折々の記

tnabe.exblog.jp

日々見たこと、 感じたこと、気づいたことをメモする

ブログトップ

<   2014年 07月 ( 8 )   > この月の画像一覧

d0037233_8465487.jpg



またまた葉室作品である。
単行本として2年半前に出版されている著書、
つい最近、文春文庫として出される。

読み始めて、あれと思う。
主人公の名前、別の作品で登場していたのを思い出す。
立花宗茂と正室のぎん千代(「ぎん」にあたる漢字が
ミクシィでは表示できないので、ひらがなで表示。
門構えに言が入る漢字である。)

山本兼一の著書「まりしてん ぎん千代姫」に
同じ主人公が登場する。
単行本の発行日で見ると、葉室作品が2012年1月、
山本作品は同年12月だが、雑誌に連載が始まったのは
2010年11月。
ほぼ同じころに書かれていると思われる。

山本作品では、摩利支天のようだと表現されている
ぎん千代姫が主人公であるのに対し、
「無双の花」は立花宗茂半生の物語である。

宗茂、幼名千熊丸は豊後大友氏の家臣、高橋紹運の長男として生まれ、
15歳の折りに大友氏の重臣、(あえて立花を名乗らず)戸次道雪の
娘で13歳のぎん千代の婿養子となり、立花山城主となる。
秀吉の九州平定の戦功により柳川(山本作品では柳河城)の大名に
大抜擢されるが、関ケ原の合戦では西軍に加担したため改易、
その後は浪人の日々を送る。
時を経、20年後に旧領柳川の大名に奇跡の復活を遂げる。
徳川2代将軍、秀忠、3代将軍、家光の側近として活躍の場を得る。

ぎん千代は若くして病を得、夫の宗茂に永別の言葉を告げる。

「お前様は西国無双の武将にございます。
 必ずや返り咲いて、だれにも負けぬ
 無双の花と咲かせてくださりませ」と。

ぎん千代が亡くなる直前、盗賊に襲われた
公家の幼い姫君を助ける。
この姫君、菊子がのちに宗茂の側室となる。

伊達家の家臣、片倉小十郎に真田信繁の遺児を
託す場面など感動的な場面である。
因みに立花宗茂、真田信繁(大阪夏の陣で最期を
遂げた真田幸村)、伊達政宗は同年生まれという。

お勧めの一冊である。
by toshi-watanabe | 2014-07-30 08:47 | 読書ノート | Comments(0)
2日目の午後、いよいよ待望の知床五湖へ。

d0037233_9313479.jpg


10人のグループになり、専門の登録ガイドさんが引率する。
最初に10分ほどレクチャーを受ける。
幾つかの注意事項など。
立ち入り認定証を渡され、散策路へ入る。

d0037233_934946.jpg


五湖からスタートし、四湖、三湖、二湖の順に回り、
最後は一湖で、五湖巡りを終える。

d0037233_9363266.jpg


ガイドさんに話を聞くと、この7月末までは、一日に30回、
1グループマキシマム10名が10分おきに出発となっているが、
ガイドの人数もあり、一日250名ぐらいが現状とのこと。
此処数日頻繁にヒグマが出没しており、
多い日には5回見かけた日もあるとのこと。
進むか撤退するかはガイドに任されている。

先ずは五湖に。
晴天に恵まれ、風もなく、湖面には知床連山が
見事に映し出されている。

d0037233_9404037.jpg


次いで四湖へ。

d0037233_9411430.jpg
d0037233_9412473.jpg
d0037233_9413416.jpg
d0037233_9414635.jpg


三湖へ。

d0037233_9424144.jpg
d0037233_9425017.jpg
d0037233_9425979.jpg
d0037233_943954.jpg
d0037233_943182.jpg


一方通行になっており、全く辺りに人影もなく、
自然の景色は我々だけで独占している感じ。
水芭蕉の群生地があり、ヒグマの大好物なので、
人気のない時間滞を見計らって、水芭蕉の葉を食べに来るそうだ。
確かにそのあとらしいことが見て取れる。
運がよければ湖で水浴びしている姿も見られるとか。

d0037233_9482639.jpg


二湖へ。

d0037233_949030.jpg
d0037233_949980.jpg
d0037233_9491942.jpg
d0037233_9492859.jpg


