折々の記

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1年を振り返る


愈々大晦日、今年も終わり。
この1年、いろいろとありました。
自然災害が次から次へと起り、数多くの大切な命が犠牲に。
食の問題、領土侵犯、偽証、感染病、ドラグと嫌な事件が続き、
とはいえLEDでノーベル賞の受賞やスポーツ選手の活躍など
感動的な嬉しいニュースもありました。
年末には突然衆議院の解散総選挙と余計なことまで。

この中で、いまだに頭から離れないのが、
消費税8%アップの実施とSTAP細胞騒動です。

消費税を上げること自体は、国の財源確保のために必要である
事は十分理解しているつもりですが、
今回の実施のタイミングは悪かったのではないでしょうか。
環境整備をしっかり整えておらず、
一般庶民が消費税アップに耐えられるレベルになる
見通しもまだ立っていない状況だったと思います。
税率低減も当然考慮すべき点でしょう。
歳出の削減についても同時に行う必要があります。
規制緩和や国会議員の定数削減はどうなっているのでしょう。

STAP細胞の論文は、杜撰なままどうして公表されてしまったのでしょう。
一流の研究機関、一流の研究者が行ったにしては
余りにも幼稚すぎます。
実験の実態は何だったのでしょう。
個人的には、STAP細胞の存在が証明されるのを
大いに期待したいのですが。

今年も多くの著名人の方が亡くなられました。
私と同じ年生まれでは山口洋子さんと赤瀬川原平さん。
また作家では、山本兼一さんが60歳にならずで
2月に他界されました。
これから大いに期待されていたのに残念無念である。

私の高校の同級生ではお二人亡くなられた。
C子さんは、地元で世話役を色々やられたり、
海外旅行を楽しんでおられた。
葬儀にはご近所からたくさんのご婦人が参列。
M君は現役時代、NHKの放送記者として全国を飛び回っていた。
定年退職後すぐに食道がんが見つかり手術、
その後は無事回復し、のんびりと過ごされていたはずなのだが。
突然亡くなられ家族葬で済ませていた。
半年後、娘さんとの交信で訃報に接した。
ご自宅に伺い位牌にこうべを垂れ、ご冥福を祈った。

青森への旅行の最中に従兄弟のA君の訃報が届く。
帰宅後、沼津まで出かけ葬儀に参列。
私より3歳ほど年下のA君のことなど、
久しぶりに会う従兄弟たちや叔父と話が弾む。

毎月1回昼食会をしている近所の仲間の一人が突然亡くなる。
午前中、奥様が出かけるときには元気だったのが、
午後帰宅すると、既に意識はなかったとのこと。
ご自宅に伺い、御遺体と最期の別れ、ご冥福を祈った。
奥様とも初めてお会いした。

ことし手元に届いた喪中のはがきは22枚。
故人の皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

合掌



by toshi-watanabe | 2014-12-31 10:15 | 一般 | Comments(2)
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今年最後の一冊は、山本一力さんの著書「べんけい飛脚」。
時は寛政の頃、加賀前田家の江戸上屋敷の隣で店を構えているのが、
浅田屋で、主は七代目浅田屋伊兵衛、加賀藩の飛脚を生業としている。
外様ながら百万石の禄高を誇る加賀藩上屋敷は、敷地が十万坪を超え、
浅田屋玄関前の加賀様通りは、上屋敷正門へとつながる。

或る時、享保便覧五巻を手にした伊兵衛は、
享保2年に行われた加賀藩主の帰国に伴う大名行列に関心を持つ。
当時の浅田屋がいかに苦労したかも含め、読み物の作成を思いつく。
さっぱり売れない、戯作者の小林雪之丞に白羽の矢が立つ。
雪之丞は便覧五冊に目を通し、大名行列が最初の宿所とした
板橋の宿まで出かけ本陣を見学し現地を確認、準備を進める。
伊兵衛は物語の筋立て運びは一任するが、
御公儀あっての前田家、そして前田家安泰なればこその
三度飛脚を拝命している浅田屋であることからは、
半歩たりとも踏み外さぬよう、雪之丞に強く注意する。
加賀藩が抱く公儀への忠誠心を極上の読み物に仕立てよと
雪之丞は依頼され、難題に立ち向かい筆を執る。

