を追っていた。
仕事の手駒として使っている歌吉を好きになっている新吾だが、
母親の死去により、嫁取りをせっつかれていた。
踏ん切りがつかぬまま、姉のすすめるお徒衆の家の
娘、由乃と祝言を挙げる。
その一方で歌吉はお狂言師の道に進もうとするものの、
新吾への思いを断ち切ることができない。

飼っているカナリアは雌鳥であることが判明し、
雄のカナリアを入手し番いにしてあげる。
著書名の「カナリア恋唄」とは歌吉自身の恋唄なのかもしれない。
新吾の妻となった由乃は芳しくない過去があり、
新吾とも、また新吾の父親ともうまく行かず、
新吾は由乃を離縁する決意をするところで、
この作品は終えている。
好き同士の新吾と歌吉が晴れて夫婦となるのかどうかは、
分からないままである。
果たして著者はどんな結末を考えていたのだろうか。

著書の巻末に、女優の加賀まりこさんが、
「妹に」と題して追悼文を書かれている。
1993年3月、杉本章子さんの短編「夕化粧」が
名古屋名鉄ホールで上演された時、
加賀まりこさんは「おふじ」という主人公を演じられた。
その公演の場に、杉本さんはご両親とともに来られ、
一緒に楽屋を訪れられたのが初めての出会い、ご本人は車椅子だった。
それから15年以上も過ぎた、2000年の頃に
加賀さんは文春文庫の「信太郎人情始末帖」を読み、面白くて
すっかり魅了され、感想を伝えたくて出版社に電話を入れた。
すぐに杉本さんは加賀さんに連絡を取り、それからは週に1度、
深夜の長電話が始まった。
最後の電話は、亡くなる10日前の11月24日、まだ普通に元気な声だった。
その時に、「お狂言師歌吉うきよ暦」シリーズの終わりについて、
話し合われた。 その2日後に意識不明に。
お吉と新吾の終わり方については杉本さんな迷っていた。
「二人とも死ぬということで構成作っちゃった」とも言っていた。
電話だけの交流だったが、姉のように杉本章子さんを見守ってきた
加賀まりこさんだったのではないだろうか。


by toshi-watanabe | 2016-03-16 14:07 | 読書ノート | Comments(2)

およそ3か月ぶりに群馬倉渕へ出かける。

まだ寒さの残る3月6日、日曜日、早朝に出発。
いつものコース、東名、環八を通って関越自動車道に入る。
圏央道の開通により、ずいぶん渋滞がなくなる。
高坂SAにて、簡単な朝食を済ませる。
前橋ICを降りると、17号線、高崎環状線、そして406号線へ。
高崎環状線、両側の歩道には木蓮の街路樹が植えられているが、
未だ蕾も見えず。
榛名町の中心地を過ぎると山道に入り、両側は一面白梅の林。
今まさに真っ盛りの梅の花、香りが漂っている。
榛名梅林の端を通る。

群馬県の3大梅林と言われるのが、
高崎市の「箕郷梅林」と「榛名梅林」、安中市の「秋間梅林」。
特に梅ノ木の多いのが榛名梅林である。
梅干しの生産量では、和歌山県に次いで、群馬県が二番目。

倉渕町を通り、山道に入った途端、谷川近辺、
陽の余りあたらい所には、残雪が見える。
山里はまだまだ冬なのだろう。

翌日は終日ほぼ曇り空、夜半には雨も降ったようだ。
その次の日、火曜日、朝から青空が広がる。
午前中、早速車を水洗いする。
ところが、向かい側に広がる杉林から、黙々と黄色味を帯びた
霧のようなものが舞い上がる。
よく見ると、霧ではなく、スギ花粉そのものではないか。

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このスギ花粉、雨上がりの晴天が特にひどいらしい。
午後、車を見ると、フロントガラスやボンネットをはじめとして、
すっかり黄色く染まっている。
放っておく訳に行かず、再度車を水洗いする羽目に。
午前中部屋の窓を開けて置いたりしたので、
掃除機で床掃除、広げて置いた布団類もバキュームクリーニング。

早春とはいえ、花の数も少なく、まだまだ冬景色である。

蝋梅の花がまだ満開。
1年前の種子も未だついたまま。
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山茱萸の黄色い花が咲き始めたところ。
蕾がまだ多い。

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白い椿と朱い椿。

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すの
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スノードロップ一輪。

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クリスマスローズ。
一部は未だ蕾のまま。

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ムスカリ。

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水仙の蕾、咲くのはこれから。
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ふきのとう。
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ハナニラ。
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やっと見つけた草花たちだ。
春の訪れはまだこれからである。





by toshi-watanabe | 2016-03-15 15:25 | 草花 | Comments(0)

