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「人形展」を見学

11月8日(土)と9日(日)の二日間、
あざみ野駅近くの青葉区山内地区センターにて
「センターまつり」が開催される。

普段このセンターを利用して活動している
各種サークルの発表の場である。
絵画、書道、短歌、俳句、絵手紙、写真、版画、
貼り絵の作品が所狭しと展示されている。
日舞、フラダンス、詩吟の発表会が行われ、
お茶席と模擬店も開設。
更にはチャリティ・バザーも開催される。

手工芸品展示の中で、
家内の参加している「人形の会」が
会員手作りの人形を出展している。
会の講師をされている松山先生の作品
「アンと雪の女王」をはじめ、
可愛らしい人形たちが愛嬌をふりまいている。
どの作品も素晴らしい手作り人形だと思う。


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見学に来ていただいた方、この場を借りてお礼申し上げます。
by toshi-watanabe | 2014-11-10 09:49 | 一般 | Comments(0)

11月14日、すでに大型台風も通り過ぎ、
朝から青空が広がり、澄み切った秋晴れとなる。
上野公園の上野の森美術館にて開催中の
「ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎」の
招待券を偶々頂いていたので、
朝から上野へ向かう。

上野公園を歩くと、「蜂に刺されないように」との
立て看板があちらこちら、目につく。
それでも大勢の人たちがあまり気にすることもなく歩いている。

上野の森美術館、既に入場者が列をなしている。
後で新聞で知ったのだが、この日入場者が10万人を突破、
10万人目の入場者には記念品贈呈。
結局30分近く待たされ、やっと館内に。
無論館内も見学者が多く、ゆっくりと見学できるものではない。

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膨大な数の浮世絵を所蔵している米国ボストン美術館の
浮世絵コレクションの中から、約140点に及ぶ、
多彩な北斎の作品が里帰り。
実はこの北斎展、昨年暮れから今年にかけて、
名古屋ボストン美術館、神戸市立博物館、
そして北九州市立美術館分館にて巡回展示され、
この東京上野が最後である。

文化中期の団扇絵 「菖蒲に鯉」。

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天保時代の富嶽三十六景から
「神奈川沖浪裏」。

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「凱風快晴」(赤富士)。

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「本所立川」。

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北斎の娘、葛飾応為が描いた肉筆画も出展されている。
「三曲合奏図」。

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この展示会は11月9日まで開催されている。
北斎展を見学し終えると、ちょうど昼時。
東京国立博物館に入り、本館横にあるレストラン
「ゆりの木」で昼食をとる。
ここはホテルオークラ系列で、美味しい食事がいただける。

さて腹ごしらえした後は、
前日始まったばかりの「日本国宝展」を見学する。

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東京国立博物館にて開催される国宝展は今回が4度目、
「祈り、信じる力」をテーマにしている。
仏や神と人の心をつなぐ役割を担ってきた
絵画、彫刻、工芸、典籍などが出品されている。
平成26年9月1日現在、「保護法」によって指定された
重要文化財は、美術工芸品が10,624件、
うち872件が国宝である。
又建造物は2,419件が重要文化財、うち220件が国宝。
建造物と美術工芸品を合わせた有形文化財の
国宝は1,092件となる。
今回展示されるのは約1割に当たる119件である。

入場制限もなく、館内もそれほどの混み具合でなく、
比較的ゆっくりと見学できる。
会場に入って最初に目にするのは
奈良薬師寺の仏足石。
薬師寺で何度か見学している。

和歌山金剛峯寺の「仏涅槃図」(平安時代)。

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京都宇治平等院の「雲中供養菩薩像」(平安時代)が二体。
「南14号」と「北13号」。

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土偶。
「縄文のビーナス」を呼ばれる。

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京都聚光院の「花鳥図」(室町時代、狩野永徳筆)。

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京都智積院の「松に秋草図」(安土桃山時代、長谷川等伯筆)。
今回一番見たかった作品である。

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京都狐篷庵の「大井戸茶碗 銘喜左衛門」(16世紀 朝鮮)。

