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三浦半島の天養院へ

昨日は「神奈川の仏像を学ぶ会」今年度最終回で、三浦半島へ。
昼過ぎ京浜急行の終着駅「三崎口」に仲間が集まる。
シーズンオフなので駅前は殺風景。
バスに乗り4つ目の「赤羽根」で下車。
少し通りをもどり坂道を登ると、其処は天養院。
本堂に住職の住まい、それに墓地があり、こじんまりした寺院。
うっかりすると通り過ぎてしまいそうだ。

三浦市初声町和田にあり、このあたりは豪族、和田氏がかって治めていた土地、
和田義盛(元は三浦氏)縁の寺院、屋敷跡、城跡などが多く散在している。

早速本堂にお参り。
本堂内左奥、ガラス戸で仕切られた中に、近くの安楽寺(廃寺)から移された
薬師三尊像が安置されている。
神奈川県指定重要文化財に指定されている。

木造薬師如来立像は平安時代の作とされ、
像高は74.5センチ。
薬師如来は通常左手に薬壺を掌上に置き、右手は5指をのばして掌を見せる
形だが、ここの薬師如来は右手の第1指と第3指とを捻じて輪をかたちどり、
阿弥陀如来の来迎印に近い形をしている。
欅と思われる堅木の一木造り、彫眼。
残念ながら、顔面の右側、胴体の中央部に亀裂が走っている。

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薬師如来の両脇には日光菩薩立像と月光菩薩立像。
像高はそれぞれ110.5センチ、112.5センチ。
いずれも堅木(欅?)の一木造り、彫眼。
3像とも、どちらかと言えば単純な顔立ち、柔和なまなざしで、
10世紀から11世紀にかけての東国の地方的な彫刻とされる。

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3像の手前左側には、和田義盛のお位牌と思われるものが見られる。
左壁の上部にガラス戸でとざっされたもの入れがあり、その中には
12神将像と思われる像が納められている。




ベランダにある金鳳花(キンポウゲ)科の日本翁草の花が開いたので、
再度写真をアップ。

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駅前公園では日向水木(まんさく科)が見事に咲いている。
別名、伊予水木。
同じ仲間には土佐水木、朝鮮水木などがある。

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Commented by banban at 2007-03-21 13:19 x
お仏像の写真 ちょっとうっとりでした 優しいお顔ですね ところでまんさく科の水木の種類の中に ハナミズキは はいるのですか?
同じような名前で 花の大きさが随分ちがいますから 別物なんでしょうか?
Commented by toshi-watanabe at 2007-03-21 16:11
まんさく科の植物は日向水木、土佐水木と満作(まんさく)など、
ハナミズキはみずき科の植物で、青木(冬に赤い実のなる)や
山法師(やまぼうし)と同類です。
ハナミズキはアメリカ山法師とも呼ばれます。
因みに北米原産で、英語では"dogwood"といいます。
by toshi-watanabe | 2007-03-20 10:32 | 寺院・仏像 | Comments(2)

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