今年もキルト展へ

東京ドームで開催の東京国際キルトフェスティバル、
「布と針と糸の祭典 2013」を見学に訪れる。

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昼前11時ごろ入場するが、
すでに大勢の見学者で場内は混雑している。

ドームのグラウンドが会場となっている。
アリーナステージでは、会期中毎日、
トークショーが行われ、丁度水前寺清子が登場。
水前寺自身も作品を「わたしの”手仕事”スタイル」の
コーナーに出展している。

メインの会場は日本キルト大賞受賞作品の
展示を中心に、プロのキルト作家の新作を挟んで、
一般応募から入選した作品を、
創作キルト部門、トラディショナルキルト部門、
和のキルト部門、額絵キルト部門、バッグ部門、
ジュニア部門と部門ごとに展示されている。
特別企画として「ふたりの婦人の物語」、
ターシャ・テューダーとルーシー・ボストンの特別展示。
また「わたしの布あそび」と特別企画
「野良着2000つぎ」のコーナーがある。

さらに外側にはNHK主催の「パートナーシップキルト」
の作品がずらっと並んでいる。
一般の方から11,500枚を超えるブロックが寄せられ、
89枚のキルトにまとめられている。
染・織工房、古布などの店がまたずらりと並んでいる。

今回の「キルト大賞」コンテストへの応募昨j品は
総数1,520点に上る。 
海外からの応募は35点。
写真による第一次審査でパスしたのが599点、
さらに実物による第二次審査により、
最終的には384点が入選し、出展されている。


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「日本キルト大賞」受賞作品、
「シャイニング・ツリー(Shininng tree)」
森田圭子(富山県)さんの作品である。
丸裸だった広葉樹が春になり、次第に若葉を身に着け、
大空に向かって逞しく生きる姿に、深い感動を見せて
くれる木を、心で感じ取った色彩で描かれている。

(審査評): 木を下から見た構図に迫力があり、
とても力強さを感じる作品。
グレーの中枠で、ボーダーへとはみ出した枝が、
キルトの境界を越えて真っ直ぐに伸びてゆく、
植物の静かな生命力を感じる。
葉を揺らす風、枝の重なりからこぼれ落ちる
光さえ見えるように見えるのは、
作者の細部にいたるまで計算しつくされた賜物でしょう。
ミシンテクニックも素晴らしく、木にかかる光の変化も
ミシンステッチで色を変えるなど、繊細な表現も素晴らしい。
これだけの大きさにもかかわらず、
作品に歪みもなく凛とした姿勢も気持ちのよい仕上がり。


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「準日本キルト大賞」受賞作品、「赤がすき!!(I Love Red!)」
藤田よし子(大阪府)さんの作品。
作り続けられる幸せを感じながら、1年に1枚のキルト製作と
コンテストへの挑戦を楽しみにされている。
今回のテーマは好きな「赤」。
「赤」って目が疲れるし、大きい作品の
キルティングは大変! 
それでも元気と幸せを運んでくれる赤が好き!!
と書かれている。

(審査評): 幾何学的に配された中央部分と、
曲線的でリズミカルにめぐる草木ボーダーが
目に心地よい作品。
誰もが見て美しいと感動する作品。
三色ですっきりした印象の中に、
作者のメッセージが含まれている。
ピースをアップリケするのを忘れているように
見える部分がある。
神様に敬意を表す意味で、
どこか一箇所に欠けた場所を作るという
言い伝えがあるが、これだけ綺麗に
計算された作品に、その部分を見つけて
少しホッとした。


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「ハンドメーキング賞」受賞作品、「花の歌・風の色
(Flowere`s song, Wind`s color)」
古池裕子(神奈川県)さんの作品。
白い色で表現することが多いブティですが、
カメオ細工のように空間に色を加えて、
細やかさが際立つように工夫された。
繊細なのに情熱を秘めている・・・・
そんなブティに魅せられて、十数年作り続けておられる。

(審査評): ブティの作品で、ほのかなグリーンの色に
白く浮き上がるデザインが素晴らしく、
バランスが取れている。
細かい縫い目に、丁寧にひとつずつ詰めていく作業は、
膨大な時間がかかった事と思う。
詰め方の分量で、作品に歪みが出てしまうことがあるが、
そのような事もなく綺麗な仕上がり。