こうして出来上がった「綱紀道中記」へ。
前田綱紀と時の八代将軍、吉宗とは昵懇の間柄なのだが、
老中の水野忠之とは色々と確執があり、問題を起こしている。
前田家五代目藩主、前田綱紀公の帰国に際しての
大名行列は4千名近くという大人数だが、
吉宗が黙認しているものの、老中が認可したものではない。
一方受け入れ先の宿所は準備で大わらわ。

ところが、予想していない事態が途中で起こる。
鉄砲隊100名が行列に加わっているが、
これはご法度であり、当然通行許可書が出ていない。
是では木曽福島の関所を通ることが出来ない。
あわてて関係者が協議を重ね、浅田屋伊兵衛が知恵を絞る。
そして浅田屋の三度飛脚の活躍場面となる。
「べんけい飛脚」のべんけいは何を意味するのかも解き明かされる。

できあがった「綱紀道中記」を読んで、伊兵衛はほっとする。
この書著の大半は「綱紀道中記」である。
きちんと時代考証もされた、素晴らしい作品だと思う。


by toshi-watanabe | 2014-12-31 10:00 | 読書ノート | Comments(0)
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風邪ひきのため、ここ数日は終日家に閉じこもる。
この前から読み始めていた
伊東潤さんの著書「池田屋乱刃(いけだやらんじん)」を読み終える。
この作品は「小説現代」に昨年から今年にかけて
発表されたものを纏めて、本年10月に単行本として出版された。

幕末の京都、尊王攘夷志士たちが活動していた。
毛利家の縁戚にあたる古髙俊太郎は「桝屋」という小さな商家を営み、
宮家や公家との連絡係を務めていたが、
或る時、浪士組(新撰組)に捕えられてしまう。
この古高を救出する相談で志士たちが集まったのが三条小橋西詰の「池田屋」。
ところがこの密会の事が漏れ、新選組が急襲する。
いわゆる「池田屋事件」である。

著者の伊東潤さんは、別の所で、この著書について書かれている。

著者は少年の頃、司馬遼太郎氏の小説で池田屋事件の事を知り、
鮮烈な印象を受けた。
ところが、池田屋事件が出てくる小説や映像物は、
新選組サイドから描かれたものばかりで、志士たちは不逞浪士と呼ばれ、
テロリストと何ら変わらない扱いを受けてきた。
しかも彼らの実像や事績は、全く知られていない。
いつか志士たちの池田屋を書きたいと思っていたところ、
中村武生氏による『池田屋事件の研究』(講談社現代新書)
という好著が出た。
新選組の引き立て役に過ぎなかった志士たちを、
血の通った人間として現代に蘇らせようと、「池田屋乱刃」を書いた。

さて作品のテーマは一つなのだが、5章からなり、
各章にはそれぞれ別の主人公が登場する。
連作という形になるのだろうか。

第1章「二心なし」に登場するのは、福岡祐次郎。
伊予松山藩を脱藩、京都に出て来たものの喰うのに困り、
浪士組に拾われ、土方歳三の指図で間者となる。
宮部鼑三の信頼を得、スパイ活動をする傍ら、
次第に尊王攘夷の心情に引き込まれて行く。
池田屋に駆けつけ、志士の仲間が逃げるのを助け乍ら、
自らは土方の刃に倒れる。

第2章「士は死す」の主人公は、土佐藩出身の北添佶摩。
土佐勤皇党に入り、実行力に富み、
熱心に海防策を主張する。
池田屋事件では逃げ出したものの、重傷を負い、
逃げる途中で命を落とす。

第3章「及ばざる人」は肥後を代表する志士、宮部鼑三が主人公。
長州の吉田寅次郎(松陰)との出会いが宮部の運命を決定づける。
長州藩の京都留守居役、乃美織江、桂小五郎との交遊も始まる。
池田屋事件では、近藤勇との死闘の末、自害する。

