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池井戸 潤著「下町ロケット2 ガウディ計画」を読む

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池井戸潤さんの最新作を読む。
テレビで放映され最終回が終わったばかりの「下町ロケット」の第2作、
書き下ろしの作品「下町ロケット 2 - ガウディ計画」である。
東京大田区の一角で操業している佃製作所の物語。
第一部では佃製作所が開発したバブルシステムが宇宙ロケットに搭載され、打ち上げ成功。
その技術力が見事花を咲かせた。
この第二部では、ロケットではなく、医療機器への挑戦。
佃製作所の社長、佃航平はじめ、技術開発部の山崎光彦部長、
銀行出向からすっかり佃の金庫番となった経理部の殿村直弘部長が登場し、
外部からの圧力に屈することなく、懸命に仕事に取り組む。
また帝国重工、そして宇宙航空部開発グループを率いる財前道生部長も登場する。

小型で精度のすぐれた人工心臓の開発計画「コアハート」が進められているのだが、
心臓弁の役割を担うキーパーツである特殊バブルの製作が困難で、
日本クラインでは内製を断念し、外注に回したものの不具合が続く、
そんな状況で、佃製作所に開発依頼が舞い込み、
開発部門のスタッフは夜を徹して頑張り、ほぼ開発が終わった段階で、
話は急展開、システムの製造依頼は競合メーカーに決まる。
中小企業の悲しさ、弱い立場、佃は涙をのまざるを得ない。
福井にある北陸医科大学教授の一村隼人と「サクラダ」という会社の
桜田章が、ある日、佃社長を訪ねてくる。
桜田は福井でも指折りの経編(たてあみ)の経営者だったが、
弟に経営を任せ、一村教授との共同開発のために「サクラダ」を創設。
桜田は重い心臓病で一人娘を亡くしており、心臓関連の医療技術に興味を持っている。
一村教授は心臓病の手術を多く手掛けているものの、
生まれながらにして心臓疾患を患っている沢山の子供たちには、
現在医療現場で承認されている人工弁は大きすぎる。
それは海外で生産されているため、サイズが大きい。
心臓弁膜症で苦しむ子供たちに合ったサイズの人工弁を作る
プロジェクトに佃製作所も参加してほしいと持ち掛ける。

「サクラダ」から、スペインバルセロナにある「サグラダ・ファミリア」を連想し、
プロジェクト名を「ガウディ計画」と名付けた。
特殊繊維は「サクラダ」で開発し、佃には人工弁の弁葉とそれを収容する
リングの芯になるパーツの開発を依頼する。
別のところで開発したパーツを搭載した人工弁では血栓ができてしまい、
脳の血管に詰まって脳梗塞を引き起こしやすい課題があった。
内輪の加工方法や合金の種類、さらに弁との接合部分の処理方法など、
困難な技術的な問題があるが、佃はプロジェクト参加を決める。

結局「コアハート」プロジェクトは、偽装問題などが発覚、
刑事告訴にまで発展し、頓挫してしまう。
その一方で一村教授の「ガウディ計画」は見事完成し、
佃製作所で開発したパート搭載の人工弁により、
北陸医科大学病院での腎臓弁膜症の子供の手術も無事成功。
著者は本書を執筆するにあたり、
大阪医科大学の根本慎太郎先生から医学的なアドバイスを、
そして福井経編興業の高木義秀代表取締役専務から
経編技術のノウハウとともに中小企業のフロンティアスピリッツを
学ばせていただいたと書かれている。
第一作の「下町ロケット」同様、ドキドキわくわくの連続、
大変面白く興味深い、そして痛快な作品である。



Commented by banban0501 at 2015-11-17 12:24
下町ロケット 本のテレビも痛快でしたね

そして後半はガウディ計画とドラマも進展していますが
やはり 原作はぜひ読みたいとおもっていました

この本の紹介 うれしいです!!
Commented by toshi-watanabe at 2015-11-17 13:45
banbanさん、
早速コメントいただき有難うございます。
私も「下町ロケット」は原作を読みましたし、テレビドラマも楽しみました。
「ガウディ計画」も、テレビで放映されるようですね。
同じ配役になるのでしょう。
楽しみです。
Commented at 2015-11-20 11:28
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by toshi-watanabe at 2015-11-21 08:35
banbanさん、
了解しました。
どうぞご利用ください。
ガウディ計画編も、引き続きテレビ放送されるようねすね。
by toshi-watanabe | 2015-11-17 11:17 | 読書ノート | Comments(4)