秋晴れの一日、「北斎展」と国宝展」見学
2014年 10月 18日
朝から青空が広がり、澄み切った秋晴れとなる。
上野公園の上野の森美術館にて開催中の
「ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎」の
招待券を偶々頂いていたので、
朝から上野へ向かう。
上野公園を歩くと、「蜂に刺されないように」との
立て看板があちらこちら、目につく。
それでも大勢の人たちがあまり気にすることもなく歩いている。
上野の森美術館、既に入場者が列をなしている。
後で新聞で知ったのだが、この日入場者が10万人を突破、
10万人目の入場者には記念品贈呈。
結局30分近く待たされ、やっと館内に。
無論館内も見学者が多く、ゆっくりと見学できるものではない。
膨大な数の浮世絵を所蔵している米国ボストン美術館の
浮世絵コレクションの中から、約140点に及ぶ、
多彩な北斎の作品が里帰り。
実はこの北斎展、昨年暮れから今年にかけて、
名古屋ボストン美術館、神戸市立博物館、
そして北九州市立美術館分館にて巡回展示され、
この東京上野が最後である。
文化中期の団扇絵 「菖蒲に鯉」。
天保時代の富嶽三十六景から
「神奈川沖浪裏」。
「凱風快晴」(赤富士)。
「本所立川」。
北斎の娘、葛飾応為が描いた肉筆画も出展されている。
「三曲合奏図」。
この展示会は11月9日まで開催されている。
北斎展を見学し終えると、ちょうど昼時。
東京国立博物館に入り、本館横にあるレストラン
「ゆりの木」で昼食をとる。
ここはホテルオークラ系列で、美味しい食事がいただける。
さて腹ごしらえした後は、
前日始まったばかりの「日本国宝展」を見学する。
東京国立博物館にて開催される国宝展は今回が4度目、
「祈り、信じる力」をテーマにしている。
仏や神と人の心をつなぐ役割を担ってきた
絵画、彫刻、工芸、典籍などが出品されている。
平成26年9月1日現在、「保護法」によって指定された
重要文化財は、美術工芸品が10,624件、
うち872件が国宝である。
又建造物は2,419件が重要文化財、うち220件が国宝。
建造物と美術工芸品を合わせた有形文化財の
国宝は1,092件となる。
今回展示されるのは約1割に当たる119件である。
入場制限もなく、館内もそれほどの混み具合でなく、
比較的ゆっくりと見学できる。
会場に入って最初に目にするのは
奈良薬師寺の仏足石。
薬師寺で何度か見学している。
和歌山金剛峯寺の「仏涅槃図」(平安時代)。
京都宇治平等院の「雲中供養菩薩像」(平安時代)が二体。
「南14号」と「北13号」。
土偶。
「縄文のビーナス」を呼ばれる。
京都聚光院の「花鳥図」(室町時代、狩野永徳筆)。
京都智積院の「松に秋草図」(安土桃山時代、長谷川等伯筆)。
今回一番見たかった作品である。
京都狐篷庵の「大井戸茶碗 銘喜左衛門」(16世紀 朝鮮)。
三井記念美術館で見たことのある
「志野茶碗 銘卯花墻」(16~17世紀 安土桃山時代 美濃)
奈良興福寺の「多聞天立像」(平安時代)。
「薬師如来坐像」(平安時代、奈良国立博物館)。
「普賢菩薩騎象像」(平安時代、大倉文化財団)。
阿弥陀如来の両脇侍、「観音菩薩坐像」と「勢至菩薩坐像」
(平安時代、 京都三千院)。
三千院にて、何度か拝観している。
京都浄瑠璃寺の広目天立像(平安時代)。
奈良安倍文殊院の「善財童子立像」(鎌倉時代、快慶作)。
これも最も関心があり観たかったひとつ、
奈良元興寺、極楽坊の「五重小塔」(奈良時代)。
日本にある国宝の五重塔で最も小さく、
唯一屋内にある五重塔である。
出展作品の一部を紹介。
写真は主として目録からコピーさせていただいた。
貴重な日本の宝物をまじかに見られる絶好の機会である。