折々の記

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今週初め、20日の午後、
横浜市戸塚区原宿町にある大運寺を訪れる。
「神奈川の仏像を学ぶ会」の見学会である。
戸塚駅からバスで15分ほどのところにある。
高台になっている。

唐澤山と号し、浄土宗の寺院、芝増上寺の末寺である。
因みに浄土宗の総本山は京都知恩院。
本年は浄土宗開祖、法然上人の八百年御忌が執り行われている。
大運寺は相模風土記によれば、
慶長元年(1596年)の創建となっている。

現在では、近年再建されたと思われる本堂と庫裡だけ、
あとは檀家の墓地が広がる。

ご住職は他用で外出中、奥様が出迎えられる。
本堂と本殿。

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一同ご本尊をお参りし、
E講師から改めて仏像さんの説明をしていただく。

ご本尊は木造阿弥陀如来立像で、
両脇侍には、木造勢至菩薩立像と木造観音菩薩坐像。

阿弥陀如来立像は、作風、構造から南北朝時代の作とされ、
宋元風の影響が認められる。
像高は146.0センチ、光背高が196.0センチ、台座高が63.0センチ。
寄木造、玉眼、肉身部は漆箔、着衣部の彩色は剥落している。
上品下生の来迎印jを結ぶ。

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このご本尊は、大運寺の創建時よりも古い時代のもので、
元来別の寺院の本尊であったものが移設されたと考えられる。
藤沢市文化財総合調査報告書によれば、
藤沢にある浄土院のご本尊、阿弥陀如来立像を調べたところ、
台座裏に墨書銘があり、
大運本堂の中尊如来なりと記されていた。
大雲寺のご本尊だった阿弥陀如来は、今では浄土院のご本尊となっている。

脇侍の木造勢至菩薩立像と木造観音菩薩坐像は、
いずれも江戸時代の作。
像高は勢至菩薩像が81.1センチ、観音菩薩像が63.3センチ。
いずれも寄木造、玉眼、漆箔である。
通常は両脇侍は同様の姿勢をとるが、
当像の場合、観音が膝まづき左膝を立てる変則的な半跏形式なのに対し、
勢至が通例の立像であるのは珍しい。

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本殿の横に、石造地蔵菩薩坐像。
総高48.5センチ、像高23.0センチの小さな像。
数少ない中世の貴重な作例。
室町時代の作とされている。

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木造青面金剛立像。
横には脇侍立像も見える。
像高28.2センチの小型な像。
一木造、玉眼、褐色漆箔。
江戸時代の作。

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本殿の四隅を守る四天王像。

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江戸時代以降、民間で盛んに行われていた
庚申信仰の名残りの石造がバス停のそばにみられる。

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ご住職の奥様から、お茶と菓子の接待を頂く。
お礼を述べて、大運寺をあとにする。
by toshi-watanabe | 2011-06-23 10:15 | 寺院・仏像 | Comments(4)
この日曜日、江戸東京博物館で開催中の特別展「五百羅漢」を見学する。
「増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」とサブテーマがついている。
当初3月15日から開催予定が、東日本大震災発生のため延期となり、
4月29日に始まり、7月3日まで開催されている。

芝増上寺が秘蔵する、絵師、狩野一信による羅漢図100幅が一挙公開されている。
寺外で公開されるのは初めてである。
本年、平成23年は浄土宗の開祖、法然上人(1133~1212)が遷化されてから
800年を迎える節目に当たる。
この法然上人八百年御忌を奉賛し、今回の展示会開催となる。
増上寺の寺宝は、明治初期の廃仏毀釈、太平洋戦争の空襲を逃れ、
大切に守られてきた。

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芝の増上寺は徳川将軍家の菩提寺であり、浄土宗の寺院である。
幕末の絵師、狩野一信(1816~1863)は、狩野派最後の絵師といわれるが、
五百羅漢図、全100幅を構想し、10年の歳月を費やして、制作に取り掛かる。
ところが、96幅まで描き終えたところで、一信は病没する。
残り4幅は一信の描いた下絵にもとづき、
妻の妙安と弟子の一純らが補って完成させ、
文久3年(1863)、増上寺に奉納された。