第4章「凛として」では、長州藩士の吉田稔麿が描かれている。
強硬論に与せず、長州藩と幕府の融和を唱える。
老中首座の板倉周防守勝静との面談にも功を奏す。
伊藤利輔(博文)とは同年齢の幼馴染、
吉田松陰の薫陶を受ける。
池田屋事件では、桂小五郎を助け出すために池田屋に向かうものの、
途中で会津藩兵に見つかり命を落とす。

最後の第5章「英雄児」は長州藩京都藩邸留守居役の
乃美織江の視点から桂小五郎(木戸孝允)を描いている。
明治10年、木戸孝允は死の床にあり、乃美を枕元に呼び、
池田屋事件当時、己がとった行動について懺悔話をする。
同志が新選組との死闘のさなか、自分一人だけ逃げて生き延び、
そして維新後は最高位を極めた桂小五郎、名前も改め木戸孝允。
話の内容を文書にもし、自分の死後、公表してほしいと、
木戸は乃美に伝えるのだが。

著者がこの著書で何を訴えたかったのか、
読み終えてみるとわかる気がする。
幕末という時代を駆け抜けていった志士たちの清冽な
生き様と死に様が描かれていると思う。


by toshi-watanabe | 2014-12-30 09:36 | 読書ノート | Comments(0)
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葉室麟さんの最新作が双葉社から出る。

作品名は「峠しぐれ」である。

岡野藩領内で隣国、結城藩との境にあるのが弁天峠。

弁天峠から岡野城下までは麓の安原宿を経て十八里ほど。

朝霧峠とも呼ばれる、風光明媚な峠で茶店を

営んでいるのが、主人の半平(40歳過ぎ)と

女房の志乃(35、6歳)。

目鼻立ちが整って、ほのかな色気があり、

峠の地名にあやかって「峠の弁天様」と

親しまれているのが志乃で、

店では峠道を登ってきた旅人や地元の人に

茶や団子、それに甘酒などを出している。

支度をするのは亭主の半平の役目。

半平は小柄で寡黙の男で、いつも店の奥にいる。

草鞋なども編んでいる。


のどかな峠には、いろいろ事情のある旅人が通る。

幼い子供3人を連れた一文無しの若い夫婦。

仇を求めて無宿の旅を続ける浪人。

お家の跡継ぎを幕府に認めてもらうために

若君(暗殺の目を逃れるために、実は替え玉の姫君)の

駕籠とともに峠を越える一行、等々。


茶店の夫婦も次第に事件に巻き込まれて行く。

物語の進展とともに二人の前歴が次第に明らかにされる。

半平は結城藩の武士、

そして志乃は同じ藩の家老の奥方であったのが、

ある事情により、藩を飛びだして、諸国流浪の旅に。

元々峠の茶店を営んでいた老夫婦を手伝うようになり、

やがて老夫婦から茶店を引き継ぐ。


結城藩内抗争が始まり、志乃の娘、千春が許婚のいる

岡野藩へ支援を求めて弁天峠にたどり着き、

母と娘は10数年ぶりの再会を果たす。


物語の筋立てが実に巧みで、つい引き込まれ

一気に読み切る。

情景が目に浮かび、一瞬歌舞伎の舞台を見ているような錯覚に陥る。

葉室さんらしい作品の一つである。

by toshi-watanabe | 2014-12-30 09:30 | 読書ノート | Comments(0)
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内田康夫さんの「還らざる道」を読み終える。
この作品は2006年に単行本として出版され、
その後2011年に文庫本化されているが、
文春文庫として最近発行された。
著者は特に「道シリーズ」を意識したわけではないが、
他の作品に「喪われた道」、「怪談の道」などもある。