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三井記念美術館で見たことのある
「志野茶碗 銘卯花墻」(16~17世紀 安土桃山時代 美濃)

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奈良興福寺の「多聞天立像」(平安時代)。

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「薬師如来坐像」(平安時代、奈良国立博物館)。

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「普賢菩薩騎象像」(平安時代、大倉文化財団)。

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阿弥陀如来の両脇侍、「観音菩薩坐像」と「勢至菩薩坐像」
(平安時代、 京都三千院)。
三千院にて、何度か拝観している。

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京都浄瑠璃寺の広目天立像(平安時代)。

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奈良安倍文殊院の「善財童子立像」(鎌倉時代、快慶作)。

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これも最も関心があり観たかったひとつ、
奈良元興寺、極楽坊の「五重小塔」(奈良時代)。
日本にある国宝の五重塔で最も小さく、
唯一屋内にある五重塔である。

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出展作品の一部を紹介。
写真は主として目録からコピーさせていただいた。
貴重な日本の宝物をまじかに見られる絶好の機会である。
by toshi-watanabe | 2014-10-18 15:29 | 一般 | Comments(0)

映画「蜩ノ記」を観る

二日前、久しぶりに劇場での映画鑑賞。
葉室麟さんの原作が映画化された「蜩(ひぐらし)の記」である。

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直木賞受賞の原作は2年前に読んでおり、
このブログでも取り上げているように記憶している。
今回、映画化が発表されたときから是非とも見たいと思っていた。
この原作を読んだのが、葉室ファンになった切掛けでもある。

脚本、監督は小泉堯史さん。
原作通りの筋で映画化されており、
原作者の書きたかった真意が忠実に表現されているように感じた。
ある事件により10年後の切腹を命じられ、寒村で蟄居しながら、
ひたすら藩主三浦家の家譜編纂にあたり、残り3年となる
元郡奉行戸田秋谷(しゅうこく)を演じる役所広司の演技は見事である。
城内で些細な事から刃傷沙汰を起こし、
秋谷の監視役を命じられるものの、
次第に秋谷とその家族への情愛に魅かれて行く檀野庄三郎を演じる
岡田准一も役所広司との呼吸がぴったり。
秋谷が日々の事を書き留めているのが、「蜩の記」である。

戸田秋谷を演じる役所広司

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檀野庄三郎を演じる岡田准一

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秋谷の妻、織江を演じる原田美枝子

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秋谷の娘、薫を演じる堀北真希

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愈々秋谷切腹の朝を迎え、
長久寺の境内へ向かう、最後の場面は
悲しくもあり、清々しくもあり、素晴らしい情景である。

この映画化に当たり、原作者の葉室麟さんは、
次のようなメッセージを書かれている。

「蜩ノ記」という小説は本来、わかり難い作品だと思います。
秋谷がなぜ、死へ向かって淡々と生きるのか。
自分自身に引き比べて、納得できるひとが少なくても
不思議ではありません。
ただ、書き手であるわたしは60を過ぎて生きている日々に
秋谷が見た風景が重なり合っていくような気がしています。
私は50歳を過ぎて、歴史時代小説を書き始め、
60歳で直木賞をいただきました。

そのおり、心に浮かんだのは、ある作品の中で使った諺の
「柚子は九年で花が咲く」でした。
「桃栗三年柿八年」と言いますが、すべて実がなるという諺です。
なぜか、柚子だけが「花を咲かせる」となっています。
人生の後半で何事をなしとげたいと思った人間にとっては、
「花」という言葉が若いときよりも心に染みます。
「蜩ノ記」は人生の残り時間を限られた人間の物語です。
作者自身、人生の時間を砂時計の砂が落ちるように見つめています。
その「蜩ノ記」で直木賞という花を咲かせることができたと思ったら、
まだ、花はありました。