各羅漢図の大きさは、高さ172cm、幅85cmと大型で、
極彩色の仏画は迫力があり、観る者を圧倒する。
100幅の仏画に、500羅漢が見事に描かれている。

第1~10幅は、羅漢の日常の暮らしぶりを表す場面。

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第11~20幅は、自ら懺悔し、出家者や異教徒を教化する場面。

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第21~40幅は、生前の罪により巡る地獄など六道から救済する場面。

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第41~50幅は、12の衣食住に関する欲を取り除く修行の場面。

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第51~60幅は、神通力を発揮する場面。

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第61~70幅は、禽獣たちを手なづける場面。

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第71~74幅は、竜宮に招かれ、供養を受ける場面。

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第75~80幅は、仏像や舎利を洗い、寺院を建立する場面。

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第81~90幅は、さまざまな天災、人災からの救済を表す場面。

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第91~100幅は、須弥山のまわりにある4つの大陸を巡る場面。

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江戸時代中期以降、各地で様々な五百羅漢の木彫、石像が盛んに制作された。
五百羅漢を訪ねれば、今は亡き大切な人に対面できるという信仰が
一挙に広まった。
また制作に想像を絶する時間と労力が必要であり、
ひたすら打ち込んで造るという造像の功徳に対する願いも反映されて、
「羅漢ブーム」jともいえる現象が起きたといわれる。

今回の特別展には、増上寺の五百羅漢図のほかに、
成田山新勝寺所蔵の「釈迦文殊普賢四天王十大弟子図」と
双幅の「十六羅漢図」も出展されている。

休日でもあり、かなりの見学者が訪れていたが、
みな熱心に鑑賞されておられた。
by toshi-watanabe | 2011-06-21 09:21 | 一般 | Comments(0)

牧野記念庭園を訪れる

昨13日、学友のSさんと久し振りに渋谷で
夕食の約束があり、午後出かける。

夕方までの時間を使って、東大泉の「牧野記念庭園」を訪れる。
西武池袋線の「大泉学園」で下車、
歩いて5分ほどのところにある。
今ではすっかり住宅地の中にあるが、
植物学者、牧野富太郎博士が、大正15年に居を構えたころは、
野趣豊かな大泉村上土支田の土地であった。
昭和32年1月、牧野博士は94歳の天寿を全うされた。
博士の偉業を末永く後世に伝えるために、
「牧野記念庭園」として、昭和33年12月に開園、一般公開された。

練馬区立の庭園として管理運営され、入場料は無料。
庭園の正面入口。

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受付では名前を記帳し、パンフレットを頂く。
すぐ左手に園の説明ボードと牧野博士の銅像。

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園内には、300種類以上の草木類が植栽されている。
残念ながらこの季節、山野草の花は見られない。
練馬区の木が2本。
「ヘラノキ」と「センダイザクラ」。

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牧野博士の住まいがそのまま公開されている。

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現在、企画展「牧野富太郎が夢見た万葉の世界」が開催中。
8月7日まで開かれている。

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牧野博士は「万葉集」に登場する植物に関心を抱き、
当時の植物名を解き明かし、万葉植物図を手掛ける。
長年の労力と時間を費やしたものの、
「万葉植物図譜」や「万葉植物図」は日の目を見ず、
出版されず終いに。

今回は描き残された植物図や原稿資料などの一部が
展示公開されている。

全20巻、約4,500首の和歌の3分の1にあたる、約1,500首の和歌に
何らかのかたちで植物が詠まれていると説明あり。
特に多く詠まれている植物は、
ハギが約140首、ウメが約120首、マツ、タチバナ、アシと続く。
現在どの植物のことを指しているのか不明であった、
万葉和歌に詠みこまれている植物を調査研究し、解明している。
展示紹介されている万葉和歌から2首メモしてきた。

 「道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今更々に 何をか思はむ」

尾花とはススキで、ススキの下にある「思ひ草」とは「ナンバンギセル」。

 「山ぢさの 白露重み うらぶれて 心に深く 我が恋止まず」

「山ぢさ」とは「イワタバコ」。
植物画とともに、調査内容などがそれぞれ詳しく付記されている。

1時間ほどゆっくり見学し、渋谷に向かう。
by toshi-watanabe | 2011-06-14 10:14 | 一般 | Comments(2)

小田原へ

今月5日、小学校同期会が熱海で行われる。
泊りがけである。
その序でに、途中小田原に立ち寄る。
「松永記念館」と「「小田原城址公園」の菖蒲園を訪れる。
城址公園は何度も出かけているが、
松永記念館は初めてである。

