「肉筆浮世絵・美の競艶」を見学する
2015年 12月 20日
晴天とはいえ、北風は強く吹き、かなり肌寒さを感じる。
二子玉川あたりからは、白雪をいただいた富士山がくっきりと見える。
「上野の森美術館」にて開催中の「肉筆浮世絵・美の競艶」という
浮世絵の展示会を見学する。
個人コレクションの一部が、今回本邦初めて出展される。
千点以上に及ぶコレクションは、世界有数の規模と質を誇り、
その中から厳選された約130点が出品されている。
この展示会、すでに大阪と長野で開催されている。
4月13日~6月21日 大阪市立美術館
7月11日~10月13日 北斎館(長野県小布施)
江戸初期から明治にかけて、浮世絵の流れがわかるように展示されている。
勝川春草、喜多川歌麿、歌川豊国、葛飾北斎、河鍋暁斎など、
50人を超える絵師による、多彩な美人画が並ぶ。
版画浮世絵とは異なり、肉筆浮世絵は絵師が絹地や紙に筆で直接描く。
貝殻を砕いた胡紛を使って、白粉をはたくように
何度も薄く重ねることにより、白く滑らかな肌が描かれる。
筆で細かく描かれた髪の生え際やうなじの毛筋、睫毛、
唇の紅のぼかし、また薄い着物越しに透けて見える肢体など、
美人の色香を引き立てる精緻な表現が見事である。
華麗な衣装の文様まで、精緻に描かれている。
会場は美人画で満たされているが、特に目立つのが立姿美人画である。
展示作品から数点をご紹介。
喜多川歌麿の「西王母図」
歌麿としては珍しい、中国の伝説上の仙女を描いた作品。
最近発見された作品で、専門家により真筆であると鑑定された。
24葉あるうちの1葉。
見学者が見やすいように、薄型の陳列ケースを特別にあつらえている。
LED照明の採用はもちろん、薄型で面発光の有機EL照明を取り入れ、
透明度が高く反射の少ないアクリルパネルを使用している。
「上野の森美術館」での展示会は、
2016年1月17日まで開催されている。
浮世絵に興味のある方には、お薦めの展示会である。
美術館を出ると、すぐ目の前に十月桜の木が一本、
小さな愛らしい花を咲かせている。
なかなかありませんのに その鑑賞方法も
工夫を凝らしてあって いいですね
ご紹介の絵を 実際にみられたら
その細やかさに感動だったことでしょうね
コメントを有難うございます。
浮世絵の展示会は何度が見学していますが、
ほとんどの場合、版画のものでした。
まとめて肉筆の浮世絵がこれだけそろって見られたのは初めてです。
一点一点、特別に描かれた作品、どれも素晴らしい出来栄えです。
展示の方法も、新しい照明技術などを駆使しており、
見学者にも、より一層の感動を与えてくれます。
恥ずかしながら肉筆が有るなんてのも知りませんでした 版画に出ない色の微妙さ
繊細さ、奥ゆかしさ素晴らしいですね!
いいもの見せてくださってありがとうございました
コメントを有難うございます。
今回出展された作品はすべて肉筆、正真正銘の本物です。
実に素晴らしいです。
掛け軸に表装されているものが多く、枠取りに使われている
紗というのでしょうか、刺繍のある布地がまた素晴らしいです。