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春爛漫の奈良を訪れる(その1)

4月8日から2泊3日の旅程で古都、奈良を訪れる。
時まさに春爛漫、好天にも恵まれる。

名古屋駅前からバスで奈良へ向かう。
最初の訪問先は、奈良県の大宇陀である。
大宇陀にある本郷の滝桜を見学する。
又兵衛桜とも呼ばれている。

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大阪の役で西方の武将として活躍した後藤基次(又兵衛)が、
豊臣家再興を夢見て暮らしていたのが大宇陀の地、
後藤家の屋敷跡に立っているのが、このしだれ桜。
誰いうとなく又兵衛桜と呼ばれるように。
樹齢300年の枝垂れ桜、根元の幹まわりは3メートルばかり。
地元でしか知られていなかった又兵衛桜は、
2000年に放映された大河ドラマ「葵徳川三代」の
オープニング場面の画像として映し出され、全国に知れ渡る。

今年初め、87歳で他界された日本画家の小泉淳作さんが、
最晩年5年がかりで完成させたのが、奈良東大寺本坊の襖絵。
40面の襖絵のうち12面は桜をモチーフに描かれているが、
3種類の桜で構成されている。
「東大寺本坊の桜」、「吉野の桜」、そして又兵衛桜をもとに
描かれた枝垂れ桜である。

今年の冬は異常気象で例年よりも長く寒い時期が続き、
桜の開花がどこも遅れ気味。
この又兵衛桜も例外ではなく、例年なら満開の時期を
迎えているはずなのに、残念ながらまだ蕾のまま。
見事な枝垂れ桜は見られず、ただ満開時を想像するのみ。

次いで長谷寺を訪れる。
前回は一昨年、牡丹の季節に訪れている。
真言宗豊山派の総本山として、
また西国三十三所第八札所として信仰を集めている。

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ご本尊は十一面観音立像。
十一面観音としては、珍しく錫杖を持ち、長谷寺式十一面観音像の
特色となっている。

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国指定の重要文化財、木造漆箔、像高は1018㎝と最大級の仏像。
室町時代、天文7年(1538)の作。
像内部は複雑で、前後左右に貫を通すなど堅固に組まれている。
国宝本堂は徳川三代将軍家光公の寄進により建立されたもの。
入母屋造の正堂と礼堂からなる双堂(ならびどう)形式で、
前面に懸造りの舞台がついている。
ここからの眺めは天下一品。
五重塔も望める。

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花の寺として知られ、桜のほかに山茱萸(さんしゅゆ)の花が咲いている。
福寿草の花もまだ見られる。

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初日はここまでで、奈良市内へ向かう。
市内のホテルに入る前に、割烹「東吉」で懐石風大和料理の夕食をとる。


二日目の朝は、宿からすぐ近くの奈良公園へ。
氷室神社を訪れ満開の桜見物。
ここは初めてである。

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白木蓮も満開。

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このあと2時間ばかりフリータイム。
各自好きなところを回る。
東大寺の南大門で記念撮影。
鹿せんべいが売られ、台湾、中国、東南アジアからの観光客が
鹿を相手に大騒ぎ。

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山門としては日本一大きい南大門、圧倒される大きさである。
左右にそびえたつ金剛力士像(国宝)は見事である。
檜材木造、彩色、像高は阿形像が836㎝、吽形像が842cm。
鎌倉時代の作で、運慶、快慶をはじめ慶派の仏師により造立。
通常、向かって右側に口を開いた阿形像、左側に口を結んだ吽形像が
安置されるが、南大門の金剛力士像は
左右が逆に安置されている。
珍しい配置である。

昨年オープンしたばかりの東大寺ミュージアムを訪れる。
法華堂(三月堂)が現在修復作業中で、
ご本尊の不空検索観音菩薩坐像が、
東大寺ミュージアムのメインホールに安置されている。
朝一番でミュージアムに入ると、
丁度僧侶が朝のお勤め、読経をされているのに巡りあう。
しばらく静かに目を閉じ、読経に耳を傾ける。

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不空検索観音菩薩坐像の頭上から、宝冠が取り外され、
現在宝冠が別途展示公開されている。
以前暗い法華堂の中で拝顔した時とは異なり、
ゆったりとした広い空間で、宝冠なしの菩薩像、
印象が全く異なる。

国宝で、奈良時代、8世紀の作。
像高は362㎝、材質は脱活乾漆造。
目が三つ、腕が8本の3目8臂。
本来異様となるはずだが、この仏像は自然な顔立ちで、
それが不思議な魅力を備えている。
宝冠は千数百個の玉で飾られている。

東大寺ミュージアムを出て、
奈良公園内を散策する。
興福寺の五重塔。
京都東寺の五重塔に次いで2番目に高い五重塔である。

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奈良公園を後に天理へ向かう。
Commented by semineo at 2012-04-15 00:17
こんばんは
春の奈良へご旅行でしたか、
又兵衛桜は残念だったようですが、奈良公園の桜は見事ですね。
仏像好きなwatanabeさんには自由時間は貴重でしたね。
写真でしっかりと仏像を眺めさせて頂きました。
Commented by toshi-watanabe at 2012-04-15 11:10
semineoさん、

奈良の旅を楽しんできました。
このあと、その2、その3と書きますので、
時間あればご訪問ください。
by toshi-watanabe | 2012-04-14 15:11 | 旅行 | Comments(2)

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