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昨14日は冷たい雨が終日降り続き、冬に逆戻りのよう。
南町田にある、グランベリーモールの109シネマズまで出かけ、
一般公開したばかりの松竹映画「家族はつらいよ」を観る。
山田洋次監督、久々のコメディタッチの映画である。
開始早々、声を出して笑ってしまい、すっかり楽しくなる。
近くの座席からも笑い声が聞こえたので、
他の観客の皆さんも楽しまれたのだろう。

東京郊外の住宅地で暮らす三世代同居の平田一家。
定年退職し悠々自適の主、周造を演じるのは橋爪功、
これが適役で、実に生き生きと演じている。
周造の妻、富子を演じるのが吉行和子。
同居する長男夫婦、幸之助、史枝を演じるのが西村雅彦と夏川結衣。
長男夫婦の二人の男の子、さらにまだ独身の次男が同居する。
次男、庄太を演じるのが妻夫木聡、庄太の恋人、間宮憲子を演じるのが
蒼井優で役柄は看護師。

独立して税理士事務所を開いているのが、
長女の金井成子で、演じるのは中島朋子(子役の頃のイメージ全くなし)。
成子の夫、泰蔵を演じるのが落語家の林家正蔵、
すっかり成子の尻に敷かれている。

平田家の主、周造は昔の仲間とゴルフを楽しみ、
その帰りは駅前の居酒屋に立ち寄り、
美人女将のかよ(風吹ジュン)を相手に愚痴をこぼしながら一杯やり、
ご機嫌で帰宅する。
さて寝室で、花瓶に入れられたバラの花束を見て、
これはなんだと妻の富子に聞くと、
誕生日には花束を贈ることにしている、
今日は私の誕生日よと言われて、周造はやっと気が付く。
周造は何か欲しいものがあれば言ってくれと富子に尋ねると、
引き出しから1枚の紙きれを出して周造に見せる。
なんと「離婚届」(青葉区役所の書類、わが地元ではないか)、
周造は「冗談だろう」、
富子は「本気です」「署名捺印してください」。
ここから物語は展開して行く。

脇役の方々も芸達者な俳優が登場する。
周造の高校時代の同級生で、今は探偵事務所長をしている
沼田の役を演じるのが小林矜侍で、
周造の身元調査をするうちに、居酒屋でばったり。
次男坊の庄太はピアノの調律師、音楽ホールでピアノの調律を
しながら恋人の憲子とデート、そこへコーヒーを持ってきて くれるのが
ホールの警備員、演じるのは笹野高史。
このホール、日野市のひの煉瓦ホールをロケで使用している。

平田家の家族会議の最中、周造は激昂して倒れてしまう。
救急車で病院に運び込まれるが、憲子の初動対応もよく無事回復する。
病院で診療に当たった医師の役を演じるのが笑福亭鶴瓶。

家族というのは厄介で、時には煩わしく、
無くてもよいと思うこともあるのだが、やはり切り捨てるわけにはいかない。
そのつらさを何とか切り抜けていかなければならない。
その為に、あくせく大騒動となる。
そんな滑稽で不完全な男なり、女なり、人間を表現しようと
したのではないだろうか。

ラストシーンでは、周造は半分眠りながら、ビデオだろうかテレビ画面で
放映される映画「東京物語」を眺めている。
「東京物語」のテレビ画面に「終」が現れ、
同時に映画「家族はつらいよ」も幕を閉じる。
山田監督、小津安二郎へのこだわりだろうか、
「東京物語」のポスターも壁に貼られていたり。

わが地元でロケの一部をされたようで、
地元の町名が出ている住宅地やら
見覚えのある病院などが画面に出てくる。

今回映画鑑賞をしたグランベリーモールの109シネマズでは、
今月20日、出演者が来られて「トークショー」が予定されている。
残念ながら、座席はすでに完売済み。

映画作品としては、高い評価が得られるとは思わないが、
とにかく楽しい映画である。
自分自身、つまされる場面も。

今日のテレビ番組「徹子の部屋」では、林家正蔵がゲストとして登場、
この映画「家族はつらいよ」が話題になる。




by toshi-watanabe | 2016-03-15 14:25 | 一般 | Comments(2)

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車浮代さんの作品を初めて手にする。
読み終えたのは「えんま寄席」、
サブテーマとして、「江戸落語外伝」とある。
六代目圓楽師匠も絶賛とある通り、とにかく面白い。