例の如く、ご存じ素人探偵、浅見光彦シリーズの一冊。

岐阜県と長野県の県境に位置する奥矢作湖(おくやはぎこ)の
北岸側で男の死体が発見されたのが事件の発端。
遺体は70代の男性、身元はインテリア会社の代表取締役会長、
瀬戸一弘と判明する。
この男性の死因に疑問を抱いたのが孫娘の雨宮正恵である。
祖父が旅に発つ前日、「人には、それぞれ、帰る場所がある」と、
正枝に呟いた言葉が頭を離れない。
旅の途中に立ち寄ったと思われる土地を訪ね歩き、
愛知県足助町で浅見光彦と偶然出会うことに。
光彦は明智光秀の事を調べている途中であった。
現地で光彦の案内役を買っていたのが、
馬越将人という人物で、足助町に30数年前から住み着き、
今ではすっかり観光名所となっている香嵐渓の
整備に力を尽くしてきた。

個人的なことだが、私の知人にも馬越さんという方がおられ、
珍しい名前だなと常々思っていた。
登場人物、馬越の故郷は、岡山県井原市木之子町で、
彼の父親がこの事件に関係していることが
次第に明らかになる。
光彦は現地に飛び、色々と調査する。

因みに、この木之子町からは「東洋のビール王」と言われた
馬越恭平が出ており、町の三光寺には墓がある。
馬越家は古くからある名家のようだ。

光彦の優れた洞察力と実行力により、
この事件の全容が明らかになって行くのだが、
思わぬ展開で、この物語は幕を閉じる。
この光彦シリーズ、全国各地を巡り、
色々な土地の事が紹介され、
地理的な興味もあり、大変面白く読むことが出来る。
足助町や木之子町の他に浜名湖や伊那街道そして御嶽山の火山噴火事故で
つとに知られるようになった王滝も登場する。
同時に歴史的な事項にも触れているのも興味深い。
実際に行われた植樹祭も物語の中に取り入れられている。

お薦めの一冊である。


by toshi-watanabe | 2014-12-18 14:17 | 読書ノート | Comments(0)
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またまた葉室麟さんの作品である。

葉室麟さんの著書「冬姫」を読み終える。
この作品は、2010年から2011年にかけて
「小説すばる」に連載され、2011年12月単行本として
すでに出版されている。
つい最近、集英社文庫として刊行されたものを読む。

織田信長の次女、冬姫がこの物語の主人公である。
信長には数多くの子供がいるが、いずれも側室の子。
信長はまた、自分の子供たちに奇妙な名前を付けている。
嫡男は「奇妙丸(きみょうまる)」(のちの信忠)、
次男が「茶筅丸(ちゃせんまる)」(のちの信雄・のぶかつ)。
三男が「三七丸(さんしちまる)」(のちの信孝)、
そして冬姫の姉の長女が「五徳(ごとく)」(德姫で
のちに徳川信康の正室)。

ところが不思議なことに次女だけは「冬」と名付けられる。
冬の母親は産後の肥立ちが悪く亡くなり、冬は母親の顔を知らない。
亡き母の形見として水晶の数珠を常に首にかけている。
信長の妹、お市の方によく似、大変な美貌の持ち主。
一方、蒲生賢秀の嫡男、蒲生忠三郎賦秀、幼名鶴千代は
人質として織田家に預けられ、冬姫とは幼馴染。
信長は鶴千代の器量を見出し、将来嫡男の信忠に
万一のことがあった時には、この鶴千代に織田家を継がせようと
すら考え、冬姫を娶らせる。

この婚姻をひそかに妬む人物が周りには多く、
色々と危ない目に合うことになる。
陰ひなたに付き添い、冬姫を守護するため登場するのが、
六尺を超えてひと際たくましい大力者の鯰江又蔵と侍女のもず。
もずは女性の姿をしているが、実は男、忍びの者で笛の名手、
笛を吹きながら吹矢を飛ばすことが出来る。

物語の中盤になり、ある事実が明かされる。
それは、伊吹山の南麓にある成菩提院に於いて、
凍てつく寒さの中で生まれた女子が冬と名付けられた。
母親は帰蝶(濃姫)、信長の正室である。
ある事情があって、御台所の濃姫は冬を乳母に預け、
乳母が冬姫を育ててきた。
これはあくまでも著者の仮説に過ぎないのだが。
とても興味深い仮説である。
この作品とは関係ないが、
德姫が長女となっているが、冬姫が長女であったのではと
いう説もある。
信長が娘のなかでは冬姫を一番目にかけていたのは事実らしい。