小田原から箱根登山鉄道に乗り一つ目の駅、
「箱根板橋」で下車。
目的地までの地図は頭に入れておいたのだが、
途中で分からなくなり、人に尋ねたりして、
10分ほどで記念館に到着する。

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「電力王」とか「電力の鬼」と言われた、
松永安左ヱ門が戦後埼玉から小田原に転居、
その住まいだったところを
現在は小田原市が市の郷土文化館分館として管理運営、
無料で一般公開されている。

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松永安左ヱ門は明治8年(1875年)、長崎県壱岐の生まれ。
昭和46年(1971年)に95歳の長寿を全う。
財界人として国力発展のために尽力し、
同時に美術コレクターとして、茶人として名高い。
益田鈍翁(益田孝)、野崎幻庵(野崎広大)とともに
近代小田原三茶人の一人、耳庵と号した。

数年前、パソコン勉強会のグループで
埼玉県新座市野火止にある平林寺を訪れたことがある。
紅葉の名所で、天皇皇后両陛下も訪れている。
その折に、仲間の一人、Fさんが松永安左ヱ門の親類筋にあたり、
平林寺の広い境内にある安左ヱ門ご夫妻の墓所に
案内してくれる。
雑木林の中にひっそりと墓石が建てられていた。
遺言により、法名はない。

松永記念館の正面入り口。

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本館一階には安左ヱ門縁の品が展示されている。
二階には広間と茶室があり、
広間の床柱には、原三渓から寄贈された
宇治平等院山門の古材が使われている。
別館の二階には、晩年を小田原で過ごした作家、
中河与一関連の資料が展示されている。
「天の夕顔」の原稿などが見られる。

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池を中心とした回遊庭園を散策する。
紫色の花菖蒲が色鮮やかに咲き、睡蓮も咲き始めている。

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下の庭園から少し登ったところに、
安左ヱ門の住居だった、「老欅荘(ろうきょそう)」がある。
名称のもととなった欅の古木も。
広間から中庭が見渡せる。

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団体で来られているグループが何組か見受けられ、
ここで昼食の弁当を広げている。

小田原城址公園へ(クリックしてください)
by toshi-watanabe | 2011-06-07 09:19 | 旅行 | Comments(6)
我が家のかみさんが妹達3人とともに、
先週末、2泊3日の北海道旅行へ出かける。
横浜はずっと雨降りだったのに、
北海道は好天に恵まれたようだ。
羽田を発つとき降っていた雨も次第に上がり、
旭川に着くころには晴天だったと聞く。

レンタカーで気ままに動き回る気楽な旅である。
ちょうど1年前にも訪れた「陽殖園」が気に入り、
今回も訪ねる。
このブログでも昨年5月に取り上げているが、
「陽殖園」はオホーツク海に近く、紋別郡滝上町にある。
交通の不便なところで、アクセスはよくない。。
旭川から車で2時間以上かかる。

もともと原野だった地を、高橋武一さんが
おひとりで50年以上にわたり切り開き、
花木の植林を行い、山野草を育てて、
素晴らしい広大な夢の庭を作り上げた。

最近はつとに有名になり、旅行会社のツアーにも組み込まれるようになる。

かみさんの撮ってきた写真の中から草花などを紹介。
メインは上記の養殖園内で、あとは「上野ファーム」、
それに美瑛の丘である。

一輪草。

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北海道の道花、大花延齢草(おおばなえんれいそう)。
こちらで見られる延齢草より花が大きい。

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蝦夷延胡索(えぞえんごさく)。

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芝桜。

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名前不明。

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三つ葉躑躅(みつばつつじ)?

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玉咲き桜草。

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錨草(碇草、いかりそう)。

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蔓日々草(つるにちにちそう)。

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黄色片栗の花。

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白根葵(しらねあおい)。

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雪割草(ゆきわりそう)。

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名前不明。

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日本水仙。

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石楠花(しゃくなげ)。

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名前不明と紫木蓮。

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北海道のタンポポは大柄。

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名前不明。

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白樺林に咲くチューリップ。
のびのびと育っている。

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一人静(ひとりしずか)。

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by toshi-watanabe | 2011-06-01 09:25 | 草花 | Comments(0)