いよいよ最後の一湖へ。
入口からこの一湖へは高架木道が敷設されており、
一湖だけならば、ガイドなしでも入ってこられる。
知床連山の最高峰、羅臼岳《標高1,661メートル)が
間近に望める。

d0037233_9521717.jpg
d0037233_952272.jpg
d0037233_9541174.jpg


3時間かけて、ゆっくりと五湖巡り、
高架木道のまわりには鬼百合などの花が見られる。
日も大分沈みかけている。

d0037233_95711.jpg


d0037233_957914.jpg


2日目の晩は宿の和食料理処でフルコースの料理をいただく。
かなりの量だったが、結構平らげる。

d0037233_959354.jpg



さて、最終日の三日目は、クルージング、
それに釧路空港へ行く途中、摩周湖に立ち寄る予定。
宿の窓から港を望む。
網戸を通しての写真、かなりボケてしまう。

d0037233_1022788.jpg


乗船場へ。
冬は流氷を見るクルージングでも活躍する
「オーロラ号」が停泊している。

d0037233_1033898.jpg


我々グループが乗る船は小型のクルーザー。
霧雨降る中を出港。
羅臼岳が望める。

d0037233_1074472.jpg


船は連山先端の硫黄山麓まで行き、戻ってくる。

自然の造形美ともいえる岩肌、そして流れ落ちる滝。

d0037233_108219.jpg

d0037233_1081186.jpg
d0037233_1082297.jpg
d0037233_1083215.jpg
d0037233_1084264.jpg
d0037233_1085169.jpg
d0037233_1085961.jpg



クルージングを終え、 バスで摩周湖へ。
途中は収穫の時期を迎え色づいた麦畑と
白い花を咲かせたジャガイモ畑がどこまでも続く。

d0037233_1012642.jpg


さて摩周湖。
雨もかなり激しく降り、濃霧で視界は全くのゼロ状態。
以前訪れた時も霧の摩周湖だったが、
またもや同様、晴れの摩周湖は次の機会に持ち越し。

d0037233_1013445.jpg


昼食は摩周駅前の食堂にて。
駅の名前は最近摩周駅に変えたようだ。
駅舎の横には足湯場も見られる。

d0037233_10145354.jpg


釧路空港の手前では、運よく丹頂鶴が3羽見られる。
釧路から一路羽田へ。
羽田空港に降り立った途端に、
熱気が一気に押し寄せる。
北海道はやはり涼しかったと改めて痛感した一瞬。
夕食にと、空港で空弁「東北復興弁当」を買い求める。

d0037233_1018292.jpg


横浜では猛暑が待っていた。
by toshi-watanabe | 2014-07-27 10:19 | 旅行 | Comments(2)
7月21日から2泊3日、北海道知床の旅を楽しむ。
羽田から中標津空港へ直行。
空港に降り立つと生憎の小雨交じりの天候。
ヒンヤリとした風が頬に当たる。

観光バスに乗り込む。
11組の夫婦の旅で総勢22名、それに現地のガイドさん。
国道334号線を走るうちに雨脚も激しくなり、
次第に視界も悪くなる。
知床峠でバスを降りる。
本来ならば展望台から、知床連山最高峰の羅臼岳を目の前に、
そして海の向こうには国後島が望めるはず。
ところが雨と濃霧で視界はゼロ、
少し先の人影も見えない状況。
慌ててバスに戻る。

峠を越えて、しばらく走ると突然視界が開け、
ウトロ温泉の街並みが見えてくる。
あっという間に青空が広がる。
ガイドさんの話通り、峠を越えると
天候ががらりと変わってしまった。
峠の天候が全くうそのよう。

宿は港に面した「知床グランドホテル・北こぶし」。
早目に宿に着いたので、ゆっくりと温泉に浸かる。
大浴場は最上階の8階にあるので、海が眺められる。
夕食後、専門ガイドさんの案内でナイト・ウオッチングへ出かける。
真っ暗闇の中を、夜行性の動物を探索。