小泉監督始めスタッフは黒澤組の伝統を引き継ぎ、
いわば日本映画のスピリッツを伝える精鋭の方々だと思います。
大学生のころ、映画研究部だったわたしにとって、黒澤組の手により、
自分の作品が映画になるのは、夢のような体験でした。
大袈裟ではなく、「生きていてよかった」と思いました。
遠野のロケ地を訪れ、主演の役所広司さん、岡田准一さん、
堀北真希さん、原田美枝子さんら輝くような俳優がそろっての
撮影風景を見学したときは、自分がこの場にいるということが
信じられない思いでした。

映画の中で戸田秋谷の家の庭に柚子が植えられています。
「蜩ノ記」には柚子のことは書いていません。
わたしがエッセイなどで書いた人生への感慨を
小泉監督が汲み取ってくださったのでしょう。
試写を見て、そのことを知ったとき、目が涙でかすんだように思います。
わたしにとって映画「蜩ノ記」は最高の贈り物でした。
多くの観客の方にこの映画の感動を味わっていただきたい。
そして、なにより、この映画はわたしが九年待った柚子の花であること
をお伝えしたいと思います。
どうやら、「人生の花」はゆっくりと開くようです。


(追記)

撮影現場で使われた藩主三浦家の家譜、本稿16巻に
清書18巻は、どのページもきちんと文字がしたためられた。
「新訂黒田家譜」などの家譜資料を参考に文章を作り、
書家が実際に書いたものである。
秋谷役の役所広司と庄三郎役の岡田准一には書道の練習が課せられた。
また岡田准一は居合を習うため、撮影開始の半年前から、
天真正伝香取神道流の道場に通った。
役所広司と娘役の堀北真希は所作を学ぶため小笠原流の稽古に励んだ。
by toshi-watanabe | 2014-10-10 14:02 | 一般 | Comments(4)

「水墨画展」終了

月に2度、水墨画教室に参加している。
教室の行われているのが、「横浜市社会福祉協議会」の
横浜市青葉区内にある「横浜市ユートピア青葉」、
わが家から歩いて8分ほどのところにある。

9月から10月にかけて4週間、教室仲間の作品
20数点を会場通路の壁やロビーを利用して展示していたが、
10月4日に無事終了。

つたない作品で恥ずかしい限りですが、
私の作品2点を紹介させていただきます。

「菩薩」(8号)

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「山湖」(6号)

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by toshi-watanabe | 2014-10-07 11:21 | 一般 | Comments(2)

山口洋子の訃報に接して

つい2,3日前、夜のテレビニュース番組で、
山口洋子の訃報を知る。
私と同年生まれ、享年77歳である。

銀座の高級クラブ「姫」を経営されながら、
演歌の歌詞を数多く生み出してきた。
私の好きな演歌もたくさんある。

「噂の女」
「よこはま・たそがれ」
「ふるさと」
「夜空」
「うそ」
「千曲川」
「北の旅人」
「アメリカ橋」。。。。。。。。。。。。。。

石原裕次郎が歌った「ブランデーグラス」

  これでおよしよ
  そんなに強くないのに
  酔えば酔うほど 淋しくなってしまう
  涙ぐんで そっと時計をかくした
  女ごころ 痛いほどわかる
  指で包んだ まるいグラスの底にも
  残り少ない 夢がゆれている

  よせばよかった
  よせばよかったけれど
  恋は知らずに もえてしまうものだよ
  白い小指 ためらいながらからませ
  未練ごころ 打ちあけたおまえ
  雨がふるふる 部屋の中にも胸にも
  いつか来そうな 別離を告げて

  こころひとつ 傘はふたつにはなれて
  逢えば夜は つかの間に過ぎる
  雨はふるふる 遠く消えてく背中と
  いつか来そうな 別離を濡らす

ご冥福を心よりお祈りするばかり    合掌
by toshi-watanabe | 2014-09-22 13:56 | 一般 | Comments(0)

9月2日、世田谷美術館に出かける。
用賀駅で下車し、何度か歩きなれている
用賀プロムナード、通称いらか道を通って、
環八通りに出、砧公園を抜けて行く。
このプロムナードの路面には、
百人一首が刻まれている。
秋晴れとは言え、木陰は涼しいのだが、
日差しが強く、日当たりを歩くと汗があふれ出てくる。

