秋の渡良瀬渓谷への旅

今月20日から21日にかけて、渡良瀬渓谷を旅する。
近所の仲間、男性ばかり4人の旅である。
朝ゆっくり家を出、正午過ぎ浅草発の東武特急「りょうもう17号」に乗車。
相老(あいおい)駅には午後2時前到着。
わたらせ渓谷鉄道への乗り換え時間を利用して、
駅から徒歩で10分ほどの「桐生明治館」を訪れる。

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「桐生明治館」は明治11年(18678)に衛生所兼医学校として竣工、
昭和3年から4年にかけて現在地に移築、完成された。
木造2階建て、棧瓦葺で、昭和51年に重要文化財に指定された。
昭和59年から61年にかけて半解体修理工事が実施され、
すべて復旧され、創建当時の姿に整備された。

地元出身で、講談社の創始者である、野間清治の特別展が開催中、
野間清治に関する資料が多く展示されている。
館内を見学したが、道路の拡張工事の最中で、騒音もけたたましく、
落ち着いてみていられない状況、まことに運が悪い。
正面の門柱も道路から下げられるそうで、庭の松の木も移植。

相老駅に戻る。
乗車するわたらせ渓谷鉄道の電車は1両のみ。

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車内は乗客も少なく閑散。
旧式の吊革が見られ、窓にカーテンがあるのも珍しい。
本宿(もとじゅく)駅で下車する。
駅員もいない何もない駅。

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宿から迎えの車が駅前で待機。
桐生から乗ってこられた女性の5人組と2人組も一緒だ。
宿泊先は山の中の一軒宿、梨木(なしき)温泉の「梨木館」。
山の景色の中に、宿の建物だけが立っている。
熊が出てきそうなところ。
標高450メートル。
今年創業130年を迎えた、古い旅館である。

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庭には秋明菊の花と季節外れの紫陽花の花。
モミジはまだ青々としている。
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翌朝、小雨の降る中、水沼駅まで宿の車で送ってくれる。
駅前に10月桜が1本、可愛らしい花を咲かせている。
向かい側のホームには温泉センターがある。
10時から開業。

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神戸(ごうど)駅で下車、ローカルバス(マイクロバス)で「富弘美術館」へ。
今回一番寄ってみたい場所である。
開館して20周年に当たり、「ささえられて」というテーマで
記念企画展が9月1日から12月5日まで開催中。
星野富弘さんが現在の地位を築くまでに、
指導されたり、影響を与えたり、何らかの形で支援されてこられた
方々の紹介と作品も展示されている。

第1章が富田克己さん、中学時代の美術教師、恩師。
第2章が太田政太郎さん、入院中にスケッチ画を届けて、
絵画への興味を掻き立ててくれた美術教師。
第3章が八木重吉さん、作品の絵に言葉(詩)を添える切っ掛けを
与えてくれた詩人。
第4章が三浦綾子さん、入院中に読んだ「塩狩峠」に衝撃を受け、
やがて交流が始まる。その影響で洗礼を受ける。交流を深める中で、
対談集「銀色のあしあと」を出版する。
第5章が内田章さん、高校、大学で同期だったが、交流はなかった。
ところが群馬大学病院に入院中に、再会を果たす。
趣味として落款印を彫っていたのが縁で、その後は富弘作品の
落款印を彫ることに。
第6章が筑井孝子さん、美術学生の時に富弘の初めての展覧会を見学、
衝撃を受け、富弘の絵画制作を支援する。美術家として
専門的な画材をアドバイスしたり。
そして第7章が杉崎紀世彦さん、勤めていた職をリストラされ、
富弘の作品に刺激を受け、43歳で初めて絵筆を持ち絵の道に進む。

書かれている詩が気に入った作品を2点。
他にもたくさんあるが。

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近代的な建物が広々とした高原の中に立ち、
美術館の前には草木湖が広がる。
遊歩道も整備され、湖の近くまで行ける。
遊歩道にはアサガオなどの花が咲いている。
紅葉しかけた木も見られる。
館内はエリアが合理的に配置され、見やすくなっている。
照明も丁度良い明るさで、清潔感にあふれている。
付属のカフェで、窓越しに外の景色を満喫しながら昼の軽食。
ここでたっぷり2時間半過ごす。

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予め予約しておいた足尾のタクシーが時間通り、
午後1時に美術館の前に来てくれる。
バスの便が悪く、電車の本数も少ないので、
タクシーを頼んで、足尾に向かう。
運転手さんと相談し、普通のツアーではなかなか行けない、
かって足尾銅山の坑道口の一つ、小滝口まで行っていただく。
中国人、韓国人も数多く坑内で働き、何千人もの人たちとその家族が
住んでいたあたり、今では何も残っていない。
石垣と石段がわずかに残り住居の名残を感じさせ、
坑道口への鉄橋が錆びたままの姿をさらしている。

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もう一カ所、渡良瀬川の源流地へも行っていただく。
ここからは荒れた土地と草木のない禿山が一望できる。
先に他界された立松和平さんが中心になって植林されてこられた地域も
まだ森を形成するところまではいっていない。

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足尾駅から大間々駅まで今回の目玉の一つ、
「トロッコ列車」に乗り込む。
電気機関車が先頭に接続される。
電車は4両編成で、2号車と3号車がトロッコ列車。
残念ながら渓谷の紅葉は全く見られないが、
御影石の大きな石が渓谷の見所となっている。
途中5キロほどのトンネル内では、トロッコ列車の天井にイルミネーション。
神戸駅には列車レストラン「清流」が開業中。