キタキツネ、エゾシカに遭遇する。

d0037233_8522447.jpg

d0037233_8523470.jpg


峠近くの高原でバスを降り空を見上げると、
まさに満天の星がきらめいている。
辺りにはまったく灯りのない草原、
今までに見たことのない星空に一度大感激。
北斗七星もカシオペア、いろいろな星座がくっきりと姿を現す。
天の川まではっきりと認識できる。
流れ星まで見られ、歓声が上がる。
ガイドさんも最近にない、素晴らしい星空だと。


2日目は朝8時に宿を出発。
「オシンコシンの滝」を見物する。
以前訪れたときは足場の悪い道を登った記憶があるが、
登り道はすっかり整備されている。
付近には白い花などが見られる。

d0037233_9038100.jpg

d0037233_904544.jpg
d0037233_905213.jpg
d0037233_91327.jpg
d0037233_911060.jpg
d0037233_912167.jpg
d0037233_921263.jpg


途中バスの窓からは、斜里岳《標高1547メートル)の威容が望める。

d0037233_933148.jpg
d0037233_935583.jpg


斜里郡小清水町にある「小清水原生花園」を訪れる。
此処も二度目である。

d0037233_955575.jpg


踏切を渡るとJR北海道・釧網本線の「原生花園」駅舎がある。
春から秋にかけての観光シーズンだけ電車が臨時に停車する。
撮影スポットとなっている。

d0037233_981590.jpg


海岸の砂地を利用した花園である。

d0037233_99664.jpg


この季節、それほど多くの種類の花は見られない。
ハマナス、エゾキスゲ、ハマフウロ、ヒロハクサフジ、
エゾナミキソウ、エゾカワラナデシコ、
キタノコギリソウ、マルハドウキなどなど。
残念ながら、エゾスカシユリの花はすでに咲き終えていた。

d0037233_9131252.jpg


d0037233_9132035.jpg
d0037233_9134034.jpg
d0037233_9135274.jpg
d0037233_9135974.jpg
d0037233_9142344.jpg
d0037233_9145738.jpg
d0037233_915724.jpg


海岸から知床半島を望む。

d0037233_9175158.jpg


次いでフラワーガーデン「はな・てんと」を訪れる。
スキー場のゲレンデに、サルビアなどを一面に植えて
フラワーガーデンにしている。
初めてのところだが、期待したほどではない。

d0037233_9203665.jpg
d0037233_9204963.jpg


昼食は網走刑務所を眼下に見下ろす、
「かに本膳友愛社」にていただく。
タラバガニが美味しい。

午後は待望の知床五湖へ。。。。。。。(続く)
by toshi-watanabe | 2014-07-27 09:22 | 旅行 | Comments(0)
愛読している葉室さんの作品が映画化される。
直木賞を受賞した「蜩の記」である。
役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子と
おなじみの顔ぶれが主演。
今年10月4日、東宝系映画館で一般公開される。
予告編が公開されている。
下記のウェブサイトをご覧ください。

 → 映画 蜩の記 公式サイト


下記は以前別のところで書いた読書ノートです。

葉室麟さんの直木賞受賞作「蜩(ひぐらし)の記」を読み終える。
読み手をぐいぐい引き込む、大変すばらしい作品だと思う。
葉室さんは5回、直木賞候補にノミネートされ、
この作品で、ついに直木賞を受賞された。

時は江戸時代、舞台は豊後(ぶんご)の国、羽根(うね)藩と
背景は設定され、物語は進展する。
無論、歴史上実在はしておらず、
現在なら大分県辺りである。
藩主三浦家に仕える、藩士戸田秋谷(しゅうこく)が主人公。

秋谷は羽根藩の江戸藩邸にて用人を務めていた折に、
先代藩主の側室と不義密通し、
それを見咎められて小姓を切り捨てた、
というかどで切腹を申付けられる。
(事実と反していることが後で判明するのだが)

しかし、秋谷は学問に秀で、その頃、三浦家の
家譜の編纂に取り組んでおり、
家譜編纂の中断を恐れた藩主が特別の命を出し、
切腹を10年後に執行することになる。

かって秋谷自ら郡奉行を務めていた山間の村、向山村に、
幽閉され、妻子とともに質素な生活をしながら、
家譜の編纂に取り組む。
周りは百姓が住み、長久寺という寺があるのみ。