因みに用賀駅前からは臨時の直行バスが出ている。
片道100円である。

6月28日に始まった「ボストン美術館・華麗なるジャポニスム展」も
今月15日で終了する。
そのあとは京都、名古屋と巡回展示の予定。

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「印象派を魅了した日本の美」とサブタイトルがついており、
浮世絵や工芸品など、日本の美術工芸が西洋の画家たちに
大きな影響を与えた、その軌跡をテーマにしている。

ボストン美術館の数多ある所蔵品の中から
150点を厳選し、今回出展している。
「日本趣味」、「女性」、「シティ・ライフ」、「自然」、「風景」と
コーナーを設け、順番に見学できる。
浮世絵と西洋画家の描いた作品を並べて展示し、
比較しやすいように工夫されているのは有難い。

歌川広重の「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」
視点が少し高い位置に置かれているばかりか、
僅かに傾く特殊な構造となっている。
殆ど垂直に降り注ぐ直線的な雨。

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フィンセント・ファン・ゴッホの「雨中の橋」。
四周には様々な浮世絵から切り取った漢字を書き加えている。

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同じく歌川広重の「名所江戸百景・亀戸梅屋鋪」

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フィンセント・ファン・ゴッホの「花咲く梅の木」。

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ポール・ルグランがデザインし、パリのブシュロン社が
1876年に製作した「インクスタンド」。
浮世絵、漆工芸、鍔、型紙などから引用した模様や図像を
高度に様式化、七宝で表現している。
狛犬、扇子、松の枝、鳥などに加えて日本風の文様、
富士山を望む風景と釣り人も描かれている。

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今回の展示会の目玉ともいえる作品、
クローネ・モネの「ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)」。
クローネ・モネの夫人がモデルで、
等身大の大きさで描かれている大作である。
作品は痛みが激しかったため、一年にわたり修復作業を行い、
今回修復後初の展示。

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喜多川歌麿の「母子図 たらい遊」。

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メアリー・スティーヴンソン・カサットの「湯あみ」。
西洋美術では描かれてこなかったジャンル。
母親と子供の絆を親密に描写している。

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歌川国貞と歌川広重による
「当盛十歌撰 夏菊(二代目沢村訥升、初代沢村由次郎)」。

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フィンセント・ファン・ゴッホの「子守唄、ゆりかごを揺らす
オーギュスティーヌ・ルーラン夫人」
パターン化された背景装飾、鮮烈な色彩、
線の動きが織りなすダイナミズム。

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エミール・ガレの「花瓶」。
ぽつんと花を咲かせる一本の枝は
いかにも日本的な主題。

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歌川広重の「東海道五拾三次之内 岡崎 矢矧の橋」。

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ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラーの
「オールド・バターシー・ブリッジ」。
日本的な構図手法を応用。
要素の少ない構図の中、斜めに角度をつけ、
複数の視点から捉えるようにして、橋を描いている。

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歌川広重の「東海道五拾三次の内 四日市 三重川」。

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クロード・モネの「トルーヴィルの海岸」。
表情豊かに激しく描写された一本の木を
中央に配して、西洋の遠近法や陰影法の使用を避けている。

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平日にもかかわらず、見学者は多く、
人の肩越しにに観なければならない場面もあり、
ゆっくりと見学できなかったのは残念。

ちょうど昼時になり、館内のレストランに足を運ぶも、
既にランチ受付終了とある。

出展された浮世絵の作品に限ると、
数も少なく、少々物足りない感じがする。
今年初めに、東京江戸博物館にて見学した
大浮世絵展」の方が出展作品数が多く、
それぞれ質の高い作品が見られ、
大いに見応えがあった。


御断り(使用した写真は、すべて図録からのコピーである)
by toshi-watanabe | 2014-09-04 11:26 | 一般 | Comments(6)

岩波ホールで映画鑑賞

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昨3月7日、神田神保町の岩波ホールで映画鑑賞。
このホール、映画の上映を始めて40周年。
そしてここで上映する映画につして大いに貢献された
高野悦子さんが亡くなられて一周忌。