冬姫の夫、鶴千代はやがて蒲生氏郷と名乗り、
織田軍団のなかでも武勇を誇り、奥州会津藩九十二万石の藩主に。
新たに城を築き、従来の黒川城から若松城に。
ところが氏郷は40歳の若さで病没。
毒殺されたという俗説もある。
淀の方(茶々)や石田三成からは敵対視されていたようだ。

その後の蒲生家は三代続いたものの、嗣子にも恵まれず、
寛永11年(1634)に蒲生家は廃絶となる。
その7年後、蒲生家の行く末を見届けた冬姫は
81歳の生涯を終える。
「心の刃を研いで、いくさをせねばならないのです。」と
語り、戦国時代を生き抜いた姫の物語である。




by toshi-watanabe | 2014-12-11 08:48 | 読書ノート | Comments(0)
11月29日、群馬へ出かける。
早朝薄暗い中を出発。
最近は東名海老名ICから、開通したばかりの圏央道を通り、
関越道に出ていたが、
今回は以前使っていた都内環八道路、練馬から関越道へ。
予想したほどの渋滞はなく車の流れはよく高坂SAにあっという間に到着。
持参した朝食をとる。
その後も順調に行き、前橋ICを降り、高崎市内の一般道路に入る。
榛名町のショッピングセンターにて、食料品などを買い求める。
午前11時前には倉渕に着く。

針葉樹を別にして、ほとんどの樹木は葉を落としている。
既に季節は冬。
日陰に入ると、冷たい空気が肌を刺す。
櫨(はぜ)の木が一本、見事な紅葉である。


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ツワブキも、もう終わり、わずかに残っている。


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藪柑子の赤い実。

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午後4時には山の端に日が沈み、
一気に気温が下がる。
肌寒さも一入である。
薪ストーブに火を入れる。
めらめらと燃え上がる炎を見ていると、気が落ち着く。
次第に部屋中が暖かくなる。
東日本大災害の後、岩手の被災地から購入した
「復興の薪」を使っている。

僅かに残った菊の花。

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by toshi-watanabe | 2014-12-07 15:58 | 季節 | Comments(4)
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幸田真音さんの最新作「スケープゴート」を読み終える。
2013年1月から2014年6月まで
「婦人公論」に連載された作品である。

目次を拾い上げると、
 第1章  不意打ち
 第2章  晴れ舞台
 第3章  崖っぷち
 第4章  覚悟
 第5章  罠
 第6章  硝子の天井

三崎皓子(みさきこうこ)という女性が主人公。
大学を卒業するとともに外資系の証券会社に入社。
その後2,3の金融機関やコンサルタントの会社を転職、
その経験と知識を生かして、大学院で政策科学研究科の教授に。
コメンテイターとしてテレビにも出演し評判を得ている。
その一方でシングルマザーを続け、一人娘を育ててきたが、
一人息子を抱える画家と再婚。

そんなある日、時の総理大臣、山崎泰三から突然の呼び出し。
組閣にあたって、民間からの大臣ということで、
三崎皓子は内閣府特命担当大臣に任命される。
金融庁を所管する立場となる。
あれよあれよという間に、参議院議員選挙に出馬、見事当選を果たすと、
総理大臣の女房役である官房長官に女性として初の就任。

物語の終盤、山崎首相が脳梗塞で倒れ、
後継総裁の候補者の一人として名乗りを上げることに。
果たして日本初の女性総理大臣が誕生か?

この小説を読んでいると、
衆議院の解散そして総選挙に入ろうという
現実の政界の動きとダブってしまう。

幸田さんの体験、政界への思いなどが
この主人公の言動として表現されているように感じた。
「舶来屋」以来、久し振りに読んだ幸田作品、
現実の日本の状況も考えさせられる、
大変興味深い作品である。




by toshi-watanabe | 2014-12-06 14:47 | 読書ノート | Comments(0)