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葉室 麟著「山月庵茶会記」を読む

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2013年から2014年にかけて、「小説現代」に連載され、
今回単行本として発刊された、
葉室麟さんの最新作「山月庵茶会記」を読み終える。
これまた素晴らしいい傑作で、ほとんど一気に読んでしまう。

「陽炎の門」、「紫匂う」につづく、「黒島藩シリーズ」の第3弾である。

九州豊後鶴ヶ江の黒島藩の柏木靭負(ゆきえ)が主人公。
かって靭負は黒島藩の勘定奉行を務め、400石の身分。
当時藩内を二分した派閥の一方の領袖として、
将来を期待されていたのだが、政争に敗れ失脚する。
妻の藤尾が36歳の若さで亡くなったのを機に、
親戚の松永精三郎を養子として、
奥祐筆頭、白根又兵衛の娘、千佳と娶せる。
そして家督を譲ると、突然致仕して京に上る。

京では表千家七代如心斎に師事し、やがて茶人としての名を成す。
孤雲と号し、京から江戸へ。

宝暦2年(1752)、16年ぶりに柏木靭負が帰国するところから
物語は始まる。
既に武士ではなく茶人としてのお国入りなのだが、
藩内では波風が立ち始める。

実は16年前、靭負の妻、藤尾には、靭負が藩の重要な使命を帯びて
江戸に赴いていた間に起きた
ひょんな出来事から不義密通の噂が藩内に広がる。
帰藩した靭負が藤尾に事の真偽を糺すのだが、
藤尾は何とも言い訳をせず、自害して果てる。
その後も靭負の頭から妻のことは頭から消えない。
靭負には、妻が自害した理由がどうしても納得できず、
真実を知りたいとついに帰国したものである。

柏木家の荒れ果てた別邸を普請して宿所兼茶室とする。
茶室には「山月庵」と名付ける。
以前関係のあった人たちを茶会に招き、
いろいろ話を聞きながら、
16年前、妻に何があったのかを明らかにしようと務める。

最後の場面が爽やかで実にすばらしい。
まさに葉室流である。


Commented by 高兄 at 2015-05-24 22:51 x
toshiさん、こんにちは

これまた、おもしろそうな御本^^

図書館で、探してみようかな~^^
Commented by toshi-watanabe at 2015-05-25 09:39
高兄さん、

コメントを有難うございます。
私はすっかり葉室麟にはまっています。
この小説も面白いです。
ぜひ手に取ってみてください。

Commented by 高兄 at 2015-06-07 21:05 x
toshiさん、再び、こんにちは

私には、初の葉室本だった「陽炎の門」

時代小説を読んでいると云うより

ひとつの時代劇を観ている様な

要所要所の、時代劇の韻を踏むあたり

絡めら糸が、すーっと解ける展開

最後に、一服の清涼感もあり

葉室氏は、円熟の作家さんですね

おもしろく、最後まで読ませて頂きました^^
Commented by toshi-watanabe at 2015-06-08 08:25
高兄さん、
コメント有難うございます。
葉室作品、大いに楽しまれたご様子、何よりです。 読む人をすっかり魅了してしまう力を秘めているのではないでしょうか。
「秋月記」が最初に読んだ葉室作品だと思いますが、その後は次から次と読み続けています。
すっかり葉室ファンです。
by toshi-watanabe | 2015-05-23 10:36 | 読書ノート | Comments(4)