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山本 兼一著「ええもんひとつ」を読み終える

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山本兼一さんの「とびきり屋見立て帖」シリーズの第2弾の単行本、
「ええもんひとつ」を読み終える。
つい先日、読後感を書きこんだばかりの「千両花嫁」の続きで、
6点の作品から成っている。
「夜市の女」、「ええもんひとつ」、「さきのお礼」、「お金のにおい」。
「花結び」、そして「鶴と亀のゆくえ」の6編である。
但し、最後の「鶴と亀のゆくえ」(とびきり屋なれそめ噺(ばなし))は、
真之介が独立する前、からふね屋で二番番頭をしていた時代の話で、
物語が逆戻りしている。

「夜市の女」
真之介が独立する際、大変お世話になった桝屋喜右衛門からの依頼で、
真之介とゆずは黒楽茶碗と扇子を預かり、泥棒市とも呼ばれる夜市に出かける。
盗品を扱う市ではなく、贋物、筋のわるい品物などが出され、
昼間開かれる市である。 老舗の道具屋は足を踏み入れない。
楽茶碗も扇子も決して値打ちものではない。
ところがオークションにかかると、値段がどんどんつり上がり、
ゆずと同年配の若いが粋筋の女が百五十両で買い取る。
粋筋の女は、桂小五郎の身の回りを世話する、吉田屋の女将、幾松。

「ええもんひとつ」
坂本龍馬が京に舞い戻り、とびきり屋にやってくる。
龍馬から「道具を買う時の極意は?」と聞かれて、真之介は答える。
「道具を選ぶ極意は一番ええもんひとつだけ買うことです。
 安物は値崩れしますけど、とびきりええものは、けっして値崩れしません。」

香道家元で名門の公家である浮橋家で番頭を務め、青侍と呼ばれる
藤原老人の所に、色絵雉の香炉がある。
野々村仁清作の京焼、この香炉が欲しくて真之介が何度も通うが、
うまく行かず、ゆずの登場で、見事色絵雉の香炉を手に入れる。

「さきのお礼」
命を狙われている桂小五郎のために、とびきり屋の二階で、
いつでも着替えができる様に用意し、着替えの着物は吉田屋の幾松が届ける。

真之介とゆずは手代を連れて、清水への五条坂へ出かけた帰り、
三年坂下にある安井の金毘羅様にお参り、偶然、幾松と出会う。
ゆずはお願いする時はいつも先にお礼を言うことにしている。

「お金のにおい」
壬生村の郷士、秦野清左衛門の屋敷を新之助は訪れる。
朝鮮の焼物、3両の値打ちしかない十三個の壺を30両で買い求める。
ところがひとつの大きな壺は李朝官窯のものと、ゆずは目利きする。
描かれた竜の爪が5本あることから判断。
対馬屋敷に持ち込むと、200両で売れる。

手代の牛若が目利きのことを訪ねると、
ゆずは答える「一朝一夕に目利きになると言われても難しいが、
ひとつ覚えといたら、ええことがあるえ。
ほんまに、ええ道具というのんはなあ、お金のにおいがするええ」。

「鶴と亀のゆくえ」
茶の湯の東の家元の手元にあった双幅の「伝狩野永徳 鶴亀図」
見事な水墨画の掛け軸のうち、亀の図の掛け軸を、馬鹿な若宗匠が
芸妓との遊びに必要な金のため売りさばいてしまうのが発端。
かりがね屋の善右衛門に話があり、二番番頭の真之介が買い戻しに駆け回る。
掛け軸は西の家元のところにあり、新之助が苦労算段し、
無事亀の図を買い戻し、双幅がそろう。

恋仲のゆずを嫁にしたいと、新之助は
善右衛門に話を切り出すものの、怒りを買ってしまう。
やっとのことで、千両箱を結納金として持参したらとの話になるところで
物語は終わっている。
Commented by amtask at 2014-10-09 01:48
ご無沙汰しています。
↓の水墨画、素晴らしいですね。
特に如来像のお顔、顔が命、素晴らしく描かれています。

私は今、水彩画とアクリル画を描いているのですが、
水彩画は修正や、塗り直しができないので、彩色の時緊張します。
水簿画は、昔私も3か月だけ習いましたが、あきらめました。
Commented by toshi-watanabe at 2014-10-09 08:23
amtaskさん、
コメントいただき有難うございます。
此方もすっかりご無沙汰しています。
水墨画もご存知の通り、修正はききませんので、かなり集中力が必要です。 これから仏画を少し描いてみたいと思っています。
by toshi-watanabe | 2014-10-08 09:53 | 読書ノート | Comments(2)