そして7年の歳月が流れた頃(残り3年)、
城内で刃傷沙汰を起し羽根藩の奥祐筆、
檀野庄三郎が家老の特別な計らいで助命され、
その代わりに秋谷の家譜編纂の補佐をするとともに、
秋谷の監視役を命じられる。

物語はここから始まる。

庄三郎は秋谷の家族とともに生活し、
家譜編纂の手伝いをするうちに、
次第に秋谷にひかれてゆく。

やがて10年が過ぎ、三浦家代々の家譜の編纂が完成する。
庄三郎は秋谷の娘、薫とめでたく祝言を挙げる。
息子の郁太郎も元服の儀を執り行う。

子供たちの行く末を見届け、
秋谷は切腹のため、長久寺へ向かうところで
物語は終わる。


蜩の記とは、秋谷が家譜編纂を命ぜられて以降、
編纂の傍ら、毎日のことを書き留めた日記である。

「蜩とは?」と、庄三郎の問いに対して、
秋谷は、
「夏がくるとこのあたりはよく蜩が鳴きます。
 とくに秋の気配が近づくと夏が終わるのを
 哀しむかのような鳴き声に聞こえます。
 それがしも来る日一日を懸命に生きる身の上でござれば
 日暮しの意味合いを籠めて名づけました。」

命を区切られた男の凄絶の覚悟、武士の清廉が
見事に描かれた、感動の物語である。  
by toshi-watanabe | 2014-07-20 10:07 | 読書ノート | Comments(0)
d0037233_9471443.jpg



山本兼一の「赤絵そうめん」を読み終える。

本年2月に他界された山本さんの作品を纏めて
この5月に単行本として文芸春秋から出版された
「利休の茶杓」の読後感を書いたばかり。

既に紹介した通りだが、「オール読物」に連載された
「とびきり屋見立て帖」のシリーズ作品である。
幕末の京都を舞台に、道具屋「とびきり屋」の若夫婦を
巡る波乱万丈の筋書きからなっている。
「利休の茶杓」実はこのシリーズの4冊目であり、
その前に3冊がすでに単行本として出ている。

その3冊目が「赤絵そうめん」、3年前に出版されている。
因みに、つい最近6月に文春文庫として、文庫版も出ている。
読む順序が逆になったのも致し方なし。

秀吉の戦国時代、武将から商人となり、
数代にわたり、商いで莫大な財産を手に入れ、
両替商でもある大商人なった銅屋(あかがねや)が登場する。
茶人でもある当主の吉左衛門が
数寄者がのどから手の出るほど欲しい
万歴赤絵の鉢を手放したいという所から話は始まる。
銅屋の蔵の話は「利休の茶杓」に続く。

「赤絵そうめん」、「しょんべん吉左衛門」、「からこ夢幻」、
「笑う髑髏(しゃれこうべ)」、「うつろ花」、「虹の橋」と
6編の作品で構成されており、
いずれも「オール読物」に2010年から2011年にかけて
連載された作品である。

最後の「虹の橋」に特に感銘を受ける。
作者の眼力が実に素晴らしく、卓抜していると思う。
主人公の真之介とゆずの若夫婦の意気はぴったり合い、
ゆずの目利きは真之介のそれを凌ぐように
描かれているのが面白い。
このシーズの1作目と2作目も今度読むつもりである。
文庫本が出ている。
by toshi-watanabe | 2014-07-20 09:47 | 読書ノート | Comments(0)
d0037233_10384443.jpg



葉室麟さんの最新作を読む。
「天の光」で、昨年「読楽」に掲載されたものに
加筆訂正されて今回単行本として発刊。
私の好きな仏師の物語である。

主人公の柊清三郎は、
福岡藩の普請方五十二石、柊尚五郎の三男に生まれ、
部屋住みの身では行く末が覚束ないと、
仏師の道を志した。
博多の慶派の仏師、高坂浄雲に17歳で入門。

やがて6年の修業を経て、23歳となった清三郎、
仏像を彫っていても、木に仏性を見いだせないのは
自分に力がないからか、それとも仏像の素材となる木に
仏性を宿す歳月が足りなかったのか、と思いをめぐらす。