前書きと言えるのか、「まくら」で書かれているものを
そのまま紹介します。

「昔から、人と人とは合縁奇縁なんぞと言うように、
 思わぬ場所で思わぬ人がつながってるもんだ。
 つながった縁は良縁だけとは限らない。
 縁が元でこじれることもごまんとある。
 何か不都合が起こった日にゃあ、己のため誰かのために、
 人は平気でしらを切り、いとも簡単に嘘をつく。
 嘘が嘘を呼び、つき重ねるうちに、もはや何が本当で何が嘘か、
 当人にはわからなくなることもあれば、善かれと思ってついた嘘が、
 よもやの厄介につながるってこともある。
 とかく浮世はままならぬ。
 嘘に始まり、嘘に終わればいいけれど、嘘つきは泥棒の始まり
 とはよく言ったもので、強請り、たかり、盗み、邪淫、火付け、
 殺生・・・・・と、人は多かれ少なかれ、罪を犯す。」

「ここは、死人の魂が集まる地獄の入口―――。
 赤鬼と青鬼が門を守り、閻魔様によって、
 人の生前の善悪が吟味され、天界行きか地獄行きかを裁かれる。
 あたいは、神武天皇の道案内をした八咫烏(やたがらす)の子孫。
 そのあたいが仕える閻魔様は、まだ着任したばかりの
 新参者だが、現世にいた頃の功績が認められて、
 大抜擢されたってぇお方だ。
 『罪を憎んで人を憎まず』を信条に、一本筋の通った裁きをなさる。」

いよいよ第壱席の始まりである。
お題は「魚屋の女房」、お馴染みの落語「芝浜」のお先ご登場する。
魚屋亭主の勝五郎はある朝魚仕入れに出かけるが時間が早い、
休んでいた浜辺で革の財布を拾う、中には大金があり、家に戻ると
近所の仲間を呼んで大酒飲み。
目を覚ますと、財布がなくなっている。
女房のお先は夢を見ていたのだろうと嘘をつく。
しぶしぶ納得した勝五郎は一念発起、酒を断ち仕事に励む。
役所に届けて置いた財布に持ち主は現れす拾い主の手に。
女房は勝五郎に詫び、事実を話すと、勝五郎も納得。
女房の勧めで久しぶりに酒を一杯となるのだが、
落語の落ちでは、「また夢になるかも知れない」と勝五郎は杯を置く。
ところが、その続きがあり、お先は閻魔様から追及される。
この辺りから普段、高座で語られる落語とは趣が異なる。
そして閻魔様の裁きを受けて、お先は亭主ともども、
吸喚地獄行きを命じられる。

第弐席のお題は「玄能と鎹(かすがい)」で、
「子別れ」(「子は鎹」とも)の亀吉が登場する。
大工の熊五郎は蟒蛇(うわばみ)の上に酒乱ときている。
夫婦喧嘩の末におかみさんは倅の亀吉を連れて家を飛び出す。
熊五郎は心を入れ替え一生懸命働き大工の頭領に。
3年後、うなぎ屋で親子3人がめでたく再開するのだが。

続いて第参席は「土蔵の中」と題し、
「火事息子」の定吉が登場する。
伊勢屋の若旦那、藤三郎は子供の頃から火事が好き、
好きが高じて実家を勘当され、臥煙(がえん、定火消し)となる。

そして第四席は「九十九(つくも)の夜」と題し、
「明烏」の浦里が登場する。
日向屋半兵衛の跡取り息子、時次郎は堅物。
将来を心配した半兵衛は、札付きの若者に時次郎を吉原へ連れて
行くうよう頼む。
そこで時次郎が出会うのが花魁の浦里。

「下げ」でこの四話の総括をしている。
また、こんなことも書かれている。

「青鬼が地獄の門番を志願したのは、赤鬼が言うように
 人間界に絶望したからではなく、自分ば死んだ後の
 ことが心配だったからなんじゃないかと思う。
 地獄に堕とされる母親を見送り、自分に罠を仕掛けた
 作治を見送り、親方、父親、許嫁(いいなずけ)、
 可愛がっていた弟分・・・・と、
 自分にかかわる人々の死後と、あたいたち八咫烏の
 目を通して浄玻璃鏡に映し出される、
 人間界で起こっているあらゆる出来事を見続けてきた。」