過日、新聞のコラムでこの映画の紹介記事が目に入り、
今回観賞することになった映画は「家族の灯り」。
原題は Gebo et l`Ombre。
昨年12月に105歳を迎えたばかりの
現役最高齢のマノエル・ド・オリヴェイラ監督の作品。
ポルトガルの作家、ラウル・ブランタンの戯曲を
監督自身が脚色を担当して映画化。

1回目の上演が11時半開演、11時開場となっており、
11時5分前に会場に行くと、
220席のこじんまりとしたホールのメインの座席は
すでに座っていたり、コートが置かれていたり。
開演前に周りを見ると、ほぼ満席、
圧倒的に中高年齢のご婦人ばかり。
男性客は数えるほど。

港だろうか、一人の若い男が
「自分ではない」と言いながら逃げまどうところが
一瞬映し出され、これから始まる物語を示唆しているかのよう。
夕闇が迫り灯りがともされ、穴倉のような
薄暗い家の部屋が映し出される。
仕事を終えた男が寒さに震えながら家に着くと、
二人の女が出迎える。

初めから終わりまで、この部屋にカメラは向けられたまま。
一幕物の舞台を見ているような、
レンブラント時代の絵を見せられているような感を抱く。
登場人物の会話がよどみなく続く。
この会話により、登場人物の関係、
それぞれの思いや人生観を知らされる。

帰宅した男は家の主で、ジェボ(演じるのはマイケル・ロンズデール)。
迎えた女の一人は、ジェボの妻でドロティア
(演じるのはクラウディア・カルディナーレ)。
もう一人の女は息子の嫁でソフィア(演じるのはレオノーレ・シルヴェイラ)。
ジェボはある会社の帳簿係、集金業務を終え、
帰宅してから帳簿の整理をしたり、
妻とは結婚して40年になる。

画面は部屋の中で3人が、時にはジェボとドロティア、
ジェボとソフィアの2人の場合もあるが、会話の場面が続く。
この会話をしっかりと聞かないと
(実際はフランス語なので、日本語の字幕を見ないと)、
登場人物の人間関係もわからないし、
何が起こっているのかも理解できない。
日本語の訳が硬すぎて、ニュアンスが十分に出てないように
感じたのは残念である。

話題のテーマは8年前に失踪した息子のことだと、
だんだんとわかってくる。
失踪した息子を盲目的な愛で信じ続ける母親、ドロティア。
置き去りにされ哀しみの中で毎日過ごす嫁のソフィア。
そして家族を守り、最後に大きな決断をする実直なだけの父。
この父親、ジェボを演じるマイケル・ロンズデールが素晴らしい。
息子が失踪したわけを唯一知っているのが父親、
母親にはそのことを絶対に語ろうとしない。
嫁のソフィアを実の娘のようにかわいがり、
それとなくソフィアには息子のことを少しばかり、
漏らしたりしている。

或る晩、突然、息子のジョアン(演ずるのはリカルド・トレバで、
オリヴィエラ監督の孫)が帰ってきて、
部屋の雰囲気が変わる。
この部屋に時折姿を見せるのが、
隣人の男性(演じるのはルイス・ミゲル・シントラ)と
隣人の女性(演じるのは、何と86歳になるジャンヌ・モロー)。

決して面白いとか楽しい映画ではない。
登場人物は6人だけ、カメラアングルも一点に絞られ、
いかにも暗い感じの映画である。
それでも最後まで映像に引き込まれ、
家族の問題を考えさせられた映画である。