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大間々駅で乗り換えに時間があるので、
その間、駅から徒歩5分という(実際は探しながらなのでもっと時間がかかる)、
「ながめ余興場」を見学に出かける。
ところが菊の展示会などで準備に忙しく、
内部も改装中で、結局見学できず。
建物の正面入口を外から撮らせていただき退散。
ここは由緒ある、古い建物で、手動の回り舞台も備わっている
大変貴重な劇場である。

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予定通り、夕方5時過ぎ、すっかり暗くなった時刻、
相老駅より東武特急「りぃおうもう38号」に乗車して浅草に向かう。
うまい具合に雨にも濡れることもなく計画通りの旅ができたのは幸い。
by toshi-watanabe | 2010-10-22 17:42 | 旅行 | Comments(4)

「上村h松園展」を見学

昨10月17日、東京国立近代美術館で開催中の「上村松園展」を見学。
昨日は展示会最終日で、しかも日曜日、
予想した通り、北の丸公園入口にある会場の美術館には、
すでに大勢の人たちが見えている。
当日入場券購入の窓口にも列ができている。

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上村松園は明治8年(1875)に生まれ、昭和24年(1949)に亡くなられている。
過去最大級の回顧展で、数々の傑作をはじめ、今回初めて公開された
作品も含め、本画88点、素描(エッセンス)37点が紹介される。
松園の画業を明治・大正・昭和の大きく3期に分けて展示。

1章が「画風の模索、対象への温かな眼差し」。
2章が「情念の表出、方向性の転換へ」。
3章は「円熟と深化」とし、さらに3つに分類、
「古典に学び、古典を超える」、「日々のくらし、母と子の情愛」、
そして「静止した時間(とき)、内面への眼差し」。

17歳の時の作品1点に始まり、20代、30代と各時代の作品が
順番に並べられ、晩年74歳の時の作品まで
分かりやすく鑑賞できる。

素描コーナーでは、松園が描こうとする人物の顔立ちの特徴や、
表情の生々しさが写し出されたスケッチが見られる。
済で描かれた線描画が見事。
作品完成への軌跡が見てとれる。

案内チラシと絵葉書から、いくつかの作品を転載。

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重要文化財となっている「序の舞」はかなり大型の作品で、圧倒される。
かって文展に出品された傑作のひとつで、
「私の理想の女性の最高のものといっていい、自分でも気に入っている
『女性の姿』であります」と、自作に対して評価の厳しかった
松園も、自画自賛したといわれている。

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美人の顔付が時代とともに変わっているのが感じられ、
特に60代になってからの作品では、同じ美人の顔でも、
感じがずいぶん異なっているように見えた。

いくつかの作品では、全く同じ絵なのだが、着物の色が違ったり、
手に持つ小道具が、団扇が扇子にかわっていたり、
興味深く鑑賞したものもある。

下の部分にちょっと朝顔が描かれていて、夏の朝を思わせたり、
蛍が一匹飛んでいて、夏の夕べを思わせたり、
面白い構図も見られた。

「上村松園展」はこの後、京都国立近代美術館において、
11月2日から12月12日まで開催される。
by toshi-watanabe | 2010-10-18 14:26 | 一般 | Comments(6)

10月上旬の群馬(続き)

今シーズン、遅れて咲いた彼岸花(曼珠沙華)も散り始める。
因みに埼玉日高市の巾着田が彼岸花の群生で有名だが、
神奈川県では、伊勢原市の日向薬師付近が名高い。

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紫式部と白式部(白実の小紫)の実。
山の花も実も色がひときわ鮮やかだ。

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金木犀(きんもくせい)の香りが漂っている。

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秋の田村草と黄花秋桐(きばなあきぎり)。

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秋海棠(しゅうかいどう)、別名瓔珞草がまだ咲いている。

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水引草と銀水引。

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花の盛りを過ぎた婆そぶ(ばあそぶ)。

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花の咲き始めた石蕗(つわぶき)。
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秋明菊、別名貴船菊とその他の菊。

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南蛮煙管(なんばんぎせる)。

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台湾杜鵑(たいわんほととぎす)。

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犬酸漿(いぬほおずき)、別名ばかなす。

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見せばや(みせばや)、別名玉緒(たまのお)。

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現の証拠(げんのしょうこ)。

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姫蔓蕎麦(ひめつるそば)。

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野大角豆(のささげ)の実。

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by toshi-watanabe | 2010-10-15 15:01 | 季節 | Comments(4)

10月上旬の群馬

今月前半、群馬へ出かける。
長い猛暑が終わり、やっと秋の風が感じられる。
朝もやがわずかにかかった山里。

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幾分紅葉も始まっている。

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紅葉した葉も見られる櫨(はぜ)の木。

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半鐘蔓(はんしょうづる)の毛羽立った実。

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野葡萄(のぶどう)の実と山の芋の零余子(むかご)。

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鈴蘭(すずらん)の実と山査子(さんざし)の実。

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猿捕茨(さるとりいばら)、別名山帰来(さんきらい)の実と鵯上戸(ひよどりじょうご)の実。

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秋桜(こすもす)が満開の時期を迎えている。

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by toshi-watanabe | 2010-10-15 14:29 | 季節 | Comments(0)