折々の記

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2017年 06月 11日 ( 1 )

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最近出版された内田康夫さんの「孤道」を読む。

お馴染みの浅見光彦名探偵が登場する。

内田さんの新作著書は、3年前の2014年の7月に出版された、

「遺譜」が最後で、久しぶりの作品を手にした。

因みに「遺譜」をもって、浅見光彦シリーズは

幕を閉じたのだと思っていた。

実はこの作品「孤道」、毎日新聞に2014124日から

連載されていたのだが、2015年夏、内田さんが脳梗塞で倒れ、

命はとりとめたものの左半身のマヒが残った。

そのために毎日新聞の連載は2015812日を最後に、

未完のままになっていた。

その後リハビリに励まれたが、現在に至るも

思うようにいかず、小説を続けることは困難に。

内田さんは筆を折る決意をされたようだ。

未完のまま、今回単行本として出版され、

未だ世に出られずにいる才能のある方に完結を託す決断をされた。

関係者が共同で「孤道」完結プロジェクトを発足させた。

この書の終わりには、

「孤道」完結編の募集要項が載っている。

締め切りは20184月末日である。


熊野古道を舞台に繰り広げる、壮大な歴史ロマンミステリー。

実際に起きた事件などを軸に、筋立ても大変興味深い。

物語が盛り上がったところで、未完とは実に残念だ。

大毎新聞に入社した鳥羽映佑は和歌山支局、そして

和歌山県田辺市の田辺通信部勤務となり、暇を持て余している。

熊野古道の「箸折峠」にある牛馬童子像の首がのこぎりで切られて

持ち去られるという事件が起きる。

熊野古道でも人気スポットの一つで、牛と馬の背に一体のように

跨った法衣姿の童子像、高さ60センチ足らずだが、

とりわけ女性ファンに人気がある。

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この特ダネをものにした鳥羽は第一報を支局に届け、

全国紙にも掲載され報道される。

この特ダネを知らせてくれたのが、田辺市役所の鈴木真代である。

彼女は市役所に勤めながら観光ガイドも行い、

新米の鳥羽の面倒を見て、色々な情報源となっている。

ところが、真代の主人、鈴木義弘が大阪天満橋近くで殺害される。

八軒家殺人事件と呼ばれる。

殺害された土地は、熊野古道の出発点の一つ。

鈴木義弘は、妻の真代とともに田辺市役所に勤めていたのだが、

8年前に父親が急逝したために、海南市の実家に戻り、

家業である不動産業を継いでいる。

鈴木家はかっては、海南市や和歌山市付近ばかりでなく、

大阪の市街地にもかなりの土地を持っていたらしい。

全国に散らばる鈴木姓の御本家になるとか。

そこへ登場するのが、浅見光彦である。

浅見は鳥羽の大学の先輩であり、旧知の間柄。

この後、牛馬童子像の首は発見されるが、

誰が何のために首を持ち去ったのかは不明。

また八軒家殺人事件も未解決のまま。

藤原鎌足と阿武山古墳の話などが出てくる。

古墳に興味のある方には面白い読み物だろう。

中途半端な読書ノートになってしまった。

内田康夫さんのご回復を切に祈るものである。

できれば、内田さんにより

この作品が完結されればと願うばかり。





by toshi-watanabe | 2017-06-11 09:19 | 読書ノート | Comments(0)