この映画のレビューが出ていたので、一部をご紹介。

「まるでレンブラントの絵の世界に入り込んだような映像美」(ル・モンド)。

「ロンズデールは素晴らしく、ジャンヌ・モローもこのどこか
 奇妙な空間の中で魅力を輝かせる」(ル・フィガロ)。

「オリヴェイラ監督にはいつも驚かされる。
 言葉は突き刺さるのに、まるで無言劇を観ているような
 感覚にさせられた」(女優の吉行和子)。

「この余白、この客観、この覚悟、
 どれだけ映画と向き合う、この境地に達することが出来るのか」
 (松江哲明監督)。

「あなたは何者ですか? と、
 一生かけて延々と考え続けられる相手こそが、
 ‘家族‘なのかも知れない。
  自分が何者かすらわからないのに」(横浜聡子監督)。

以上ご紹介まで。


映画鑑賞の後、九段下近くの蕎麦屋の老舗「一茶庵」に行き、
遅い昼食をとる。
時間が時間なので、客はほかに一人だけ。
腰のある美味しい三色蕎麦をいただく。
by toshi-watanabe | 2014-03-08 14:53 | 一般 | Comments(2)

内田康夫さんの「浅見光彦」シリーズの一篇、
「風のなかの櫻香」を一気に読み終える。
この作品は2010年11月に発刊されているが、
最近、徳間書店から文庫版が出たばかり。
大好きな奈良の話なので、迷わず購入し、
夢中になって読んでしまう。

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「櫻香」は「さくらこ」と読み、
今回の事件の中心人物。
事情があって、生まれたばかりで施設の前に捨てられ、
施設で育てられた櫻香(さくらこ)は、
5歳の時、養女として尼寺の尊宮寺に迎えられる。

御前様と呼ばれる日野西光尊の養女として、
お母さんと呼ぶことになる若い尼僧、秋山妙蓮により
大事に育てられた主人公が、もうすぐ中学に進学
しようとする頃に、異変の兆候らしきことが起き、
物語がスタートする。

横道にそれるが、「櫻」といえば、
私自身中学生の時、ある教師が、
「二階の女が気にかかる」と覚えなさいと言われ、
今でも忘れることはない。
確か、その頃だったかちょっと後だったか、
佐藤弘人さんの「はだか随筆」がベストセラーとなり、
この著書にも同じことが出ていたような気がする。

櫻香に妙なことが続いておき、
光彦の母親が御前様と旧知ということで、
相談を受けた母親から光彦に助けてあげるよう指示が出る。
浅見光彦の登場となる。
櫻香の誕生にまつわる秘密が明らかになって行く中、
櫻香が誘拐されたりと事件はとんでもない方向へ。
結局思わぬ結末で事態は解決。

この作品に登場する「尊宮寺」は、作品を読めば
法隆寺と接している「中宮寺」であることは直ぐ分かる。
著者もあとがきで、間違いなく中宮寺であることを
書かれている。
更に登場する人物、日野西光尊は中宮寺御門跡の実名、
また秋山妙蓮さんも実在、御門跡の秘書役をなされている。
この作品を書くに当たっては、
事前に実名を使用することについて御門跡のご了解を得、
作品の中で使われる言葉遣いなどをご教示頂いたと、
あとがきの中で著者が書かれている。
秋山妙蓮さんも実名で、取材協力からゲラチェックまで
お世話になったと感謝の言葉が見られる。

今回の文庫本の出版にあたって
著者は自作解説を付け加えておられる。
尼寺をテーマに書き至った経緯なども書かれている。
著者の内田康夫さんは太平洋戦争当時、
1年近く、静岡県の静浦村(現在沼津市)に学童疎開。
中宮寺の秋山妙蓮さんも偶然、この静浦のご出身とか。
不思議な縁である。
by toshi-watanabe | 2014-02-22 15:09 | 一般 | Comments(0)

2週間続けて降った大雪も、
都心部では大分雪が解け、歩きやすくなる。
昨17日、気持ちのよい晴天、
知人から招待状をいただいた美術展見学に
銀座へ出かける。

「サロンど東京フレッシュ展」という美術展で、
案内状によれば、昨年上野の東京都美術館で
開催された「美術の祭典・東京展」に
初出品した作家の有志による展覧会とある。
新たなチャレンジを始めた出品作家の
フレッシュなメッセージを受けてほしいと書かれている。
今回招待状をいただいたのは、
この出品者のお一人である。

