葉室 麟著「無双の花」を読む

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またまた葉室作品である。
単行本として2年半前に出版されている著書、
つい最近、文春文庫として出される。

読み始めて、あれと思う。
主人公の名前、別の作品で登場していたのを思い出す。
立花宗茂と正室のぎん千代(「ぎん」にあたる漢字が
ミクシィでは表示できないので、ひらがなで表示。
門構えに言が入る漢字である。)

山本兼一の著書「まりしてん ぎん千代姫」に
同じ主人公が登場する。
単行本の発行日で見ると、葉室作品が2012年1月、
山本作品は同年12月だが、雑誌に連載が始まったのは
2010年11月。
ほぼ同じころに書かれていると思われる。

山本作品では、摩利支天のようだと表現されている
ぎん千代姫が主人公であるのに対し、
「無双の花」は立花宗茂半生の物語である。

宗茂、幼名千熊丸は豊後大友氏の家臣、高橋紹運の長男として生まれ、
15歳の折りに大友氏の重臣、(あえて立花を名乗らず)戸次道雪の
娘で13歳のぎん千代の婿養子となり、立花山城主となる。
秀吉の九州平定の戦功により柳川(山本作品では柳河城)の大名に
大抜擢されるが、関ケ原の合戦では西軍に加担したため改易、
その後は浪人の日々を送る。
時を経、20年後に旧領柳川の大名に奇跡の復活を遂げる。
徳川2代将軍、秀忠、3代将軍、家光の側近として活躍の場を得る。

ぎん千代は若くして病を得、夫の宗茂に永別の言葉を告げる。

「お前様は西国無双の武将にございます。
 必ずや返り咲いて、だれにも負けぬ
 無双の花と咲かせてくださりませ」と。

ぎん千代が亡くなる直前、盗賊に襲われた
公家の幼い姫君を助ける。
この姫君、菊子がのちに宗茂の側室となる。

伊達家の家臣、片倉小十郎に真田信繁の遺児を
託す場面など感動的な場面である。
因みに立花宗茂、真田信繁(大阪夏の陣で最期を
遂げた真田幸村)、伊達政宗は同年生まれという。

お勧めの一冊である。
by toshi-watanabe | 2014-07-30 08:47 | 読書ノート | Comments(0)