山本 兼一著「赤絵そうめん」を読む

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山本兼一の「赤絵そうめん」を読み終える。

本年2月に他界された山本さんの作品を纏めて
この5月に単行本として文芸春秋から出版された
「利休の茶杓」の読後感を書いたばかり。

既に紹介した通りだが、「オール読物」に連載された
「とびきり屋見立て帖」のシリーズ作品である。
幕末の京都を舞台に、道具屋「とびきり屋」の若夫婦を
巡る波乱万丈の筋書きからなっている。
「利休の茶杓」実はこのシリーズの4冊目であり、
その前に3冊がすでに単行本として出ている。

その3冊目が「赤絵そうめん」、3年前に出版されている。
因みに、つい最近6月に文春文庫として、文庫版も出ている。
読む順序が逆になったのも致し方なし。

秀吉の戦国時代、武将から商人となり、
数代にわたり、商いで莫大な財産を手に入れ、
両替商でもある大商人なった銅屋(あかがねや)が登場する。
茶人でもある当主の吉左衛門が
数寄者がのどから手の出るほど欲しい
万歴赤絵の鉢を手放したいという所から話は始まる。
銅屋の蔵の話は「利休の茶杓」に続く。

「赤絵そうめん」、「しょんべん吉左衛門」、「からこ夢幻」、
「笑う髑髏(しゃれこうべ)」、「うつろ花」、「虹の橋」と
6編の作品で構成されており、
いずれも「オール読物」に2010年から2011年にかけて
連載された作品である。

最後の「虹の橋」に特に感銘を受ける。
作者の眼力が実に素晴らしく、卓抜していると思う。
主人公の真之介とゆずの若夫婦の意気はぴったり合い、
ゆずの目利きは真之介のそれを凌ぐように
描かれているのが面白い。
このシーズの1作目と2作目も今度読むつもりである。
文庫本が出ている。
by toshi-watanabe | 2014-07-20 09:47 | 読書ノート | Comments(0)