展示会場は銀座一丁目にある
奥野ビルの2階ギャラリー、「アートスペース 銀座ワン」。

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ギャラリーの開場は午後1時なのをすっかり見落とし、
かなり早めに現地についてしまう。
致し方なく、いったんビルの外に出ると、
何という寄寓か、ご近所のSさんにバッタリ出会う。

Sさんは私とそう変わらない年齢、すでに定年退職されて
いるが、顧問のような形だろうか、
週に三日ほど、銀座の事務所に来られている。
偶々昼休みの時間、外に出てこられたところだったようだ。
Sさんも驚かれたろうが、私も吃驚。

このギャラリーのある建物は、
私は全く知らなかったが、
知る人ぞ知る、銀座でも由緒ある建物と初めて知る。
Sさんは、過日日経新聞で、
このビルのことを読んでおり、興味をお持ちだった。
それではと、Sさんと二人でビルの中へ。
前世紀の遺物のようなエレベーターが使われている。

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この建物は昭和7年ごろに建てられたもの。
当時はモダンな建物で、
いまでいうワンルーム・マンション、
「銀座アパートメント」と呼ばれていた。
トイレは共同だが、地下に男女別の共同浴場も完備(今はない)。
現在は住民はおらず、
ギャラリーとか事務所として使われている。

エレベーターは手動で、
二重の扉の開閉は手で行う。
二人でエレベーターに乗り7階まで登り、
階段を1階づつ降りながら、
数カ所のギャラリーを覗いてみる。

目的の2階のギャラリーにお邪魔するころ、
丁度1時となる。
作品を見学でき、
展示会にご招待いただいたMさんとも
親しく話ができ、楽しい時を過ごせた。

Mさんの作品、2点、
「聖観音」と「阿修羅像」。

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ビルの前には、ざくろの木がり、
2,3個、ざくろの実がまだぶら下がっている。

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思いがけない出会いもあり、
ついでに銀ブラを楽しみ、
気分の良い一日となる。
by toshi-watanabe | 2014-02-18 14:21 | 一般 | Comments(0)

黒羽志寿子さんのコーナーから。
テーマは「黒羽志寿子の全仕事」。

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キルトが日本で作られ始めて40年、それほどの歴史があるわけではないが、
今や日本の一つの文化にまで成長したと言える。
日本のキルトの草分け的存在である黒羽志寿子さんは、
1975年、アメリカではじめてキルトに出合い、
以来、第一線のキルト作家として活躍してこられた。
藍染めや絣を使ったキルトで独自の世界を築き上げ、
日本国内だけでなく、海外でも高く評価されている。
今回の展示はまさにその集大成を紹介するもの。


「ムーミン」の原作者、トーベ・ヤンソンは、
1914年8月9日生まれ。
それからちょうど100年を迎える。
フィンランドで誕生した「ムーミン」は、
1945年から70年まで四半世紀にわたって書き継がれ、
現在は44か国語に翻訳されている。
その後もアニメ化されるなど、
今も時代を超えて幅広い層から愛され続けている。

今回の展示、「キルトでつむぐムーミン物語」のコーナーは、
ムーミン谷の「ムーミン屋鋪」を立体的に再現し、
「ムーミン」に登場する挿絵を50点近いキルト作品で表現。
キルト製作は、北欧キルトの第一人者、斎藤謠子さんと
協力者によるもの。

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最後に今回紹介漏れしたのではと思われるキルトの作品。
あるいはダブるかもしれませんが、その節はご容赦の程。

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キルト展の会場は非常に込み合っており、
写真撮影は、見学者の間合いを見ながら行うので、
その苦労も大変だった。

1970年代、米国駐在中に、フィラデルフィア近くの
アーミッシュの町を訪れたことがあるが、
その時はじめてキルトを見たのを覚えている。
古い布地を継ぎ合せて、ベッドカバーなどが
見事に作り上げらていた。
全てが手仕事と聞いた。
その時の伝統的なデザインの系統の作品もあるが、
斬新なデザインのキルトが圧倒的に多いと、
今回のキルト展を見て感じた。
by toshi-watanabe | 2014-02-09 09:43 | 一般 | Comments(0)