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「フレンドシップ賞」受賞作品、「Heart of Mine」
南久美子《福岡県)さんの作品。
不安な事や暗い話が多い今、思わず笑が出るような
楽しいキルトを作ろうと思われた。
音楽は万国共通、誰もが楽しげな音を感じられるようにと、
心を込め、最後まで楽しいキルト作りになったと書かれている。

(審査評): 楽しそうな奏者たちを見ていると、頬が自然に
ゆるんでくるのがわかる。
聞こえてくる音楽は、見る人にゆだねられるが、
音量はボーダーの細かなピースワークで表現
されているように思える。
また、ボーダーのパターン(ダスティーミラー)が、
中央のデザインとマッチし、変形させた事で
作品に動きが出ている。
このパターンを選ばれた事が素晴らしいと思う。


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「トラディショナルキルト部門」、1位入賞作品。
「庭仕事の愉しみ」で、作者は丹羽純子(愛知県)さん。


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2位入賞作品、「素敵な15才 - sweet fifteen」
作者は浜場美由岐(兵庫県)さん、


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3位入賞作品、「初孫の誕生」。
作者は松村章子(長野県)さん。


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「創作キルト部門」一位入賞作品。
「丸にこだわる」、作者は大野恵子(千葉県)さん。
二枚の布をそれぞれランダムに丸く切り抜き、
重ね合わせた、楽しい模様が全体のデザインにも・・・。


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2位入賞作品、「Believe II」。
作者は野畠玲子(富山県)さん。
人は何をする時にでも、立ち止まってしまう時がある。
そんな時には、自分の中の自分を信じみよう。
勇気をもって進んでみよう。


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3位入賞作品、「猫町2丁目1番地」。
作者は鈴木なを子(北海道)さん。
萩原朔太郎の「猫町」がヒント。
クスッと笑える猫町。


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「和のキルト部門」1位入賞作品。
「HONO」、作者は加藤玉枝(愛知県)さん。
素地は藍染、絣、絹、ウール、麻といろいろ。
和モダンを意識して。


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2位入賞作品、「残りの春」。
作者は植松章子(山形県)さん。
山形と仙台をつなぐ関山峠、
おそい春、みどり一面の山肌にひっそり咲く山桜。


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3位入賞作品、「こい」。
作者は金森八代子(愛知県)さん。
公園の池で、元気に泳いでいるこい。


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「額絵キルト部門」1位入賞作品。
「土の鼓動」、作者は染野昌子(茨城県)さん。
陶器で名高い益子町で出会った素朴な柿渋染めの糸を
作品に生かした。
土の温かみと力強さをイメージし、
自然への思いを表現。


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2位入賞作品、「白樹林」。
作者は木村恵子(北海道)さん。
厳しい寒さの中、樹林の森の白のまぶしさ。
美しさは荘厳でさえ感じる。
色を使わず、明暗だけで表現。


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3位入賞作品、「朝市」。
作者は森澄子(高知県)さん。
夜明けが遅い、ドイツの冬。
フライブルクの朝市。
所々に縫いのある古い藍染めの布や着物生地の力を借り、
布絵を創り、アクシデントの多かった旅を思い出しながら、
キルティングを加えて仕上げた。


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「ジュニア部門」1位入賞作品。
「Ichigo`s graffiti」、作者は岡村一吾(神奈川県)さん。


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2位入賞作品、「また 行こうネ11」。
作者は竹中菜緒(兵庫県)さん。


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3位入賞作品、「祈り」。
作者は東広島松賀中学校 家庭科部6名」。


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優秀賞作品、「春のめざめ」。
作者は鹿野保子(長野県)さん。
陽光が樹木の芽吹きを誘う頃、
信州の里は梅、杏、桜、桃の花と次々に
辺りをピンク色に染め、心浮き立つ有様。
森や林を吹き抜ける風の様に、
山桜の雄々しく優しい姿を表現。


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片桐好子賞作品、「古代蓮」。
作者は中村ひろ子(埼玉県)さん。
光・風・雨・塵・・・・天の恵みと試練を受けながら、
ダイナミックに葉をまとい
楚々と咲く、この美しい花の魅力を
布にペイントして縫い上げる。


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優秀賞作品、「朝日影の海」。
作者は大塚美枝子(東京都)さん。
朝日の光がさしこんだ海底で泳いでいる蛸を表現。
つぶらな瞳はアプリケ、吸盤はヨーヨーキルトで、
カラフルな色使い、ダイナミックな蛸を表現。