師浄雲のひとり娘おゆきと祝言を交わす。
師に見込まれたものだが、兄弟子たちからは詰られる。
祝言を前に、兄弟子の玄達は浄雲の門人三人を伴い出奔。
浄雲の工房はすっかり火が消えたように。

その後1年経って、清三郎は己の彫る仏像に満足できず、
師匠の止めるのも聞かず京仏師の元へ。
新妻のおゆきには3年の約束で京の都へ向かう。

ところが、その間に悲劇が起きる
浄雲の工房に盗賊が入り、
浄雲は殺害され、おゆきは乱暴を受ける。
3年後、博多に帰った清三郎はこの惨劇を初めて知る。
おゆきは行方知れず。

その後物語は展開し、
島流しとなるおゆきをおって清三郎は姫島へ密航。

仏像を彫るということは、何という難行苦行なのだろうか。
何かをつかんだ、と思えば、
まだ、その先がある。
どこまでいっても到達するということがないのかもしれない。
そう思えば、仏像を彫るということは、
ひたすら空虚なものに向かって鑿を振るうだけなのかもしれない。
清三郎は漁師小屋で横たえながらそんなことを考える。
そして、自分がおゆきの「天の光」になろうと。
by toshi-watanabe | 2014-07-10 10:39 | 読書ノート | Comments(0)
d0037233_9162955.jpg




「私は歴史の敗者を描きたい。
 彼らの存在に意味はなかったのか、と。」
こう葉室麟さんは書かれているが、この著書は随筆集である。
28編の随想文で構成されている。
文春文庫の一冊。

司馬遼太郎の「龍馬がゆく」以来、
坂本龍馬は幕末薩長連合の中心人物と位置づけられ、
幕末の志士として人気を独り占めしている。
福岡藩の月形洗蔵(葉室さんの著書に登場する)こそ
薩長連合の口火を切った志士だと、葉室さんは語る。
新国劇の舞台で上演され、映画化もされた
「月形半平太」は月形洗蔵と土佐藩の武市半平太から
名前をとったのだろう。
陸上競技にたとえれば、洗蔵が第一走者としてスタートし、
中岡慎太郎がバトンを受けて走り、
龍馬が最後走者としてゴールのテープを切った。

私の知らないお二人のことが登場する。
上野英信さん。
戦時中、学徒動員で入隊し、広島で被爆。
戦後、京都大学を中退し、抗夫となる。
筑豊で労働者の文化運動に取り組み、記録文化作家となる。
葉室さんは学生のころ、ユースホステルで相部屋となったのが上野さん。
その時に上野さんに言われた言葉が忘れられない。
「いいか、駅のホームなんかで掃除をしているひとがいるだろう。
 そのひとの前でホームに煙草の吸殻を捨てるような人間に
 なったら駄目だぞ」と。
その後、筑豊に上野さんを訪ね、歓待される。

時代小説作家の北重人さん。
2007年、松本清張賞授賞式の二次会で、葉室さんは北さんと初めて会う。
北さんは山形県酒田の出身、一級建築として建築業の傍ら、
小説を書き始める。
最初の作品を出したのは56歳の時。
2009年、直木賞候補になりながら、お二人とも賞を逸する。
その年に、北さんは61歳の若さで逝く。

著書「刀伊入冦(といにゅうこう)」の主人公についても取り上げている。
藤原道長の兄で中関白と呼ばれた道隆の
四男が藤原隆家である。
当時権勢の絶頂にある道長の陰に隠れて、隆家は軽視されている。
日本の歴史上、海外から攻め寄せてきた異民族を
最初に撃退した英雄である。
ところが道長とはそりが合わず、生き方もまったく異なる。
道長にまったく従わなかったためすっかり冷遇されてしまう。

「桃栗三年柿八年」というが、続けて、「柚子は九年で花が咲く」。
著書の題名になっているが、著書の中でも何度も、
この言葉が書かれている。
お好きな言葉なのだろう。
葉室さんは50歳で作家生活に入っり、
10年後の69歳にして、直木賞を受賞する。
それも5回目の候補に選ばれての受賞。
受賞作は「蜩(ひぐらし)ノ記」。
柚子の花が咲くより1年余計にかかる。
授賞式のスピーチで、上野さんとのことを語る。

