特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」を見学

4月の初め、上野公園、東京国立博物館の平成館で開催中の
特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」を見学する。
折りから桜も咲きほころび、春爛漫の好天に恵まれ、
平日とは言え大勢の花見客でにぎわっている。

博物館にも大勢来られているが、
入場待ちの列もなく、そのまま展示会場へ。

d0037233_1534219.jpg


「まぼろしの国宝、ニッポンに帰る」とサブタイトルが付けられている通り、
仏像、仏画、絵巻、中世水墨画、近世絵画など約90点、
えりすぐりの作品が出展されている。
ボストン美術館は「東洋美術の殿堂」と言われ、
100年以上にわたり日本美術の収集にあたってきた。
アーネスト・フェノロサ、岡倉天心などが尽力、
既に10万店点を超える日本の美術品を保存している。

東京国立博物館140周年の特別展でもある。
この特別展は6月10日まで開催された後、
名古屋ボストン美術館にて、本年6月23日から9月17日までと、9月29日から12月9日まで、
九州国立博物館にて、来年1月1日から3月17日まで、
そして大阪市立美術館にて、来年4月2日から6月16日まで開催される。

展示会場は、プロローグに始まり、
第1章、「仏のかたち、神のすがた」、
第2章、「海を渡った二大絵巻」、
第3章、「静寂と輝き -- 中世水墨画と初期狩野派」、
第4章、「華ひらく近世絵画」、
第5章、「奇才、曽我蕭白」、
そして第6章、「アメリカ人を魅了した日本のわざーー刀剣と染織」。

第1勝には4点の仏像と17点の仏画が展示されている。
ひときわ輝いているのが、
慶派の大仏師、快慶作の弥勒菩薩立像。

d0037233_15362285.jpg


像内に納められている経典の奥書により、鎌倉時代、
文治5年(1189)に造立されたものと判明。
豊かな表現で素晴らしい仏像である。
檜材、割矧造り、玉眼、像高は106.4cm。

菩薩立像。

d0037233_15404952.jpg


檜材、一木造、彩色、像高は176.5cm。
平安時代、8世紀末~9世紀初めの作。

地蔵菩薩坐像。

d0037233_15424632.jpg


鎌倉時代、元享2年(1322)、円慶の作と言われる。
檜材、寄木造り、彩色、玉眼、像高は82.6cm。

第2章では、「吉備大臣入唐絵巻」と「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」の
素晴らしい絵巻が出展されている。
このコーナーが最も込み合い、じっくりと観られない状況。

d0037233_15512952.jpg
d0037233_15514065.jpg


「吉備大臣入唐絵巻」は平安時代、12世紀後半の作。

「平治物語絵巻」は鎌倉時代、13世紀後半の作。
この絵巻は十五巻近い大作であったといわれるが、
現存するのは三巻のみである。
ボストン美術館保有で今回展示された「三条殿夜討巻」のほかに、
二巻が日本国内にある。
この二巻も、今回の特別展に合わせて一般公開される。
「六波羅行幸巻」(国宝)は4月17日から5月27日まで、
東京国立博物館の本館2室にて展示される。
「信西巻」は4月j14日から5月20日まで、
静嘉堂文庫美術館にて展示される。

第3章では、狩野元信などの水墨画が出展されている。

祥啓筆の「山水図」。
室町時代、15世紀末~16世紀初めの作。

d0037233_1615123.jpg


狩野元信筆の「白衣観音図」。
室町時代、16世紀前半の作。

d0037233_1625255.jpg


伝狩野元信筆の「韃靼人狩猟図」。
室町時代、16世紀前半の作。
日本初公開、静嘉堂文庫蔵の「韃靼人打毬図屏風」とともに、
もとは大徳寺興臨院の襖絵であったのではと言われている。

d0037233_166553.jpg


第4章では、長谷川等伯、尾形光琳、伊藤若冲、狩野探幽などの作品が見られる。

等伯の「龍虎図屏風」。
江戸時代、慶長11年(1606)、晩年の作品。

d0037233_16175370.jpg
d0037233_1618954.jpg
d0037233_16181425.jpg


光琳の「松島図屏風」。
江戸時代、18世紀前半の作品。

d0037233_16195165.jpg


若冲の「十六羅漢図」、16幅のうち4幅。
江戸時代、18世紀後半の作。

d0037233_16111479.jpg
d0037233_16112180.jpg
d0037233_16113281.jpg
d0037233_16113937.jpg


第5章は今回の特別展で、最もインパクトの大きかった
曽我蕭白の作品、11点が出展されている。
スケールの大きさに圧倒される。

「雲龍図」は宝暦13年(1763)、蕭白34歳の作品。
1911年、ボストン美術館に収められた時、
すでに襖から剥がされた状態にあった。
最近修繕作業が終わり、パネルに張り付けた形で、
今回初めて公開される。
元々、寺院の襖絵と考えられる。
左側と右側が展示されている。
中央部分は喪失したとみられる。
その一部。

d0037233_16293754.jpg


同じく蕭白の「虎渓図屏風」。
江戸時代、18世紀後半の作品。

d0037233_1631149.jpg


いずれも素晴らしい、貴重な作品ばかりである。

平成館での見学を済ませた後、
法隆寺宝物館に立ち寄る。
節電のせいか、館内は暗く、手探りで館内を見学する。
数多くの菩薩像が展示されている。

宝物館の正面には、しだれ柳が芽を吹いており、
緑が目を休ませてくれる。

d0037233_16361679.jpg
d0037233_16362589.jpg
d0037233_16364113.jpg


開放されている本館の裏側、庭園も散策する。
桜の花もほぼ満開。
大根の花に似た花が咲いている。
移築された九条館と茶室の「転合庵」も見られる。

d0037233_16391132.jpg
d0037233_16393479.jpg
d0037233_16394035.jpg
d0037233_16395931.jpg
d0037233_1640616.jpg
d0037233_16402456.jpg
d0037233_16402911.jpg
d0037233_16404899.jpg
d0037233_16405428.jpg

Commented by 桃花 at 2012-04-13 10:53 x
絶好の日和に行かれたのですね
たっぷりのお時間だったようですし いい一日だったことでしょう
ボストン美術館の特別展 見ごたえありますね
これだったら もう一度足を延ばしてみたいと思いました
ありがとうございます
Commented by toshi-watanabe at 2012-04-13 14:06
桃花さん、

コメント有難うございます。
ゆっくりとご覧になられたらよいと思います。
またとない機会ですので、ぜひお出かけ下さい。
Commented by desire_san at 2012-05-20 13:01
こんにちは。
私も「ボストン美術館 日本美術の至宝」に行ってきましたので、興味を持って読ませていただきました。
日本の優れた美術品がたくさんボストン美術館にあるのに驚きました。
私が特に印象に残ったのは「平治物語絵馬」と大好きな尾形光琳の「松島図屏風」でした。

私は尾形光琳の魅力を根津美術館以外で見た作品も含めてまとめてみましたので、ぜひ一読してみてください。
ご感想、ご意見などどんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけると感謝致します。
Commented by toshi-watanabe at 2012-05-20 14:53
desire_sanさん、

コメントいただき有難うございます。
尾形光琳の作品も素晴らしいですね。
ブログを拝見させていただきます。
by toshi-watanabe | 2012-04-12 16:41 | 一般 | Comments(4)