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奨励賞作品、「寿ぎの風 #3」。
作者は古川範子(青森県)さん。


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奨励賞作品、「あなたの思い出の童謡(うた)は何ですか」
作者は木戸文(埼玉県)さん。


上記は入賞作品の一部。

「わたしの布遊び」コーナーには、
キャシー中島や黒羽志寿子など著名作家8人のブースが
設けられている。
その一つ、鷲沢玲子のブースに、三浦百恵の作品が1点
展示され、大勢の見学者で一杯。

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作品は「花占い」。
「すき」「きらい」をくり返す日本の花占いでなく、
ユーモアとチクリとした毒と真剣さを折り交ぜた
フランス語の花占いを楽しく感じてた。
以前、旅先のフランスで一目惚れした
美しいリボンが、リズム感を出してくれた
と書かれている。

「野良着2000つぎ」などについてはまた纏めてみようと思う。
Commented by semineo at 2013-01-31 21:58
こんばんは
私も29日に行って来ました。
素晴らしい布の芸術、
どれも絶賛したくなる作品ばかりで、素敵でしたね。
根気と発想のセンス、更に器用さ、凄いの一言です。
Commented by アンばーば at 2013-01-31 22:00 x
すばらしいキルト展アップしてくださって有難うございます
どれも絵画そのものですね 評価もつけてくださってるのでとてもよくわかりました 百恵さんの作品もいいですね~ 何かに秀でてる人は何をされてもちゃんとできるんですよね! 
田舎にいながらおかげで雰囲気じっくり味合わせてもらえました 
Commented by toshi-watanabe at 2013-02-01 08:33
semineoさん、

やはり出掛けられたのですね。
本当に素晴らしい布の芸術です。
丸1年かけて仕上げられた作品もあるようで、
根気のいる手仕事だと思います。
Commented by toshi-watanabe at 2013-02-01 08:36
アンばーばさん、

ご訪問いただき、またコメントいただき有難うございます。
紹介したのはまだ一部の作品で、ほかにも素晴らしい作品が数多く展示されていました。
Commented by banban0501 at 2013-02-01 14:40
みなさんすごい力作です

毎年 このキルト展のブログアップ
楽しみにしていますが
今年は写真も綺麗で 高評も掲載されているので
じっくりと楽しみことができました

ほんとうにうれしくなるブログ記事ですよ♪
Commented by toshi-watanabe at 2013-02-02 08:44
banbanさん、

コメント有難うございます。
まことに力作ぞろいです。
見学者の合間を縫って、写真を撮りますので、結構大変なんです。 縦の長いほうが200センチから250センチもある大作が多いので、全体をとるのは至難の業です。 それでも今年はよい写真が撮れたと自分でも思っています。
Commented by Jun at 2013-02-12 01:05 x
日本でこういう作品展があるのを知りませんでした。 
日本人の友人でキルトやってた人が沢山いるのですが、アメリカのものだと思っていました。  でも日本人の方が元々手先が器用ですから(センスもいいし)、ずっと良い物が出来ますよね~ ^^

個人的に「これがいい!」と思うのが何枚もありました。
でもどれも皆力作ですね。 素晴らしいです。
Commented by toshi-watanabe at 2013-02-12 08:50
Junさん、

コメントいただき有難うございます。
キルトはもともと米国が本家本元、あるいは欧州かもしれませんが。 米国キルトは、トラディショナルで素晴らしいものが多いようですね。 日本のキルトはクリエイティブな形に変わりつつあるように思います。 以前フィラデルフィア近くのアミッシュの村を訪れて、色々なキルトを見学したことがあります。
Commented by 桃花 at 2013-02-20 21:44 x
見事な作品ばかりで楽しくなりました
友人のひとりも趣味でしていて、毎年東京ドームへ行きますが、この日記を拝見して、毎年行く友人の気持ちがわかった気がしました
来年は桃花も行こうかしら~
Commented by toshi-watanabe at 2013-02-21 10:11
桃花さん、

コメント有難うございます。
素晴らしい作品ばかりで、見るだけでも楽しくなります。
布きれだけで、見事な仕上がり、感嘆するばかりです。
モダンなデザインの作品もいいですね。
by toshi-watanabe | 2013-01-31 15:57 | 一般 | Comments(10)