折々の記

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「ファインバーグ・コレクション展」を見学する

過日、「ファインバーグ・コレクション展ーー
江戸絵画の奇跡」を見学する。
会場は大相撲でおなじみの両国国技館の
すぐ隣り、「江戸東京博物館」。
この博物館の開館20周年を記念する
特別展として開催されている。
既に5月21日から始まり、7月15日に終了する。
このあと地方にて開催予定。

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米国メリーランド州にある「ファインバーグ・コレクション」は、
米国屈指の日本美術コレクターであるファインバーグ夫妻が
一代で蒐集した、江戸絵画を中心とする日本美術コレクション。
狩野派や土佐派など官画派の保守的な作品が
ほとんど含まれず、江戸時代の民間画派の自由で
活気に満ちた肉筆画の作品が中心。

尾形光琳、酒井抱一らの琳派、
池大雅、与謝蕪村、谷文晁らの文人画、
円山応挙、呉春らの円山四条派、
伊藤若冲、曾我蕭白らの奇想派、
そして菱川師宣、葛飾北斎らの浮世絵と、
内容は実に多彩、質が高い作品、90件が
選び抜かれ、まさに百花繚乱の
江戸絵画の世界を繰り広げている。

会場に入ると、
ファインバーグ夫妻ご挨拶のボードが目に入る。
その中にこんな一文がある。

 「日本の皆様へ
  1970年代にニューヨークに住む二人の若いアメリカ人
  であった妻のベッツィーと私の目を開いてくれたものは、
  日本の江戸絵画でした。
  私たちには、わずかなお金しかなく、市内にある
  メトロポリタン美術館という、素晴らしい美術館は
  無料で入ることができました。
  この美術館で初めて日本美術に出合い、
  目が奪われ、心が震えるほど美しく、
  魅力的なまったく新しい世界を発見することができました。
  それから40年あまり、私たちは江戸絵画や屏風の
  研究と蒐集を通して、日本の歴史、文化、芸術に
  至るまで開眼させられました。
  今回、日本の皆様と私たちのコレクションの一部を
  分かち合うことができ、大変嬉しく思っています。
  皆様が自国の江戸時代の絵画を楽しまれ、
  私たちと同様に、喜びと感動を感じて
  頂けますと幸いです。
  (ロバート&ベッツィー・ファインバーグ)」

第1章は「日本美のふるさと 琳派」

「虎図」 (俵屋宗達)

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「十二ヶ月花鳥図」 (酒井抱一)
5月と7月

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「群鶴図屏風」 (鈴木其一)

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第2章は「中国文化へのあこがれ 文人画」

「孟嘉落帽・東坡載笠図屏風」 (池大雅)

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与謝蕪村の先品に目を奪われる。
「寒林山水図屏風」二曲一隻

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蕪村の「竹斎訪隠図屏風」も素晴らしい。

「秋夜名月図} (谷文晁)

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谷文晁の「富士真景図」も素晴らしい。
また山本梅逸描く山水画「畳泉密竹図」がいい。

第3章は「写生と装飾の融合 円山四条派」

「孔雀牡丹図」 (円山応挙)

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円山応挙の「鯉亀図風炉先屏風」が素晴らしい。
特に鯉が生きているよう。

「滝に松樹遊猿図」 (森狙仙)

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例外的に明治以降の作品が数点。
一点は竹内栖鳳の「死んだ鶴図」。

第4章は「大胆な発想と型破りな造形 奇想派」

「鯉図」 (葛蛇玉)

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「松図」 (伊藤若冲)

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若冲の作品、「菊図」三幅も展示されているが、
二幅はコレクションからの出品で、一幅は日本国内の個人所有物、
今回特別に出品される。

「宇治川合戦屏風図」 (曽我蕭白)

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長沢蘆雪の「拾得・一笑・布袋図」三幅は微笑ましく、
楽しく、素晴らしい傑作である。

第5章は「都市生活の美化 理想化 浮世絵」

「松風村雨図」 (磯田湖龍斎)

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「遊女と蛍図」 (鳥文斎栄之)

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20代のころの酒井抱一描く浮世絵も一幅、出品されている。

「源頼政の鵺退治図」 (葛飾北斎)

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江戸時代の絵画をゆっくり見学できる。
米国のコレクションが、こうして里帰りし、
一般公開されるのは、実に有難い事。
ファインバーグご夫妻に感謝したい。
Commented by 桃花 at 2013-06-29 15:57 x
ありがとうございました
行きたかったのにいけないでいました
見せていただけてほんと嬉しかったです!
Commented by semineo at 2013-06-30 00:36
こんばんは
素晴らしい江戸絵画ですね。
日本から海外に渡ってしまった日本絵画の数々を、
こうして里帰りして見ることが出来るのも、有難い事ですね。
Commented by toshi-watanabe at 2013-06-30 10:48
桃花さん、
コメント有難うございます。
実物を見られたら、なおよいと思いますが、
忙しそうですね。
Commented by toshi-watanabe at 2013-06-30 10:49
semineoさん、
素晴らしい江戸絵画の作品が、こうしてみられるのは本当に有難い事です。
水墨画は勉強になります。
Commented by amtask at 2013-07-06 15:51 x
こんばんわ。
絵画や美術品、個人の所有であっても、
皆でその美や感動を共有しようというファインバーグご夫妻は、
素晴らしい方だと思います。
日本で生まれた美術品が日本に里帰りし、日本人の方が鑑賞できて良かったです。
私も観たかったけど、こうして写真で観られるだけも幸運でした。有難うございました。
Commented by toshi-watanabe at 2013-07-12 08:13
amtaskさん、
コメントいただき有難うございます。
SNSミクシィの知り合いが、この特別展を日記で紹介され、これは観に行かねばと、やっと見学に訪れました。
期待した以上の作品群で、多いの堪能しました。これだけの作品を保存され、立派なご夫妻だと思います。こうして里帰りした作品が観られたのは本当によかったです。
by toshi-watanabe | 2013-06-29 14:20 | 一般 | Comments(6)