随筆集のあとに、おまけというのか短編小説が載っている。
「夏芝居」という、読んだ後清々しい気分になる小作品である。
by toshi-watanabe | 2014-07-08 09:20 | 読書ノート | Comments(0)

群馬倉渕の花たち

6月末から7月初めにかけて、群馬倉渕へ出かける。
今まで横浜青葉ICから東名高速に乗り、
用賀ICを降り、環八を通って練馬に出て、
関越自動車道に乗っていたのだが、
6月28日の午後3時に圏央道の相模原愛川ICと
高尾山ICの間が開通し、圏央道が利用できるようになる。
ということで、東名高速の下りに入り、
海老名JCTから圏央道に、八王子JCTを経由して、
鶴ヶ島JCTで関越道に乗る。

圏央道開通

圏央道、途中で片道1車線のところがあったリ、
とにかくトンネルが多いが、時間的には1時間は十分短縮。
便利になったのはよいが、走行距離が増え、
高速料金が倍増といった感じ。
関越道は夜間早朝割引などがあるのだが、
新しい圏央道は高速料金が高めに設定されている上に、
割引料金の適用もないらしい。

いつもよりかなり早めに現地に到着。
5月初め以来のことでもあり、
雑草が一面に生い茂っている。
藤や葛のつるが伸び放題、笹竹も人の背丈をはるかに超えて。

コスモスもすくすくと育ち林のごとく。

山里の空気はヒンヤリと心地良い。
蛍袋(ほたるぶくろ)の色も一際あざやかである。

d0037233_141354.jpg

d0037233_1414495.jpg


蕺(どくだみ)は放っておくとどんどん広がる。
五色葉蕺(ごしきばどくだみ)や八重咲蕺(やえざきどくだみ)も。

d0037233_148533.jpg

d0037233_1481192.jpg
d0037233_1482092.jpg


露草(つゆくさ)(月草、蛍草とも)、紫露草(むらさきつゆくさ)。

d0037233_1495192.jpg

d0037233_1495733.jpg


山苧環(やまおだまき)。

d0037233_14103673.jpg


下野(しもつけ)。

d0037233_1411761.jpg


白花と赤花のフランネル草、酔仙翁(すいせんのう)とも。

d0037233_14134337.jpg

d0037233_14135097.jpg


河原撫子(かわらなでしこ)。

d0037233_14143830.jpg


白花鋸草(しろばなのこぎりそう)、羽衣草(はごろもそう)とも。

d0037233_141606.jpg


ストケシア、瑠璃菊(るりぎく)、江戸紫(えどむらさき)とも。

d0037233_1418589.jpg
d0037233_14181271.jpg


赤詰草(あかつめくさ)。

d0037233_14184377.jpg


丘虎の尾(おかとらのお)。

d0037233_14191113.jpg


山紫陽花(やまあじさい)。

d0037233_14194748.jpg
d0037233_14195735.jpg


昼咲月見草(ひるざきつきみそう)。

d0037233_14204699.jpg


雪の下(ゆきのした)。

d0037233_14212163.jpg


捩花(ねじばな)、捻じり花(ねじりばな)、モジズリとも。

d0037233_14222320.jpg


姫沙羅(ひめしゃら)。

d0037233_1423572.jpg


ラベンダー(?)。

d0037233_1423316.jpg


紫式部(むらさきしきぶ)が開花し始め。

d0037233_14241015.jpg


姫蔓蕎麦(ひめつるそば)。

d0037233_14245941.jpg


常盤爆(ときわはぜ)。

d0037233_14254689.jpg


藪柑子(やぶこうじ)の花。

d0037233_14262141.jpg


そして、吊花(つりばな)の若い果実。

d0037233_14271965.jpg


予報された雨とはならず、幸い晴天が続く。
日中はかなり気温が上昇するものの、
顔に当たる風は涼しい。
日が落ちると、気温も急激に下がる。
厳しい夏はこれからのようだ。

帰途も、圏央道経由。
海老名SAに立ち寄る。
前回より2時間ばかり早く家に着ける。
高速料金の出費増をとるか、時間の節約をとるか、
迷うところではある。
by toshi-watanabe | 2014-07-05 14:31 | 草花 | Comments(1)