著者の父上は家でよく落語のレコードをかけていたと、
「あとがき」に車さんは書かれている。
車さん、幼いころには、落語を十分理解できなかったが、高校生の頃、
落語にすっかり飲み込まれたそうだ。
2008年から、三遊亭圓窓師匠の指導を受け、
「たらちね」や「金明竹」を演じられるようになり、
さらには、親子の情愛を描いた「火事息子」が好きで、
ついに挑戦された。

落語の筋をある程度知っているだけに、
実に面白く興味深く読む事が出来た。




by toshi-watanabe | 2016-03-05 09:52 | 読書ノート | Comments(0)

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徳間時代小説文庫の最新刊として先月出された、
澤田瞳子の著書「ふたり女房」を大変興味深く読み終える。
「京都鷹ヶ峰御薬園目録」とある通り、
江戸時代後期、幕府直轄の薬草園で働く
1人の女性が薬草を通じて、巷で次から次と起こる悩みを解きほぐして行く。

実は、この作品のシリーズ第二作「師走の扶持 京都鷹ヶ峰御薬園目録」が
昨年末に出版され、この著書をすでに読み終えている。
読む順序が逆になったが、それぞれ独立した作品として読めるので、
何ら問題はないだろう。

登場する主人公は元岡真葛というまだ21歳の女性。
母親は棚倉家の御前、従四位下左兵衛佐棚倉静昴の娘、
倫子だが、真葛が3歳の砌に他界、
父親は御門跡医師だが、さらに医学を極めたいと長崎に向けて
旅立ったまま行方知らず。
幼い真葛は、禁裏御殿医と鷹ヶ峰御薬園預を兼ねる
藤林道寿守之の家で養女として育てられる。
同じく夫婦で藤林家に養子入りした義兄の匡と
その妻(真葛の義姉)初音それに夫婦の息子
辰之助が同じ屋根の下に住む。
道寿はすでに亡く、匡が藤林家を継いでいる。

鷹ヶ峰御薬園は、江戸の小石川御薬園、長崎の十善師郷御薬園とともに
幕府直轄の薬草園である。
京の町を見下ろす、1400坪余りの薬草園を、真葛は荒子達を仕切って、
薬園の手入れから生薬の精製までを手掛けている。
同時に医療を学び、医師としての優れた能力も備えている。

6篇の物語から構成されているが、それぞれが独立した作品でもある。
「人待ちの冬」、「春愁悲仏」、「為朝さま御宿」、「ふたり女房」、
「初雪の坂」、「粥杖打ち」。

第一話「人待ちの冬」は、評判の悪い薬種屋「成田屋」を巡る騒動に
真葛がかかわることになる。
第二話「春愁悲仏」は、当代きっての本草学者、小野蘭山の愛弟子、
延島杳山が登場する。
真葛とは旧知の間柄、どうやら真葛は杳山の事が気になるらしく、
馴染みの薬種屋「亀甲屋」の若旦那定次郎としては面白くない。
そんな三人が、数少ない真葛の患者まで乗り替えた、
妖しい民間療法の真実に迫っていく。
薬効あらたかな観音像の意外な正体が明かされ、
その裏には隠された過去の事件。

第三話「為朝さま御宿」は、三條西家の子供の
疱瘡を切っ掛けに藤林家の先代の主も関係した
意外な事実が暴かれる。
第四話「ふたり女房」は、二人の女房を持つ男の騒動を
通じて、傍からは計り知れない夫婦の綾が描かれ、
己のしっかりした意思を持ち、行動力のある、
二人の女性が見事に生き生きと描かれている。

第五話「初雪の坂」は、御薬園の薬の盗難を発端に、
藤林家の名誉を傷つけかねない事件が起きる。
ある少年の厳しい人生には胸を痛めてしまう。
第六話「粥杖打ち」は、宮内で行われる「粥杖打ち」
から始まった、一人の女性の妊娠騒ぎが綴られる。
小正月十五日、宮城では望粥とも呼ばれる小豆粥を食する。
粥杖とはこの粥を炊いた際の杓子で、これで子のいない女性の
尻を打てば、男児を産むと言い習わされていた。
老齢の貴族が孫ほど年の離れた女房を追い回したり、
好意を抱く若公卿を上蘢が狙ったりという騒動が起きるのが恒例。
初めて匡のお供をして参内した真葛も粥杖打ちに合う。

延島杳山が真葛を、小野蘭山が行う薬物採取の旅に誘う。
真葛は江戸行きの希みを義兄の匡に話すものの、
匡の同意は得られず、それでも真葛の決意は固い。

こうして江戸に出てからの話になるのだが、
このシリーズの第二作「師走の扶持」となる。



by toshi-watanabe | 2016-03-01 09:30 | 読書ノート | Comments(0)